昨日、「腋窩郭清後の癒着」とそれを説明するための「腋窩、鎖骨下の構造」及び、そのアプローチを書いたあと、いろいろ考えていました。
『上手く伝わってるかなぁ。』
〇 腋窩と押入れと衣装ケース(まるで「部屋とワイシャツと私」みたいですね?)
次回のコラムで補足を試みようと思いますが、ここでひとつイメージを
皆さん、家に居るとします。
押入れありますね?
その下の段に衣装ケースが入っているとします。
この衣装ケースは中のものを取る際に「引き出し」を引っ張り出すことができず、「手前の蓋」を空けて腕を中に伸ばして洋服を取り出すとします。
さぁ、イメージできましたか?
衣装ケースの上蓋が小胸筋、衣装ケースの中の洋服が「レベル2リンパ節」となります。
『レベルⅡ郭清が標準だから、レベルⅢ郭清はしない』などと言っている乳腺外科医は、ほぼこのイメージで(偽)レベルⅡ郭清を行っています。
この衣装ケースには「手前の蓋(小胸筋でいう外側)」と「奥の蓋(小胸筋でいう内側)」があるのですが、押入れに入らない限り、「奥の蓋」を見ることは不可能です。
つまり、押入れの手前に経って、衣装ケースの手前の蓋を開けて中の洋服を手を伸ばして引っ張りだしているのです。
★衣装ケースの奥に洋服が残っているかもしれないけど、「手が届かない範囲は(まぁ)いいか(つまり、レベル2の奥は残っている可能性がある)」となっているのです。
これに対し、押入れの中に入り、衣装ケースの奥の蓋を開けて内側からも(衣装ケースの中を)覗き込み、更に、衣装ケースよりも更に奥(押入れの奥)にあるかもしれない洋服(これがレベル3)を取るのが(本物の)レベルⅡ郭清及びレベルⅢ郭清となるのです。
衣装ケースと押入れの天板(大胸筋)の間を剥がして、天板を押入れの奥の方へ押し込みながら、衣装ケース(小胸筋)を押入れから引っ張り出すことにより、衣装ケースの「奥の蓋」を開けることができ、(衣装ケースを手前に引っ張り出すことで)衣装ケースの更に奥にある洋服(レベルⅢリンパ節)も取ることができます。
★この際に(天板を押し込むのではなく)天板を衣装ケースの奥の蓋の部分で(パカッと)2つに割って、真上からこの操作をすると(押し込んで)腕を伸ばすよりも確実に奥の洋服を丁寧に取り出すこともできます
「癒着」について
癒着とは(この場合)この衣装ケースの手前の蓋が錆びついて開かない(普通衣装ケースは鉄ではありませんが…)ようなものです。
これを無理やり開けようとすると、衣装ケースにひびが入る(実際には小胸筋にくっついている腋窩静脈が損傷する)リスクがあるため、「手前の蓋」からしかアプローチできない医師は断念せざるを得なくなるのです。
癒着はあくまでも「手前の蓋」だけなので、天板を(衣装ケースの真上で)2つに割り、「奥の蓋から明ければ」衣装ケースから洋服を取り出せますよね?
気軽に、(比喩的)説明を開始したものの・
皆さん、付いて来れましたか?
年齢 40-49歳
入院期間 3日間
痛み 3
田〇先生、江〇川病院看護師の皆様、手術の時は大変お世話になり、術後の不安などに対応して頂き感謝です。
入院期間が短く、帰ってからの生活が心配でしたが、先生の入院時の診察と「何か聞いておきたいことはありますか?」との言葉で退院後の生活や今後の治療を頑張らなきゃと思うことが出来ました。お陰様で腕は凄く上がりますし、ピアノも弾けます。
先生本当にありがとうございました。
これからも宜しくお願い致します。