［管理番号:12254］
性別:女性
年齢:４５歳
病名:
症状:
投稿日:2024年11月20日
こんにちは。乳癌と告知されネット検索していてこちらのサイトにたどり着きました。
先生の考え、大丈夫ですと言い切る言葉に質問者は励まされ、勇気を貰えると思いました。私も先生からの言葉が欲しいです。
私は右胸に浸潤性小葉癌ができていました。
最初のクリニックでの生検や紹介先での病院での検査でステージ1と言われリンパ節にも転移なし、と言われました。
手術をしてみると、腫瘍は1.9?1.5の大きさで全部取り除けたが、リンパ節に転移があり22個中17個転移あり、
第三領域まで郭清、第三領域も4個中4個転移があり
ki67は50%、顔つき3
ホルモン受容体 強
her2 無
血管などにも侵略ありだそうです。
ステージ3cになってしまい、かなりショックを受けてしまいました。
治療は、?抗がん剤→
タキサン系（アブラキサン、エンドキサン）
EC療法
②放射線治療
③ホルモン療法 計10年
④ベージニオン 2年間
だそうです。
11/（下旬）に抗がん剤開始しました。
ショックを受けながらも前に進まなくては、と思っております。子供もまだ小学生です。根治したいです。
根治は可能でしょうか、
再発や、転移の事を考えると
胸が苦しくなり、夜もあまり眠れません。先生のお言葉、聞かせて下さい。よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
先生の考え、大丈夫ですと言い切る言葉に質問者は励まされ、勇気を貰えると思いました。私も先生からの言葉が欲しいです。
⇒少々勘違いされているようです。
私は根拠なく、ただ楽観的なことを言っているつもりはありません。
質問者に誤解されている原因は、おそらく（質問者もそうですが）乳癌患者さんの多くが（実際よりも）自分の状況が悪いと思っているからでしょう。
特に（確率的に低いと解っている筈なのに）やたらと患者さんを怖がらせる医師の存在がそうさせています。
例）術前にＣＴとかＰＥＴ予定しながら「もしも遠隔転移があったら手術しませんから」などと平気でいう医師です。
その確率は圧倒的に低いのだから、（遠隔転移があったら…などという話はせずに）「遠隔転移はないと思いますが、確認のために検査しますよ」と、言えばいいのです。
医師から「もしも遠隔転移があったら」と言われてしまうと、（更年期の症状なのに）「私は転移しているかもしれない。この症状は転移では？」と、どんどん（必要以上に）悪い方向へ考えがすすむのです。
無論、上記のようにＱされれば
１．その状況で遠隔転移の可能性は「殆ど」無いのでＣＴの結果も心配ありません。
２．その「鎖骨の辺りの違和感」は「鎖骨下リンパ節転移ではなく、典型的なホルモン刺激症状です。」
と回答するわけです。
それは本当に大丈夫だから「大丈夫」と言い切るし、（転移が原因でない症状に対しては）「それは転移による症状ではない」と言い切るわけです。
長い前置きになりましたが…
私が言いたいのは、決して私が（根拠もなく）「悩んでいる患者さんを励ましたいから、楽観的なことを言ってあげよう」ではなく、あくまでも私の経験上の「自信を持った事実」だから言い切るのです。
根治は可能でしょうか、
⇒上記コメントでお判りでしょうか？
私の回答は（あなたを元気づけるために）「盛った」ものではなく、私の多くの経験から来る事実を言うのみです。
pT1c, pN3, pStage3C
無論、ステージはそもそも予後を推定させるためにあるのだから「再発率は５％以下ですよ」などと言うつもりはありません。
ただ（私の経験上）少し有利なのは、
１．腫瘍径が小さい
２．（結果的に１７個転移があったが）術前画像ではリンパ節転移はないと考えられていた（ステージ１とはそういうことです）
この２点です。
画像上リンパ節転移陰性と判断されていたということは「１個１個のリンパ節転移は（画像で転移なしと考えられるほど）小さい」ことを意味します。
♯ 同じステージ３Ｃ（リンパ節転移１０個以上）でも、「腫瘍がゴリゴリにでかい（患者さん自身が気付いていたが放置）」そして（術前画像でも）「リンパ節腫大ゴロゴロ」とは、実際に（経験上）予後は異なります。
長い前置きとなりましたが…
きちんと術後療法（anthracycline+taxane ⇒radiation⇒abemaciclib+hormone)を行えば８０％近く根治するでしょう。
ただ、アブラキサン（nab-paclitaxel）は術後補助療法としては使えない（使ってはいけない：適応外）ので、taxaneとしてはdocetaxelもしくはpaclitaxelにしなくてはいけません。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
（回答が公開されてから２週間後）
2024/12/6
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