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これからの治療方針について

[管理番号:7400]
性別:女性
年齢:50歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:

はじめまして。
お忙しい中大変申し訳ありませんが、回答いただけるとありがたいです。

5月中旬に左乳癌全摘手術をしました。

50歳(閉経前)
浸潤性乳管癌 硬癌
しこりの大きさ 19mm
センチネル 3/8
追加 0/7
エストロゲン+
プロゲステロン+
HER2 0
Ki67 16.6%
ルミナル型
組織グレード Ⅱ
腺管形成 3
核異型 2
分裂像 1
リンパ管侵襲 1
静脈侵襲 0
ステージ ⅡA
T1N1M0

先生に質問したいのは今後の治療方針です。

主治医からはリンパ節に転移があるので
ホルモン治療5年
放射線25回
抗がん剤
TC×4回もしくはEC×4回→ドセタキセル4回
を勧められました。

先生でしたらどんな治療法を勧めますでしょうか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

論点は「リンパ節転移がある事が抗がん剤を勧める理由になるのか?」ということです。
言い換えれば「リンパ節転移がある=抗がん剤の効果がある(上乗せがある)」のか?

結論からいうと、上記は正しくありません。
「それでは、何故リンパ節転移があるから抗がん剤をしましょう」という医師がいるのか?
昔(サブタイプの無い時代)は他に指標が無かった。
つまり「抗がん剤をすべきか?」という判断基準が「リンパ節転移があれば抗がん剤をしましょう」だけだったのです。

「先生でしたらどんな治療法を勧めますでしょうか?」
→ホルモン療法単独です。

 何故かというと「Ki67 16.6%」はルミナールAの可能性が高いからです。
 ★どうしても不安なら、OncotypeDXしましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

オンコタイプDXについて
性別:女性
年齢:50才
病名:
症状:

先日は回答いただき、ありがとうございました。

コラム188回、189回とても参考になりました。

その後、オンコタイプDXを申し込み、今検査結果を待っているところです。

質問ですが、
①今年から検査結果の表記方法が変わりわかりやすくなったらしいです
が、リンパ節転移 pN1(3個)、50歳の私が中間リスクであった場合、RSがいくつから抗がん剤をすすめますでしょうか?

②術後1ヶ月が経ち、方針が決まるまでは治療が始められないとのことで、現在、無治療なのですが、抗がん剤・放射線・ホルモンなどの治療はそれぞれ遅くともいつまでに始めなければいけないのでしょうか?

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

結論からいうと「中間リスク」などという考え方自体「古い」

「リンパ節転移 pN1(3個)、50歳の私が中間リスクであった場合、RSがいくつから抗がん剤をすすめますでしょうか?」
→26以上です。
 『今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」』の最後の表で見れば一目瞭然ですよね?
 
Cut-offs for the RxPONDERは『25』です。(今週のコラム189参照のこと)
今週のコラム 189回目 「リンパ節転移があれば抗がん剤をすべき」という古い考えが完全否定される日も近いのです。

「抗がん剤・放射線・ホルモンなどの治療はそれぞれ遅くともいつまでに始めなければいけないのでしょうか?」
→そんな基準はありません。
 (そもそも「全摘でリンパ節転移3個以内」なのだから放射線は不要では?)

 (当院では)OncotypeDX結果待ちの間にはホルモン療法内服してもらってますが…(副作用を確認すうにも1か月は適当な期間)