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早期の浸潤性微小乳頭癌(疑い)の予後と今後の治療について

[管理番号:13234]
性別:女性
年齢:60歳
病名:IDC・IMPC・遺伝性乳がん(全て疑い)
症状:
投稿日:2025年11月23日

はじめまして。
乳がんについて色々調べている際に、こちらのサイトに辿り着きました。
まだ診断されて日が浅く、素人質問にはなりますがお許しいただければと思います。

お伺いしたいのは60歳の母のことです。
毎年欠かさず受けてきた乳がん検診にて、エコー上で8mm程のしこりが見つかりました。
最初は医師も線維腺腫の可能性はあるものの、IDCを疑って検査を行ったようです。
病理検査にかけてもらった所、以下のように結果が出ました↓

病理診断
Adequate: malignant, core needle biopsy, left breast Invasive micropapillary
carcinoma suspected
検体はcore needle biopsyによる左乳腺の針生2本です。
2本とも腫瘍組織を含んでいます。
小核小体もみられる卵円形核と両染性の細胞質を有するやや大型の睡細胞が、微小乳頭状で圧排・浸潤性に増殖しています。間質には軽度の小円形細胞浸潤がみられます。
Nuclear atypia:2-3に相当します。

医師は早期なので抗がん剤はなしでOK・乳房も全摘ではなく部分切除・放射線はやると言ってるようですが、あまり詳しくは教えてくれなかったようです。(そもそもホルモン受容体・HER2・Ki67の検査がまだなのに抗がん剤はなし!と断言しているのは、8mmという大きさからそう判断している…?)
MRIとCTを1ヶ月後に、更にその1ヶ月後に手術を予定しています。(診察した医師のいる病院では手術が出来ず転院になるため、少し時間が空きます。)

色々調べているとIMPC(まだ疑い、ですが)は乳がんの中でも珍しいもので、転移しやすく予後も悪いと目にしました。
ステージも分からないので何とも言えないとは思いますが、悪性度も高めなのも気になります。(大きさが小さいのでせめてステージ1であって欲しい…と願うばかりです。)

また80代の祖母(母の母親)が40代の時に、同じく乳がんで両胸を摘出しております。
(抗がん剤は恐らくやっていないようですが、認知症の為もう詳細は確認出来ません。)
医師は今回母が60歳で発症となったので、遺伝性の可能性は低いと思うが念の為遺伝性かどうか現在調べてもらっているところです。

加えて、母は閉経後から骨粗鬆症を発症し、現在薬を飲んで治療中です。

以上が、現在の状況です。
先生にお伺いしたいのが以下の点です。

①病理検査の結果からも、やはりIMPCの所見が強いのでしょうか。(それともIDCメインで一部IMPCっぽい部分がある、のようなパターンもあるのですか?)
その場合でも、8mmという大きさから適切に切除・治療していけば転移や再発は可能性は低いのでしょうか。(先生の別の方の質問を見ていると、1cm以下では転移はない!とおっしゃっているのでそこに期待したい自分がいます…)

②医師からは部分切除でOKと言われましたが、やはりIMPCだった場合と悪性度、センチネルリンパ節生検で微小転移(もしくは転移)が仮に見つかった場合の今後の再発が心配です。
可能性が高いなら、母は全摘で構わないと言っています。
母のパターンだと、部分切除と全摘では再発リスクに差は出てしまうんでしょうか?

③何かでIMPCの場合、ホルモン受容体が高くホルモン治療が有効な場合が多いと見ました。( 母は体力が無く、出来れば抗がん剤は避けたいとの事だったので、これが本当なら少し希望なのですが…)
今後の治療方針としてホルモン受容体が陽性ならホルモン治療(オンコタイプDXも受けておくべきでしょうか?)、転移があったりKi67が高値なら抗がん剤という流れでしょうか?
また、仮に遺伝性であった場合トリプルネガティブの可能性も上がると見ました。
そうなると、抗がん剤治療となると思いますが母の骨粗鬆症も心配です。
ホルモン治療or抗がん剤治療と骨粗鬆症の治療を併用出来るんでしょうか?

あくまで「仮に」という話が多いですが、色々なパターンを想定しておきたくて質問させていただきました。

母はショックでここ数日落ち込んでおり、娘の私自身も身近な人に癌が出来るのは初めてで不安と戸惑いの気持ちでいっぱいです。
なんとか希望を見出したい気持ちで、先生にお話を伺いたいです。
よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

組織型は早期である場合には特に「全く」気にする必要はありません。
無駄な心配はすべきではありません。

①病理検査の結果からも、やはりIMPCの所見が強いのでしょうか。(それともIDCメインで一部IMPCっぽい部分がある、のようなパターンもあるのですか?)
その場合でも、8mmという大きさから適切に切除・治療していけば転移や再発は可能性は低いのでしょうか。(先生の別の方の質問を見ていると、1cm以下では転移はない!とおっしゃっているのでそこに期待したい自分がいます…)

→冒頭に記載した通り、重視すべきは ステージ>組織型

②医師からは部分切除でOKと言われましたが、やはりIMPCだった場合と悪性度、センチネルリンパ節生検で微小転移(もしくは転移)が仮に見つかった場合の今後の再発が心配です。
可能性が高いなら、母は全摘で構わないと言っています。
母のパターンだと、部分切除と全摘では再発リスクに差は出てしまうんでしょうか?

→画像上現局していれば温存の適応(おそらく今回はそう思います)ですが、全摘して悪いわけでは無論ありません。
 ♯生命予後には無関係であり、あくまでも乳房内再発のリスクは部分切除では(組織型に関係なく)放射線照射しても10年で5%あるという違いです。

③何かでIMPCの場合、ホルモン受容体が高くホルモン治療が有効な場合が多いと見ました。( 母は体力が無く、出来れば抗がん剤は避けたいとの事だったので、これが本当なら少し希望なのですが…)
→結果が出ることを予測しても無意味ですよ。

今後の治療方針としてホルモン受容体が陽性ならホルモン治療(オンコタイプDXも受けておくべきでしょうか?)
→それが普通です。

転移があったりKi67が高値なら抗がん剤という流れでしょうか?
→これが「全く」違います。

「転移=リンパ節転移」のことであれば3個以内であればOncotypeDXしてから抗がん剤の適応を判断しましょう。
 ♯リンパ節転移=抗がん剤などは「悪しき」過去の風習にすぎません。

 ◎Ki67もあくまでもOncotypeDXで発現レベルを調べる遺伝子の一つにすぎないので、(Ki67だけで判断するのではなく)OncotypeDXで判断すべきなのです。

ホルモン治療or抗がん剤治療と骨粗鬆症の治療を併用出来るんでしょうか?
→勿論ですとも!

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/12/9
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