Site Overlay

術後の病理診断後の判断に迷っています

[管理番号:6197]
性別:女性
年齢:64歳
田澤先生はじめまして。
母が乳がんと診断されてからというもの、こちらのサイトには何度も元気付けられています。
今後の母の治療について判断に迷っており、是非田澤先生のご意見をお伺いできればと思いご相談させていただきました。
以下が手術後の病理診断結果です。
・左乳癌
・浸潤性小葉癌
・病理学的浸潤径 6×3mm 全体 34×18×15㎜
・センチネルリンパ節への転移 無し
・核グレード グレード1
・リンパ管への侵襲 無し
・血管への侵襲 無し
・エストロゲン受容体 (弱?)陽性10%
・プロゲステロン受容体 陰性
・HER2スコア1
・腫瘍増殖マーカー Ki67陽性率 約15-20%
1月初旬に乳がんと診断、2月初旬に全摘手術、2月下旬に傷口の感染症により再度縫合手術を受けています。
担当の先生には非常に判断に迷うと言われました。
今提示されている治療は、
効く可能性は低いが5年間のホルモン治療をするか、2年間飲み薬の抗がん剤を飲むか、3ヶ月(3週間に1回×4クール)だけ点滴による抗がん剤(ドセタキセル+エンドキサン)治療を受けるかのどれかとのことです。
母は再手術の痛みが続いていることや、年齢、体力、また自身が薬の副作用が出やすいタイプということもあり、点滴での抗がん剤治療に非常に不安を覚えており、耐えていく自信がないかもと言っています。
担当の先生は、どの治療が正しくて一番安全なのかははっきり言えないし、どの治療をしても効くか効かないかは分からない。
再発する可能性はあるとおっしゃっており、私も迷いに入っています。
どの治療が一番効くというものがないのなら、浸潤部分は6㎜だし、悪性度も低いし、そこまで無理はせず飲み薬の抗がん剤でいいのではと思う一方で、いつか再発した時にこの治療で後悔しないのかとも思ってしまいます。
田澤先生でしたら、この病理診断を見てどのような治療を勧めますか?
また、抗がん剤で後遺症が出る可能性はあるのでしょうか?
母は、元々体の痛みに悩まされていたので、後遺症として体の痺れと痛みが残るという情報にも引っかかっているようです。
お忙しい中申し訳ございません。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
典型的な大人しい小葉癌(グレード1 Ki67 15-20%)であり、抗癌剤が効くようには到底思えません。
浸潤径6mmで全摘なら、そもそも無治療です。
「田澤先生でしたら、この病理診断を見てどのような治療を勧めますか?」
⇒無治療です。
 経口抗がん剤はそもそもエビデンスがないし、抗癌剤も効く様には思えません。
 
 ホルモン療法は5年程度やってもいいとは思いますが、強くは勧めません。