こんにちは。田澤です。
3部作新章として「早期発見3部作」を開始します。
「早期発見」こそ、最大・最良の治療です。
その早期発見を
第1部「石灰化」
第2部「異常乳頭分泌」
第3部「乳頭ビラン」
の3つの症状からアプローチしていきます。
是非、早期発見への参考にしていただきたいと思います。
それではまずは「早期発見3部作、第1部「石灰化編(前篇)」始まります。
自宅にて
Aさんは40歳女性、2児のママ、フルタイムで働いています。
Aさんは夫Bさんと本日届いた「健診結果」※1) について話しあっています。
Aさん
「昨年は 左:良性の石灰化 異常なし となっていたけど、今年は 左:良悪性の区別がつかない石灰化 要精密検査 となっているわ。どういう事かしら?」
夫Bさん
「その記載だけでは,良く解んないなぁ。 去年は良性だった石灰化だけど、今年は良悪性の区別がつかない。ということは悪化したということかな? どちらにしても早めに病院へ行った方がいいよ。」
Aさん
「そうね。でも石灰化って何かしら?」
夫Bさん(インターネットで調べながら)
「ふむふむ、石灰化っていうのはカルシウムみたいだぞ。カルシウムって骨だと思ってたんだけどな。 乳腺の石灰化の場合には良性/悪性/良悪の区別がつかないの3タイプがあるらしいぞ。」
Aさん
「解ったわ。明日にでも近くの大学病院へ予約とってみるわ。 大学病院なら何となく安心よね。大きいし。」
予約の日、C医大病院にて
(朝から数時間待たされて、いい加減疲れていましたが、ようやく診察です)
大学病院D医師
「お待たせしました。えーと、健診での左石灰化ですね。」
Aさん
「そうなんです。昨年は良性石灰化って書いてあったのですけれど、悪化したって事かしら?」
大学病院D医師(Aさんが持参した健診のマンモグラフィーをシャーカステンにかけて、チラッと見ながら)
「あー、なるほどカテゴリー3の石灰化ね。石灰化は健診でやたら引っかかるんだよね」
ぶつぶつ言いながら、Aさんに向き直り、
「えーと、じゃあ超音波検査しますので、上を脱いで横になってください。」
超音波検査が終了し、Aさんは着替え直し再びD医師の向いに腰かけます。
大学病院D医師
「超音波検査では異常なし。石灰化は癌では無いと思いますよ。 とりあえず大した所見じゃないし、超音波で見えないので 今のところ心配無いと思います。 でも万が一もあるので念のため半年後に来てもらってもいいですか?」
Aさん(説明に、曖昧さを感じ今一つ納得できない様子)
「癌で無い。という事ですか?」
大学病院D医師
「癌の可能性は低い。という事です。癌で無いと言っている訳ではありません。だから様子を見ましょう。という事です。よろしいですか。」
Aさんは、結局のところ曖昧な表現に納得できないままでしたが、D医師がちらちらと腕時計を見だしたので、これ以上説明してもらえるのは無理と諦めました。
その日、自宅にて
夫Bさん。(Aさんの診察結果が気になり、そわそわしながら)
「今日、どうだった?」
Aさん
「んー。癌で無さそう。とは言われたけど…」
夫Bさん(少し、ほっとしながらも)
「じゃー、何だって?」
Aさん
「それがね。はっきりしないのよ。癌の可能性は低い。様子を見ましょう。だって」
夫Bさん
「癌の可能性が低い。だけでは心配だよな。 “癌でありません。○○です。”みたいに、きちんと断定して欲しいよな。」
Aさん
「そう。それなのよ。私が不満なのは。 “様子を見ましょう”って言われてもね。 本当に大丈夫なのかしら?」
夫Bさん
「大学病院だから、安心というのは間違いかもしれないな。
ネットで調べてみよう。」
ひとしきりネットを調べていた夫Bさんの目が輝きます。
「A子、隣の区のE病院は、どうかな? ホームページに石灰化について詳しく書いてあるし、“石灰化は早期発見の最大のチャンス”みたいな事もかいてある。行ってみたらいいよ。そんない遠くないし。」
Aさん(夫Bさんの頭越しに、ネットの画面をみながら)
「へー。本当ね。随分石灰化について詳しく書いてあるわ。“ステレオガイド下マンモトーム生検のない施設で石灰化の診療をすべきではありません”って書いてあるわ。ステレオガイド下マンモトーム生検って何かしら?」
夫Bさん(ホームページのステレオガイド下マンモトーム生検についての記載を読みながら)
「石灰化を採取する針の検査みたいだよ。これなら確定診断できそうだね。とにかくE病院へ行ってみたらいいよ。」
Aさん
「そうね。明日電話で予約してみるわ。」
※1) 検診結果 これは健診機関(自治体だったり、民間だったり)によって結果の記載の仕方は大きく異なっています。
本来は以下の3項目の記載が必要なのですが、「要精査」のみしか記載の無い健診機関もあります。
部位:左/右
所見:石灰化/腫瘤/局所的非対称性陰影
程度:悪性(カテゴリー5と記載される事あり)/悪性疑い(カテゴリー4)/良悪区別ができない(カテゴリー3)
これで「早期発見3部作、第1部石灰化編(前篇)を終わります。
次回は第1部石灰化編(後篇)をお届けします。
Aさんはいよいよ、E病院を受診するようです。乞うご期待!