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今後の治療について

[管理番号:5651]
性別:女性
年齢:58歳
田澤先生、はじめまして。
私は6年程前から石灰化で経過観察をしており、毎年エコーとマンモを乳腺外科のクリニックで行っていました。
昨年石灰化が広がってきていて、医師が「広がってるけど、はっきりわかりにくい。
でも、ガンであってもおとなしいタイプだから大丈夫。」
と言われ、そのままにしました。
今年の検診で「ちょっと嫌な感じがする」と言われ(今年の段階では自分でもシコリがあるような気がしていました)針で細胞診をしてガン告知を受け、その後大学病院に紹介状を書いて頂き、マンモトーム、MRI検査⇒乳房温存手術とセンチネルの結果リンパ郭清を行い、先日病理結果が出ました。
2.5cmぐらいかと思っていたところ、浸潤径4.6cmということで、驚いております。
毎年マンモとエコーを受けていたのに、こんなに大きくなってショックを受けています。
病理結果は下記のとおりです。
pT2(4.6cm)、 f、LVI(+)、Ki-67 20%
Tubular formation :Score2
Nuclear Pleomorphism :Score3
Mitotic Count :Score2
B-R score :Grade2
Surgical margin :negative
ER :TS(8)=PS(5)+IS(3) 陽性
PgR :TS(6)=PS(4)+IS(2) 陽性
HER2遺伝子(FISH)陰性
リンパ転移 1/24(センチネルのみ)
医師より、ルミナルBタイプで 抗がん剤(TC療法)、放射線治療、ホルモン療法((アリミデックス)
を勧められております。
放射線は4.6cmと浸潤径が大きかったことと、LVIが+であることを鑑み、鎖骨にも照射するとのことです。
私は自分の年齢と、QOLを考え、抗がん剤はしたくない意向で、医師も最終的には本人が決めることと言ってくださっています。
田澤先生にお伺いしたいのは、
①私はルミナルBですか?
抗がん剤についての先生のお考えを教えてください。
②鎖骨への照射も必要でしょうか ?鎖骨にも照射を追加した場合と乳房だけの照射の場合の違い(リンパ浮腫に一段となりやすくなるか等)
③LVI(+)というのは遠隔転移の可能性が高いのか、信頼性のあるものなのでしょうか?
長々とすみません。
鎖骨への照射は副作用にもよりますが出来るなら行いたくない、と考えております。
たくさんの質問で申し訳ありませんが、ご回答のほどよろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「①私はルミナルBですか?」
⇒Ki67=20%は、ほぼ間違いなくルミナールAです。 『今週のコラム98回目~101回目』を熟読ください。
今週のコラム 98回目 ♯このグレーゾーンを「AとBに分ける」ためにOncotypeDXがあるのです。
今週のコラム 99回目 ★グレードは「参考程度」ということでいいですね?
今週のコラム 100回目! 「若いから」抗ガン剤をしましょう。は過ちなのです。
今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。
「抗がん剤についての先生のお考えを教えてください。」
⇒全く不要です。
「 ②鎖骨への照射も必要でしょうか ?」
⇒不要です。
 
「鎖骨にも照射を追加した場合と乳房だけの照射の場合の違い(リンパ浮腫に一段となりやすくなるか等)」
⇒患肢浮腫のリスク因子となります。
「③LVI(+)というのは遠隔転移の可能性が高いのか、信頼性のあるものなのでしょうか?」
⇒無関係です。(気にしない様に)