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造影CTで癌の周辺にひろがる大きな画像

[管理番号:7812]
性別:女性
年齢:46歳
病名:乳癌
症状:

石灰化フォローのため、マンモとエコー検診を受けました。
マンモは昨年と変化なし。
技師によるエコーでは左A領域に2か所指摘されました。
1つ目はその後針生検を行い浸潤癌と診断され、2つ目はエコーでは「この(1つめの)腫瘤の足側に低輝度領域(14×9×7㎜)を認めDCISを否定できません。」とコメントされていたものの、同時に針生検はしませんでした(希望はしたのですが)。
その後、転移や広がりをみるためにPET、造影MRI、造影CT(乳腺)を撮りました。
PETでは特に転移なし。
MRIでは腫瘍部分と、乳頭付近に向かって3か所造影された部分が映っていました。
「前癌状態かもしれないし、必ずしも癌とは限らない」との説明を受けました。
造影CT(3D)では浸潤癌と診断された腫瘍の他に、周辺(腫瘍の外側、足側)に大きく広がる造影された部分が映っていました。
大きさは聞かなかったのですが、画像で見る限りは4~5cm四方ぐらいの大きさで、辺縁はガチャガチャ、腫瘍部分との境界ははっきり見えませんでした。
私が「これが全部癌だとすれば、かなりの大きさになるのでしょうか」と尋ねたところ、主治医からは「大きく広がる部分は、非浸潤癌であるのではないかと思う。
その場合は浸潤癌の大きさで進行度は見ていくことが多い。
手術で切除したものを調べればはっきりする。」と説明されました。
CT上では明らかなリンパ節転移もないとのことでした。

ご意見をお伺いしたいのは、
1、CTで映った部分はエコーで指摘されていたものと位置的には同じですが、大きさが大きく異なります。
これほど大きなものでも、エコーでもマンモでも映らないのでしょうか。
それともエコーで指摘された部分がさらに広がった状態なのでしょうか。

2、このCTで映ったものはMRIで映った3か所と同じものを見ている可能性はあるのでしょうか。

3、癌と診断された腫瘍はエコーやMRIでは孤立しているように見えましたが、CTで広がって見えた部分と連続している可能性はあるのでしょうか。
その場合、主治医の説明のように、浸潤部分だけの大きさで評価するのでしょうか。
それとも1つの浸潤癌として評価するのでしょうか。

針生検の結果説明の時は、1cm程度の早期乳癌と思われるとの説明にどこか安心していたのですが、今回の画像を見せられ、その広がりの大きさから早期とは思えず、動揺してしまいました。
画像がないのでお答えにくく申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「これほど大きなものでも、エコーでもマンモでも映らないのでしょうか。」
⇒乳管内の拡がりを反映しているのだと思います。(主治医の言う通り)
 それは(マンモは解らなくて当然ですが)エコーでも(時に)はっきりは解らないのです。

「それともエコーで指摘された部分がさらに広がった状態なのでしょうか。」
⇒違います。

「2、このCTで映ったものはMRIで映った3か所と同じものを見ている可能性はあるのでしょうか。」
⇒そう思います。(どちらも造影=血流豊富)な部位を見ているからです。

「3、癌と診断された腫瘍はエコーやMRIでは孤立しているように見えましたが、CTで広がって見えた部分と連続している可能性はあるのでしょうか。」
⇒普通は連続しています。

「その場合、主治医の説明のように、浸潤部分だけの大きさで評価するのでしょうか。」
⇒その通り。

 ステージは「最大浸潤径」です。(非浸潤癌の拡がりは無関係)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

センチネルリンパ節生検の個数について
性別:女性
年齢:46歳
病名:乳癌
症状:

こんにちは。
前回、術前の画像診断の結果でご相談させていただきありがとうございました。

広がりがあったため左乳房全摘を選択し、無事に手術を終えました。
術後の結果はまだ出ておりません。
今回も質問をさせていただければと思いメールをしました。

「手術中に色素を注射し、その色素が辿り着いたところをセンチネルリンパ節として取って調べ、術中迅速診断で転移があれば郭清します。」
と言われており、術後「センチネルを1つ取って調べましたがそこまで
行ってなかったので、リンパ節は取りませんでした。」と言われました。
とても嬉しかったのですが、他の方の質問等でセンチネルリンパ節は複数個調べていることがほとんどのようで、私のように1つだけというのが少ないような気がして、ちょっと不安にも思えるのですが、どうなんでしょうか。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「他の方の質問等でセンチネルリンパ節は複数個調べていることがほとんどのようで、私のように1つだけというのが少ないような気がして、ちょっと不安にも思えるのですが、どうなんでしょうか。」
⇒本来の「センチネルリンパ節」は1個なのです。

 その上流にあるリンパ節はセンチネルリンパ節ではありません。(どちらが上流なのか?綺麗な手術でないと自信をもって判断できない場合に、「敢えて複数」となるのです)

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

断端のぎりぎり陰性について
性別:女性
年齢:46歳
病名:乳癌
症状:

こんにちは。
先日受けた左乳房全摘術の病理結果が出ました。

「乳腺組織をA-Gまで分割し、1-16の標本を作製しました。
このうち6-
8, 11-15の標本にcarcinomaを認めます。
7, 11-5の標本にはcomedo
patternを有するDCISの病変が見られます。
6,8はクロマチンの増加した類円形核を有する異型細胞が管状構造あるいは索状構造を示して増殖し、結合織や脂肪織に浸潤しています。
Invasive carcinoma,
scirrhous typeで、底部の切除断端はぎりぎり陰性です。

