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病理検査結果と治療について

[管理番号:2961]
性別:女性
年齢:72歳
母が右胸の全摘手術となりました。
術前のCTやMRI、血液検査やエコーなどで全身やリンパに転移はないと言われ、娘の私が泣いてしまうほど安心したのですが、
術後の病理検査でly+
(HE)、v+(HE)、
surgical margin positive
(#1―3)となっており、不安です。
ERとPgRともにほぼ100%の細胞に陽性、どちらもJscore3b、フェマーラを1日1錠飲み始めました。
他にすべきこと、できることがないか、ご質問です。
papillotubular
carcinoma.nuclear grade1、
110×90×40mm(invasion60×40×30)、f-、S-、核異型度スコア2、核分裂像スコア1、核グレード1(計3点)
肉眼的には右乳腺C及びD領域において
60×40×30mm大の嚢胞性病変を認める。
嚢胞内腔には最大15mm大、以下多数の乳頭状病変を認める。
この病理報告書にはKi67の記載がなく、+もただの-と+という意味なのか+++まであるうちの1+という意味なのかわかりません。
また、軽度の静脈、血管浸襲を認める。
背景乳腺組織は萎縮している。
というところもわからないが故に怖く、調べてもよく理解できませんでした。
転移の可能性が高いということでしょうか?ハーツーは結果がまだで、来月聞く予定です。
72歳と高齢なのと、148センチ34キロとかなり小柄、病気したこともなく、薬も飲んだことがない状況で、もし化学療法を提案されたらどうしたらよいのか、わからずにいます。
とても大切な母です。
長生きしてほしいのです。
諦めないために、できることを教えてください。
今後の見通しもお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「surgical margin positive (#1―3)となっており、不安」
⇒乳腺全摘しているわけだから大丈夫です。
 
「ERとPgRともにほぼ100%の細胞に陽性、どちらもJscore3b、フェマーラを1日1錠飲み始めました。」
⇒「核分裂像スコア1」でもあり、(Ki67の記載はありませんが)「luminalA」の可能性が高いです。
 ○ホルモン療法単剤で十分だと思います。
「invasion 60×40×30」とはなっていますが、「f-、S-」であり、「嚢胞性病変を認める。嚢胞内腔に」とあるので、浸潤癌とはいえ「嚢胞内腫瘍」として大人しいものと考えてください。
 
「転移の可能性が高いということでしょうか?」
⇒大人しい癌です。
 転移の可能性は「低い」です。
 
「他にすべきこと、できることがないか、ご質問です。」
⇒不要です。
 
「背景乳腺組織は萎縮している。というところもわからないが故に怖く」
⇒高齢だから、当然です。(乳腺が萎んで委縮しているのです)