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今週のコラム27回目 減量投与しなくても「白血球が下がらない」のです!!

ゴールデンウイーク

皆さん。どのような休日でしたか。

休めなかった方もいらっしゃるかもしれません。

 

カレンダー通りの営業である、我が江戸川病院の先週の営業日は月と金だけでした。

(月)と(金)と言えば、ちょうど手術日です。

先週だけで1日5件ずつ、計10件の手術をしました。(今回の金曜日は午後の外来をクローズして1日手術にできたのです)

 

外来がなく、手術だけ…(金曜日夕と土曜日は市川外来がありましたが…)

 

○かつて私が「振り返れば奴がいる」の織田裕二を見て、思い憧れた『手術だけをしている外科医』の気分をちょっぴり味わえたゴールデンウイークとなりました。

 

現実には外来の比重が大きい「乳腺外科」の領域。一般外科と比べてそこが違います。

その点が、昨今女性乳腺外科医が増えている理由のようです。

 

 

化学療法

現在、ここ江戸川病院では外来で化学療法を行っていますが週25人~30人位です。

仙台時代は、もっと凄い数でこの3倍位(短期入院でやっていました。外来患者数も物凄かったので、とても外来を化学療法に割け無かったのです)の化学療法患者さんを診療していました。

 

白血球低下

その中で、副作用として最も気になるのは「発熱性好中球減少症」です。

私は極めて沢山の患者さんを診てきましたので、(白血病などで行う様な強烈な抗ガン剤ではないので)『乳腺の抗ガン剤では決して大事には至らない』事を肌で感じてはいます。

とは言え、「3日間ほど入院して点滴抗生剤+連日のフィルグラスチム投与」患者さんは高熱と咽頭痛で大変です。

しかも、一旦これになると次回から減量投与となりRDI(relative dose intensity)低下は免れません。

 

ペグフィルグラスチム

救世主が現れました。

これは「持続型のフィルグラスチム(G-CSF製剤)」です。

この薬剤は2014/11(1年半前)に発売され、初めて「予防投与可能」となりました。

♯今までは「白血球が著しく低下」したり「それにより発熱」したりしないと、この手の薬剤は投与できなかったのです。(つまり、今までは後手後手とならざるを得なかったのです。)

 

○この薬剤は劇的に「化学療法の現場」を変えました。

減量投与しなくても「白血球が下がらない」のです!!

RDIを保つことで(長期的に見れば)予後の改善にも貢献すると思います。

 

上記内容は来る「第24回 日本乳癌学会」でポスター発表します。

第24回

当院でのペグフィルグラスチム導入による術後TC 療法の
有害事象とRDI への影響
田澤 篤1、細矢 徳子2、谷岡 利朗2
1江戸川病院 乳腺センター、2東京医科歯科大学 乳腺外科