[管理番号:962]
性別:女性
年齢:52歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
以前背中の手術後の乳ガンの検査中に質問をさせていただきました。その後乳ガンとの診断を受けて治療を開始いたしました。3aでリンパ節への転移があり、7月末より化学療法としてハーセプチンとタキソールの毎週投与を4回目まで終了しました。投与前に腫れや痛み、赤みがあったのですが2回目終了後には、赤み、腫れ、痛みともほとんど無くなり、わきのリンパ節の腫れも触ってもわからなくなりました。安心していたのですが、4回目の翌日の今日は胸の少し赤みとチクチクとした痛みがあり、クスリが効かなくなってしまったのかと不安になっています。クスリに耐性が出来てしまう事はあるのでしょうか?それともクスリが効いている課程での症状でしょうか?来週の診断まで待てば良いとは思いますが、気になり質問させていただきます。また化学療法の効果は12回の投与の予定ですが、いつ頃確認していただくのが一般的かも教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
文面からするとHER2タイプであることが解ります。
術前化学療法をしているようですが、「小さくして温存」目的なのでしょうか?
「HER2タイプだから、どうせ化学療法をしなくてもいけないから、術前にしましょう」とか「リンパ節転移があるから、術前に化学療法をしましょう」などという「本来術前化学療法を行う理由としてはいけない」事で勧められた可能性もありますね。
○大事なことは、「術前化学療法を行う」以上、「抗がん剤が効かなくて」癌が増大し、「手術不能となる事態を避ける」事です。
万が一効果が無いならば、「迅速に手術へ方針変更が行われなくてはいけない」のです。
そのためには「きめ細かい」診察が必要です。
回答
「4回目の翌日の今日は胸の少し赤みとチクチクとした痛みがあり、クスリが効かなくなってしまったのかと不安になっています」
⇒私も不安です。
「胸の赤み」というのが気になります。
腫瘍増大の可能性も考えなくてはなりません。
「クスリに耐性が出来てしまう事はあるのでしょうか?」
⇒あります。
抗がん剤が「最初は効いていた」けれど「途中から効かなくなる」ことは、良くあることです。
それなので「術前抗がん剤中には注意が必要」なのです。
「クスリが効いている課程での症状でしょうか?」
⇒その可能性もありますが、「そのように判断する」事は危険です。
「また化学療法の効果は12回の投与の予定ですが、いつ頃確認していただくのが一般的か」
⇒3週間に1回は「超音波での確認」すべきです。
○術前抗がん剤は危険な治療です。
「抗がん剤が効かなくなり(最初から効かない場合も勿論あります)進行してしまう」リスクに対して(本来)担当医は「非常に慎重になるべき」です。
私は「術前抗がん剤」は3週間に1回の超音波による測定を行っていました。
それが常識だと思っていましたが、「どこかの大学病院では1クール(3カ月も!)ほったらかしにする」という事を知ってしまいました。
とんでも無い事です。
「抗がん剤がもしも効かない場合には3カ月もほったらかしとなる」のです。
あってはいけない「とんでもない診療」だと私は思います。