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非浸潤がん温存手術後の放射線治療について

[管理番号:6896]
性別:女性
年齢:45歳
病名:乳がん
症状:

よろしくお願いいたします。

性別 女性
年齢 45歳
今年9月(中旬)日に非浸潤がんの温存手術をしました。

左DCIS
手術法: Bp(50×25×20mm)
占拠部位: BDE
大きさ: 浸潤部 1mm未満の微小浸潤3カ所
乳管内進展: 乳管内秒変を含めた腫瘍全体
30×13mm
pT: pTlmic
腫瘍数: 単
組織型: microinvaive ductal carcinoma
Grading: 核 grade=2(3+1)
浸潤範囲: g
浸潤様式: INFb
脈官侵襲: 1y0 , v0
断端: negative
リンパ節: 郭清なし
腫瘍部標本: 浸潤部 2D.3G
乳管内 1A.1B.2E.2F.
Comment:
浸潤部はsolid tubular carcinoma像
HAR2: 3+
PR : 陽性 : 50~60%
ER : 陽性 : 50~60%

という病理検査報告書でした。

主治医の先生は、全部取りきれているけれども、浸潤部分の性格が良く
ないので、予防の意味で放射線治療をした方が安心でしょう。

ただ、治療は大変だから絶対しないといけないとも言えないレベルです。
とおしゃっていました。

自分で決めるとなるととても難しいので
質問させて頂きました。

①管理番号:6530「非浸潤癌温存術後の放射線治療省略の提案に困惑」の方の回答に
非浸潤性乳管癌、温存術だったのに放射線治療を省略すると主治医言われた事に田澤先生も放射線照射は省略でOKと答えられていたので、私はの場合は、放温存術は(浸潤癌でも非浸潤癌でも無関係に)「術後照射が必須」に当てはまるでしょうか?
それとも射線照射を省略することは可能でしょうか?
②その場合、放射線照射省略する代わりにホルモン治療をしないといけないでしょか?
(現在タモキシフェンを処方されています)

抗がん剤治療をしなければいけない方に比べたら、贅沢な悩みになるのかもしれませんが、
手術をしてから5週間が経っても乳輪に沿って手術を、したせいか傷口は綺麗なのに、
ピリピリしています。

それなのに、放射線照射は怖くて仕方がありません。
(放射線治療の体験談を読んだりしたせいもあると思うのですが)
仕事で腕を動かすので、仕事に対しても不安です。

③放射線照射するとしたら、傷口がピリピリしていても、始めて良いのでしょか?
術後、最低でも空けた方が良い期間はあるのでしょうか?
お忙しいと、思いますが、先生のご意見をを、お伺いしたいです。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

メールの回答は以下を理解すれば自ずと解ります。
1.温存手術では「術後照射が大前提」
  病変の拡がりが「極めて狭い」場合や、高齢者などに「限定的に」省略はありうる。

2.非浸潤癌や微小浸潤ではホルモン療法は不要
  効果と副作用(有害事象)のバランスがとれない。

「放射線照射を省略することは可能でしょうか?」
⇒省略してはいけません。

 30mmの拡がりがあるわけです。(上記1参照のこと)

「放射線照射省略する代わりにホルモン治療をしないといけないでしょか?」
⇒全くナンセンス。

 放射線治療は「局所療法(その部位だけの治療)」であり、ホルモン療法は「全身療法(血液に入り、全身の再発予防となる)」です。
 局所療法と全身療法は明確に区別すべきであり、「局所の借りを全身で返す」みたいな「頓珍漢」な考えは止めましょう。

「放射線照射するとしたら、傷口がピリピリしていても、始めて良いのでしょか?」
⇒もちろん!

「術後、最低でも空けた方が良い期間はあるのでしょうか?」
⇒ありません。