土曜日のバウムクーヘンたち
★パンダもバウムクーヘンです。
日曜日
久しぶりの屋上
オクラの上には(お気に入りの)市川シャポーの焼き鳥です。
○本文
前回のコラムで(再発治療以外では)術前化学療法でしか適応がないpembrolizumabの登場が「TNの標準治療=術前抗がん剤」信仰を増長させているのでは?
と、お話ししました。
今回は実際に、このような考えが如何に危険なのか?紹介します。
と、今日はここまで。(時間が無いので明日続きを記載します!ご心配なく。
(これ以下、月曜日)
症例 40歳代女性 トリプルネガティブ
初診時のPET結果
リンパ節転移はレベル1まで
PETではレベル2以降の転移は確認できません。
初診時の時点で患者さんは手術先行をご希望されるも
主治医より『腫瘍が大きいから先に抗がん剤をして小さくしなくては手術できません。』
と、撥ね付けられる。
そして(術前)抗がん剤が始まります。
患者さんは一貫して主治医に「手術して欲しい」と再三にわたし主張するも全く取り合ってもらえず、
(患者さんの言葉を借りると)余りにも「手術!手術!」煩いので? 主治医は(しぶしぶ)早めに効果判定のCTを撮影したようです。
そこで主治医から告げられたのは
『抗がん剤前には無かった「鎖骨のリンパ節」に転移が出現したから手術できない。これからは抗がん剤を続けます。手術はできませんよ』
患者さんは(手術の為と思って)辛い抗がん剤を我慢してきたのに、「もう手術はできない」と言われたのです!
その絶望感の中で、はるばる西の世界から「東の果ての門」を叩いたのです。
当院でのUS所見
レベル1リンパ節
そして、これが(術前抗がん剤中に)あらたに転移の拡がったレベル2です。
レベル2リンパ節
診察した私は拍子抜けしました。
それは事前に「鎖骨のリンパ節に転移が起こったから手術できない」と言われたと聞いていたので、余程の状況を想定していたからです。
実態は、ごくごく普通のレベル2リンパ節転移
これを「鎖骨のリンパ節に転移したから手術はできない。血管の下のリンパ節は危ないから手術はできない」などと言われたのです!
余りにも酷い。
問題点1.(そもそも)手術先行を最初から熱望していた患者さんにたいして強引に(トリプルネガティブだから術前抗がん剤が標準だと)術前抗がん剤をしておいて、挙句の果てに「効かないから手術不能だ」とは!!
⇒これはないでしょ!
強引に術前抗がん剤するくらいなら、きちんと毎回超音波などして(効果がないなら)早急に手術へ切り替えるなどの対応を責任をもって行うべき!
問題点2.レベル2に転移したからといって、手術ができないとは…
⇒そんなレベルでは、患者さんが可哀想…