[管理番号:2699]
性別:女性
年齢:47歳
はじめまして。
非浸潤がんについてご相談させてください。
経過
・2年半前に会社の健康診断で石灰化が指摘され、大丈夫だと思うが一応念のため県内で最も大きな病院に紹介状を書いていただき診察を受ける。
マンモ、エコーの診察後、細胞診をする必要はないと判断される。
・半年前に会社の健康診断で2年前より石灰化が増えており、0.5㎜程の腫瘤が確認さ
れるのでもう一度同じ病院に紹介状を書いていただく。
紹介先の先生は何かあるのはわかるが、
小さすぎて検査出来ないので半年後にもう一度来るように言われる。
・友人に相談したところ別のクリニックを紹介され、診察を受ける。
画像を見る限りがんとは思えない。
経過観察で良いと思うが不安であればマンモトーム検査を受けてもよいといわれ検査する。
?非浸潤がんと診断される。
・5cmと広範囲のため乳頭乳輪を温存し皮下乳腺全摘をする。
・病理の結果
1cmにスライスしたが全て非浸潤がん(DCISは充実性で大部分の周囲はリンパ節で囲まれている)
石灰沈着を伴うものがある
グレード2
ホルモン受容陰性
以上でした。
切断した断面の写真をいただいたのですが、乳頭にとても近く再発が不安です。
1cmスライスなので間に5㎜以上の浸潤がんがあるのではないか。
石灰沈着を認めるとはコメド壊死ではないのか。
主治医の先生は再発率はとても低く断端陰性なので問題はないが、
不安であればティッシュエキスパンダー入れ換え時に乳頭を切除しますと言われました。
グレード2という事と乳頭に近いということが不安です。
やはり乳頭を切除したほうが良いのでしょうか?
画像を添付できるのならば先生に診ていただきたいのですが。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メールを拝見しました。
素晴らしい。
医師に「何度も先送りにされそうになり」ながら、自分の意志で「早期発見を勝ち取った」わけです。
是非、このブログを見ている皆さんに参考にしていただきたく思います。
やはり「自ら助くるものを助く」ということなのです。
「2年半前に会社の健康診断で石灰化が指摘され、大丈夫だと思うが一応念のため、
県内で最も大きな病院に紹介状を書いていただき診察を受ける。
マンモ、エコーの診察後、細胞診をする必要はないと判断」
⇒ここが「そもそもの間違い」ですね。
石灰化の診断に「エコーで異常無いから」などは全くナンセンスです(早期発見を考えるなら)
「・半年前に会社の健康診断で2年前より石灰化が増えており、0.5㎜程の腫瘤が確認」「紹介先の先生は何かあるのはわかるが小さすぎて検査出来ないので半年後にもう一度来るように言われる。」
「・友人に相談したところ別のクリニックを紹介され、診察を受ける。」
⇒ここが「ターニングポイント」でしたね。
質問者の「この行動」が、全てを決したのです。
「切断した断面の写真をいただいたのですが、乳頭にとても近く再発が不安」
⇒非浸潤癌ですから、「唯一の心配」は「乳頭部」です。
○ただ、一般的には「断端陰性」であれば「そのままでいい」とは思います。
「1cmスライスなので間に5㎜以上の浸潤がんがあるのではないか。」
⇒これは、その他の状況(そのような乳頭近傍への拡がりを示唆するような画像所見及び病理所見があるかどうか)も加味して判断されるべきです。
「石灰沈着を認めるとはコメド壊死ではないのか。」
⇒「コメド壊死の記載はない」ようです。
コメド壊死以外でも「石灰化」は起こります。
「主治医の先生は再発率はとても低く断端陰性なので問題はないが、不安であれば、
ティッシュエキスパンダー入れ換え時に乳頭を切除します」
⇒この通りだと思います。
「グレード2という事と乳頭に近いということが不安」
⇒グレード2は気にする必要ありません。
○乳頭に近いというのは、どの程度なのか、もう一度担当医と「具体的な数字」について説明してもらうといいです。
「やはり乳頭を切除したほうが良いのでしょうか?」
⇒これは上記次第です。
少なくとも「慌てる」必要はありません。