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病理検査結果による今後の治療について

[管理番号:7685]
性別:女性
年齢:46歳
病名:左乳癌
症状:

6月下旬に左乳癌と診断
8月初旬 乳房温存手術 リンパ郭清なし

術後病理結果は教えて頂いてる範囲では下記の通りです。

浸潤径 14×9
組織型 硬性型80% 非浸潤性 20%
核グレード 3
組織学的グレード 3
リンパ管侵襲 Ly1(多数認めるとコメントあり)
静脈侵襲v0
断端close(bottom-side,in situ ca& invasive ca & lymphatic
permeation)
断端評価 方向底部 0.2mm
リンパ節転移 pN1mi 0.7mm微小転移
ER 80%
PgR 60%
HER2 3+
Ki67 50%

主治医からの治療方針は下記
①抗がん剤3ヶ月
パクリタキセル or タキソテール
②ハーセプチンを抗がん剤と一緒にスタート1年
③抗がん剤終了後、放射線25回+断端closeのため追加5回で30回
④放射線と一緒にホルモン療法開始5年

私がお酒を飲むと心臓がバクバクすると言ったら、パクリタキセルは無理かなぁということで、おそらくタキソテールになりそうですが、副作用が心配です。
でも心臓に負担がかかるのも嫌なのですが、やはりアルコールに弱いとパクリタキセルは避けるべきでしょうか?

断端closeが気になっていますが、これは追加切除は考えず放射線をかけることで対応できると考えていいのでしょうか?

ステージについては主治医から聞いていないのですが、以前病院勤務していて、がん登録をしていたので、がん登録の基準ですとIBで、UICCの基準ですとIIAではないかと思うのですが、私の場合どちらで考えますか?IとIIでは生存率や予後が違うと思うので。
今回検診をまじめに受けていたにもかかわらず、自分でしこりで発見したので予後が悪いのではととても不安です。

病理の悪性度も悪かったのですが、これは検診でもう少し早く見つけたとしても、同じだったのでしょうか?
今後の経過、局所再発、遠隔転移などのフォローも3ヶ月とか短い間隔でしていったほうがよいのでしょうか。

総合評価として、田澤先生は術後の治療方針はどのようにお考えになるのか、セカンドオピニオンとして参考にさせて頂きたくご質問させて頂きました。
主治医の方針とは別の選択肢もあるようならば伺いたいです。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「でも心臓に負担がかかるのも嫌なのですが、やはりアルコールに弱いとパクリタキセルは避けるべきでしょうか?」
⇒勘違いしているようですね?

 「心臓がバクバクするから、パクリタキセルをやらない」というのは、「心臓に負担がかかるから」と言う意味では全くありません。
 単純に「アルコールが駄目な人には、(アルコールで溶かしている)パクリタキセルは使えない」という意味です。(アレルギー反応は酷いとショックになります)

 ドセタキセルにしましょう。

「断端closeが気になっていますが、これは追加切除は考えず放射線をかけることで対応できると考えていいのでしょうか?」
⇒執刀医が自信を持っているなら、それでいいでしょう。

「がん登録の基準ですとIBで、UICCの基準ですとIIAではないかと思うのですが、私の場合どちらで考えますか?」
⇒逆ですね。

 UICCだとN1miはⅠBとなります。 NCDだと微小転移もリンパ節転移としてカウントするのでⅡAとなります。
★微小転移は予後に影響ないことが解っているので、1期でいいでしょう。

「病理の悪性度も悪かったのですが、これは検診でもう少し早く見つけたとしても、同じだったのでしょうか?」
⇒グレードのことですね?
 グレードは何時見つかっても変わりません。(変わるのはステージです)

「今後の経過、局所再発、遠隔転移などのフォローも3ヶ月とか短い間隔でしていったほうがよいのでしょうか。」
⇒?

 早期ですよ?
 普通でいいです。

「総合評価として、田澤先生は術後の治療方針はどのようにお考えになるのか、」
⇒ドセタキセル単剤ではなく、TC(ドセタキセル+エンドキサン)にするだけで、他は全て一緒

 Trastuzumab + TC(docetaxel + cyclophosphamide)x4(3か月)⇒放射線(タモキシフェン併用開始)⇒trastuzumabx14(9か月)