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江戸川病院乳腺センター長 田澤篤 さん 212件
2024-12-23 07:03:56 掲示板 2024年12月22日~12月28日
コラムで感じた追加
他の医師が「cCRできるわけないじゃん」と考えざるを得ない環境にあるとしたら、それら医師に私が(彼らにはできない)「成功体験」を直接お伝えしその考え方を少しでも変えられないか?
ちょっと、そう思いました。
今日、外来カルテを予習していて、
再発に際し主治医から(もともとステージが高かった上に)早期で再発したため『あなたは半年は無理だと思う』などと言われた患者さん。
私が最初に診察した際に、確かに局所やリンパ節など一見「大変な状況」に見えるが、そもそも内臓転移が無いのに「寿命宣言」していいのか?
率直にそう思いました。
当院へ転院し、手術(局所再発も対側腋窩鎖骨下転移も綺麗に切除)その後抗癌剤、そして先日cCR!
その医師へは、「術前の転院ご報告」と「術後の病理結果ご報告」をしていたので、本来は再度の報告する予定がなかったのですが、今回のコラムを書いていて「このような成功体験こそ、それらの医師の記憶に残すべきだ!」という思いがふつふつと…
そしてつい先ほど、
術後、抗癌剤をこれこれ行い12月○日CTでcCRを確認しました。
↑
そんな報告をしたのです。
2024-12-23 06:56:28 掲示板 2024年12月22日~12月28日
今週のコラム 477回目『「luminalAでは抗癌剤でcCRできない」に対する反証』でluminal Aなのに、何故抗癌剤が効くのか?
これについて、いろいろ思索していました。
「絵に描いた餅」ではない、それは事実。
ということは何か解釈が出来る筈。
一つのポイントは「術後補助療法(ホルモン療法)」による変化(修飾ともいえる)だと思います。
癌細胞にはその性質が必ずしも一様ではなく、例えばluminalAでは「圧倒的に」ホルモン強感受性細胞に混じり「少数派の」ホルモン感受性乏しく抗癌剤に感受性の細胞が存在
↓
ホルモン療法により「前者が選択的に攻撃され消滅」その際に「後者が生き残ってしまった場合」に再発する。
これは0-100の話ではなく「ある一定以下であれば(体内の)免疫細胞で駆逐されてしまう」が、それを超えている場合「それがゆっくり増殖⇒再発」を想像します。
つまり術後補助療法の段階では抗癌剤をやっても殆ど意味がない(あまりにも後者の細胞の割合が低いため)が、再発すると(後者の細胞の割合が高くなるため)抗癌剤の効果がある。
♯これは想像の域に(無論)過ぎない仮説ですが、実際にluminalAでcCRとなる症例を多数経験している私にだけは許される想像と言えるのでは?
一つ付け足したいのは…
かつてbevacizumabの登場で、そのようなcCRが出てきても(無論抗癌剤は永久的に継続などできないので)その後にhormone only therapyの中で「再再発が多かった=抗癌剤やっても結局意味ないじゃん」的な思いも感じ始めていた矢先に登場したCDK 4/6 inhibitor !
まさにgame changer !
抗癌剤によるcCRを6年以上継続(まだ天井は見えません。発売して、漸くその程度だから)している患者さん達を見て勇気づけられているのは(患者さん自身以上に)私なのです。
2024-12-16 13:39:51 掲示板 2024年12月15日~12月21日
『術前化学療法』を回答していて…
世の中に「肉芽腫性乳腺炎」の知識が浸透してきたことに(少なからずの)驚きと、喜びを感じていた矢先!
誤診の素になってしまうとは!
物事には必ず「良い面と悪い面」があることにちょっとショックを感じています。
2024-12-15 11:11:43 掲示板 2024年12月15日~12月21日
本日の生動画配信、ご参加ありがとうございました。
以下、補足
無治療での再発率15% ホルモン療法を行ったら5%再発率を改善
⇒これを分解すると
(手術した時点で)
85%は(そもそも)癌はどこにも残っていない★
15%は(画像上見えないだけで)癌が「どこかに」存在している★★
この15%の内
10%はホルモン療法をしても(治らず)再発する。★★★
5%はホルモン療法をすることで(癌が存在していたのに)完全に治癒する。★★★★
遠隔転移とは「画像上癌が見える状態」ではあるが、ここで抗癌剤なりで治療してcCRとなった場合、理論上以下の2つに分けられる
①(画像どころか)実際に消失している。
②(画像では消失しているが)小さいだけで存在している
無論①であることが望ましいが、やはり一度「可視化」した以上②の割合は高いと考えられる。
ただし、この②は上記★★と同様の状態であり、そうであれば(その後の治療にて完全に治癒=根治する)上記★★★★も存在するということ。
↑
(無論①であることが望ましいが)とにかくcCRを達成すること。そうすれば(②であったとしても)★★★★が実際に存在するのだから、その可能性を少しでも大きくすること。
そういうことなのでは。
2024-12-01 11:10:26 掲示板 2024年12月1日~12月7日
Key word はgame changer
詳細は、今さっき掲載した今週のコラム474回目を参照しただくとして…
Trastuzumab-Deruxtecan から、私の頭から離れないこの言葉。
「成功体験 手術手技編」を書くにあたり、自分こそ患者さんにとってのgame changerでありたい。
今回のコラムには書きませんでしたが(次回に 手術手技編②?で記載予定の)前医で腋窩再発で腋窩郭清したけど、(腋窩だけで鎖骨下リンパ節を郭清しなかった、できなかったから)鎖骨下リンパ節に転移の残存を危惧して私が腋窩鎖骨下郭清した患者さん。(その方にとっては「再々」手術となるわけですが)結果的にその選択は正解でした。
自分の今迄の選択は良かったのだろうか?
