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術前コロナ罹患が乳がんにもたらす影響

[管理番号:12479]
性別:女性
年齢:51
病名:浸潤性乳管癌
症状:自覚症状なし
投稿日:2025年02月14日

田澤先生

いつも勉強させていただいています。
乳がんと告知されてから、毎日怖いことばかり考えていましたが、こちらで勉強するうちに過度な心配は無用と少しずつですが、前向きに考えられるようになりました。

以下私の術前診断の結果です。
細胞診、エコー、造影MRI、造影CTでの所見
【浸潤性乳管癌】
・腫瘍径5mm
・MRIでの広がり8mm
・浸潤系は腫瘍径とほぼ同一、1cm弱とのこと。
・ki67 11%→30%
※告知を受けた病院と手術する病院で同じ細胞で2回検査
・ルミナルAかB

・リンパ節への転移はないだろうとのこと
・3月に手術を控えています。手術先行型です。

【質問】2点あります
田澤先生のブログ
 2019/4/3  「腫瘍が小さいほど、血管へ入る機会は少ない」それを、(私は)肌で感じているのです
私はこのブログにとても励まされてきましたが、
3日前、初めてコロナに罹患してしまい、コロナが乳がんに与える影響を危惧しています。
幸い37~38程度の発熱と咳のみ。軽症だと思います。

1.コロナ罹患は血管に入る機会を与えやすくしますか。
2.コロナ罹患で乳がんの進行は速まる可能性はありますか。

先生がこれまで診てきた患者さんに私と同じような方がそれほどいるとも思えませんが、現主治医(大学病院)が先生ほど沢山の患者さんを診ているとは考えられないので質問させていただきました。
よろしくお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

【質問】2点あります
1.ブログ 2019/4/3  「腫瘍が小さいほど、血管へ入る機会は少ない」それを、(私は)肌で感じているのです」を拝読しました。
それは腫瘍径=浸潤径であっても同じように捉えて良いでしょうか。

⇒勿論です。

2.腫瘍径が小さいのに浸潤していたことに少なからずショックを受けています。
これは悪性度(主治医に聞いたら術後分かるので今は気にしないようにと言われました)や、ki67の値が起因しているのでしょうか。

⇒何か勘違いしてますね。
腫瘍径=浸潤径の方が「寧ろ」一般的です。(それで「悩む」など100%ナンセンス極まりない)

【質問】2点あります
田澤先生のブログ
 2019/4/3  「腫瘍が小さいほど、血管へ入る機会は少ない」それを、(私は)肌で感じているのです
私はこのブログにとても励まされてきましたが、
3日前、初めてコロナに罹患してしまい、コロナが乳がんに与える影響を危惧しています。
幸い37~38程度の発熱と咳のみ。軽症だと思います。

1.コロナ罹患は血管に入る機会を与えやすくしますか
⇒100%無関係です。
ご安心を

2.コロナ罹患で乳がんの進行は速まる可能性はありますか
⇒1000%無関係です。
余計なことを考えるのは「今すぐ」やめましょう。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/3/3
***

  

質問者様から 【質問2】

ルミナルB 病理検査結果後の治療方針等について
性別:女性
年齢:51
病名:浸潤性乳管癌
症状:自覚症状なし
投稿日:2025年04月11日

田澤先生
その節は力強い回答に励まされました。ありがとうございました。
続けての質問になりますがご容赦ください。

3月半ばに手術終わり先日、病理検査結果がでました。

組織型?硬性型
浸潤径?9mm
全体径(浸潤癌+非浸潤癌)23mm
リンパ節転移?なし
組織学的異型度?2
脈管侵襲?lyなし、Vなし
ER?8/8
her2 ?1+陰性
ki67?31.2
pStage?T1bN0M0 pStage1A

という結果から主治医からオンコDXを勧められ、来月の結果待ちです。

主治医には再発リスクの基準値を聞きましたが、rowだろうがhighだろうが最終的には抗がん剤治療を受けるかは私自身で決めるよう言われました。
ちなみに2 月にコロナ罹患してから9月以降止まっていた生理が再開しています。

長くなりましたが以下教えてください。
1.田澤先生のオンコDXについての文章拝読しました。
閉経前だと26以上抗がん剤推奨ということで認識あっていますでしょうか。

2.レポートに記載のER8/8とはPGRの数値を含めたうえでの8点ということであっていますか?

3.田澤先生でしたら私の病理検査結果でオンコDXを主治医と同じように勧めますか?
(ぎりぎり1cm以下なので抗がん剤は回避できると思っていました)

以上になります。よろしくお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

1.田澤先生のオンコDXについての文章拝読しました。
閉経前だと26以上抗がん剤推奨ということで認識あっていますでしょうか。

⇒その通りです。

2.レポートに記載のER8/8とはPGRの数値を含めたうえでの8点ということであっていますか?
⇒違います。
 (以下、表を載せます)

「ER & PgR の数値とは一体どのようなやりかたで出されているのでしょうか。色の濃度なのでしょうか。」
⇒基本的には「染まっている割合」です。

 100の細胞の内1個が染色されれば「1%」となります。
 この%を用いた判定法がJ-scoreです。
♯2005 日本乳がん学会が提唱した日本独自の判定基準

 J-score
  Score 0:染色される細胞が無い
  Score 1 〃     1%未満
  Score 2 〃     1~10%
Score 3 〃     10%以上(50%未満を3a, 50%以上は3b)
    Score 0を陰性
    Score 1,2を境界域
    Score 3を陽性

⇒更に「染まっている割合」と「染まっている濃度(強度)」の組み合わせがAllred
scoreです。

 Allred score
  染色細胞割合(PS) 1:染色される細胞が0~1/100
2:    〃   1/100~1/10
3: 〃   1/10~1/3
4: 〃   1/3~2/3
5: 〃   2/3~1

染色強度(IS) 0:全く染まっていない
          1:弱く染まっている
          2:中間程度に染まっている
           3:強く染まっている。

  ♯判定基準 染色細胞割合(PS)+染色強度(IS)=TSとして3以上を陽性

★つまり上記「allred score]で評価しているようです。
  ER8/8とは上記Allred scoreにおいてPS5+IS3=TS8(つまり染色
割合も強度も満点:強陽性)という意味 つまり8点中8点という意味です。
PgRは(ERとは別に)記載がある筈です。

3.田澤先生でしたら私の病理検査結果でオンコDXを主治医と同じように勧めますか?
(ぎりぎり1cm以下なので抗がん剤は回避できると思っていました)

⇒OncotypeDXをした以上、その結果に従います。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
20025/4/28
***