A,invasive carcinoma (scirrhous type),
浸潤径:6×8㎜, 浸潤径+乳管内進展巣:35×10×25㎜, pT1b,
sn(0/1), Ly0, V0, f,
組織学的異型度 Grade I (腺管形成:2, 核異型2, 核分裂1),
ER: Allred score5+3=8,
PgR: Allred score 5+3=8
HER2: score 0>1+ (<10%),
MIB-1 index:≒20% 」

となっておりました。
ご意見をお伺いしたいのは以下の3点です。

1、「底部の切除断端はぎりぎり陰性」とありますが、底部というのは大胸筋側のことを指すのでしょうか。

2、大胸筋膜も剥離したようなので、ぎりぎりでも陰性であれば安心してもいいのでしょうか。
追加の治療や処置は必要ではないでしょうか。

3、治療法については、遺伝子検査(オンコタイプのことだと思います。)を勧められ、おそらくホルモン療法になると言われております。

やはり遺伝子検査は受けておいた方がいいのでしょうか。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「1、「底部の切除断端はぎりぎり陰性」とありますが、底部というのは大胸筋側のことを指すのでしょうか。」
⇒その通り。

「2、大胸筋膜も剥離したようなので、ぎりぎりでも陰性であれば安心してもいいのでしょうか。追加の治療や処置は必要ではないでしょうか。」
⇒追加の処置とは? 大胸筋切除ですか?
 不要です。

 『今週のコラム 85回目 ○この層構造の理解が、「皮膚側断端」「深部側断端」の理解に役立つのです。』及び『今週のコラム 86回目 このようにすれば、全摘で深部側断端が陽性となることはないのです』を是非、ご参照のこと。

「3、治療法については、遺伝子検査(オンコタイプのことだと思います。)を勧められ、おそらくホルモン療法になると言われております。
やはり遺伝子検査は受けておいた方がいいのでしょうか。」

⇒Ki67=20%だから…

 当院では強くは勧めていませんが、グレーゾーンギリギリとしてOncotypeDXやってもいいとは思います。

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

センチネルリンパ節生検部の脇のしこり
性別:女性
年齢:46歳
病名:乳がん
症状:

こんにちは。
いつも悩むたびにご相談させていただき、このような場を設けてくださることに心より感謝しております。

 10月に全摘手術を終え、11月中旬からノルバテックスでの治療を開始しました。
MIB-1の値でオンコタイプの検査も悩みましたが、主治医と話し合い、検査を受けずにホルモン療法を受けることに決めました。

 今回お伺いしたいのは術後の創部についてです。
術後約2か月がたち創部もきれいになりました。
ただセンチネルリンパ節生検の傷口から糸が少し(1㎜程度)出てきており、これに関しては主治医より「体内で溶ける糸なので気にしなくてもよい」と言われました。
私もときどき痒くなることがありますが、あまり気にしないでいました。
ところが痒いなと思い触っていたところ、創のすぐ脇(体幹側ではなく腕側)1cm程離れた部分に小さなしこりが1つあることに気づきました。

 質問は次の2点です。

1、センチネルリンパ節生検は陰性でしたが、このしこりは創部の影響で腫れているだけなのでしょうか。
それともエコー等で調べてもらった方がいいのでしょうか。

2、傷口から出ている糸は手術直後から出ているのですが、体内の糸がとければそのうち出ている糸も取れるのでしょうか。

ご意見をよろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「1、センチネルリンパ節生検は陰性でしたが、このしこりは創部の影響で腫れているだけなのでしょうか。
それともエコー等で調べてもらった方がいいのでしょうか。」

→創部の瘢痕の可能性が(常識的に考えて)高いとは思いますが…

 次回の診察の際に、エコーしてもらうといいですよ。

「2、傷口から出ている糸は手術直後から出ているのですが、体内の糸がとければそのうち出ている糸も取れるのでしょうか。」
→それは心配ありません。

 
 

 

質問者様から 【質問5 】

血清HER蛋白について
性別:女性
年齢:47
病名:左乳がん
症状:
投稿日:2020年9月25日

昨年10月に乳がん手術を受け、その後1年になります。
当時の不安な時期をこのQ&Aに助けられました。
心から感謝しております。
その後タモキシフェン内服治療を継続しております。

術後病理
scurrilous type
浸潤径6×8mm
浸潤径+乳管内進展巣35×10×25mm
pT1b,sn(0/1),Ly0,v0,f
組織学的異型度Grade Ⅰ (腺管形成2、核異型2、核分裂1)
ER:Allred score 5+3=8
PgR: Allred score 5+3=8
HER2:score 0>1+(<10%)
MIB-1 index:=20%

先日1年後のマンモ、エコーで特に変わりなしということで安心したところですが、3ヶ月おきの採血項目にある腫瘍マーカーについて少し心配になりました。
項目の中にHER蛋白(基準値15.2)
があり、内服開始時には13.5だったものがその後ジリジリと上昇し、術後1年で16.7になっています。
NCCST439も基準値をやや超えていますが、CEAやCA15-3の腫瘍マーカーが特に上昇していないため主治医はそれに関しては触れずに「採血も問題なし」
とおっしゃいます。
術後間もないこともあり、乳がんの再発、転移は考えにくいなと思っているのですが、術後の病理でHER2陰性でもその後の血清で上昇する場合、他の部位での癌もありえるのでしょうか。
それとも、私の場合もともと高めなので基準値を超えていても気にしなくていいのでしょうか。
また、どのくらいまで上昇したら注意が必要なんでしょうか。

よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは田澤です。

HER2陰性なのに何故「血清HER2」を測定しているのか?全く謎。
気にしないようにしましょう。(それでも気になるなら、採血項目から削除してもらいましょう)