そう思うのであれば(今からでも遅くない)game changerはここにいる。
なんて思ったりします。
2024-11-25 10:52:35 掲示板 2024年11月24日~11月30日
私の正面には「富士山」がはっきり見えていました。
昨日の私のコメントですが、これは比喩ではありませんでした。
江戸川病院の5階からは、綺麗に見えていたのです。
2024-11-24 11:05:45 掲示板 2024年11月24日~11月30日
動画生配信、ありがとうございました。
私の正面には「富士山」がはっきり見えていました。
成功体験のためには挑戦が必要であり、成功体験こそ自信をもって患者さんへ医療を提供する根拠となります。
セカンドオピニオンで某有名ながん専門病院の医師から『再発は何をやっても治らないから、辛い思いをする必要はない。緩和医療を勧めます』と、言われて(更に)当院へセカンドオピニオンに受診した患者さんがいました。
遠隔転移=治らない と断言していいのか?
その患者さんにも言いましたが、
当院では(そのように前医で言われた患者さんが)抗癌剤でcCR⇒その後CDK4/6inhibitor+hormone therapyで(毎年PETを撮影するたびに)cCR contineu ! と5年、6年過ぎた方も大勢いらっしゃいます。
成功体験(転移再発乳癌への挑戦)は、まさにそのような実例を紹介することで、「遠隔転移は諦めろ!」に風穴を開けたいと思っています。
そのような「成功体験」のない医師は(昔からの)教科書通りにただ「諦めろ」を繰り返し続けることでしょう。
2024-11-22 10:51:16 掲示板 2024年11月17日~11月23日
Q&A 小葉癌3c 11/20 15:50を回答していて…
質問が(ずばり)「根治出来ますか?」
質問者は私に「質問に対する回答」を期待するのではなく、(どストレートに)「私を励ましてほしい」という内容でした。
私がそう(励ましおじさん?)見えるのは、
『乳癌と診断された方が実際より「自分は悪い状態」と思いがち』という側面があります。
①ネット情報 不運な転帰となった方の手記
②担当医の問題 (ルーティーンで撮影する)CT, PETを撮影する際に『転移があったら手術はしない』などという極めて無駄な発言など
また、そのような無駄に心配させられると(もともと更年期に近い状態の卵巣が)ますます不安定となり典型的なホルモン刺激症状
1.胸の痛み
2.脇の痛み(正常な副乳が刺激されて起こる痛み)
3.鎖骨辺りの痛み、違和感
4.関節痛
↑
これらを更に『転移では?』と、ますますエスカレートするのです。
このパターンは、かなり「あるある」なのです。
2024-11-19 07:55:01 掲示板 2024年11月17日~11月23日
「再々」連投です!
本日、掲載予定?のこのQを回答していて…
『Q&A 転院による手術の延期 11/18 20:09』
内容は、QAで確認ください。
私が熱くなっているのは、その「画像診断の酷さ」と「生検精度の(あまりにも)低さ」です。
やはり「質の違い」を発信することで、この質問者のような悲劇(3年放置されていたとはいえ、「1cm以下の超早期乳癌」なので悲劇とは言えないとは思いますが、やはり最終的には再発率は上がってしまうのが癌の宿命なのです)が起こらないようにするためには、(もう謙遜など、どうでもいから)私が診断すること、そして(避けられたはずの再発をしないために)私が手術すること。
究極的には、それしかない。
私の驕りでしょうか?
2024-12-26 08:04:09 掲示板 2024年12月22日~12月28日
『Q&A 術前治療について 12/25 08:16』を回答していて…
質問内容は本日(公開されるであろう)QAを見てもらうとして…
(以下が、その回答です)
♯皆さん、(質問者の)担当医の治療提案どう思いますか?
表現するとしたら…
その患者さんを診ているのではなく、たんなる「HER2陽性乳癌には、この治療法」というマニュアルブックを開いているが如くの治療(提案)
自分自身のその提案がおかしいと思わない?
★マニュアルブックではなく、目の前の患者さんを診るべき。
よく考えれば、何処かがおかしい。そう気づいてほしいものです。
(以下、QAの回答)
私がこのメールを読んで率直な感想ですが、(担当医には大変申し訳ありませんが、)医師としてというより「人間としてセンスが余りにも乏しくて残念」ということです。
「HER2陽性では術前抗がん剤(抗HER2療法)をしなくてはならない」という固定観念から抜け出せずに、「目の前の患者さん」に対してのベストな治療という考え方が決定的に欠如しています。
そもそも(HER2陽性云々ではなく)84歳の早期乳癌で「抗癌剤ありき」という考え方自体、(私から見れば)正気の沙汰ではありません。
私の常識では
80歳以上で(HER2陽性であろうが、トリプルネガティブであろうが)術後補助療法として抗癌剤(抗癌剤+ハーセプチンも含む)を選択することはおよそ考えられないし、絶対に私から提案することはありません。
★強いて言えば、かなりの進行状態であり、かつ(ご本人、ご家族自ら、抗癌剤をご希望)という条件があれば検討するという程度です。
母は、この治療でいいのかとても悩んでおります。
年齢的のも術前にこの治療をした方がいいか悩んでいます。
⇒上記コメント通り。
全く、私にはその担当医の提案は「馬鹿げている=固定観念に縛られて、正気を失っている」としか思えません。
早期乳癌の84歳で「抗癌剤ありき」とは… 全く理解不能。経験不足だけでは言い訳にならない程センス無さすぎ!
希望すれば田澤先生の診断もお聞きすることは可能でしょうか。
⇒手術です。
もしも温存であれば「大きく切除して(術後)照射も省略」
それが私にとっての常識です。