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嚢胞内腫瘍の生検結果相違について

[管理番号:7142]
性別:女性
年齢:43歳
病名:嚢胞内腫瘍
症状:特になし(分泌もしこりなどもなし)

嚢胞内腫瘍のQ&Aを拝見させていただき大変参考にさせていただいております。
ありがとうございます。

参考:管理番号:4559/ 3995
4559「外科的生検について
3994「術後の治療開始時期について

2/(上旬)に外科生検を受けますが、その前に確認したいことがあり先生に相談させていただくことにしました。

これまでの経過を時系列で記載し、最後に質問内容を記載いたしました。

よろしくお願い致します。

【時系列】
2018年08月 健診(マンモグラフィ)※年毎にマンモ⇔超音波交互に検査
2018年10月 健診結果→要精密検査(左胸にかげ)
2018年11月 がん検診センター予約
超音波検査(左胸は異常なし。
右胸にのう胞確認)
穿刺吸引細胞診→細胞診結果(クラス3)
針生検(コア針生検)実施
2018年12月 組織診結果  非浸潤がん。
治療の必要あり。
→病院選定
し紹介状を書いていただく

※病理検査結果内容をそのまま記載しています。
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Ductal carcinoma in situ of the right breast, CNB Ductal carcinoma in situ
Papillo-tubular pattern
Nuclear greade 不明、核異型スコア2、核分裂像スコア不明
<免疫染色の結果(乳管内の癌成の成分のため参考所見>
HER2(0)ヒストファインHER2キット(MONO)
ER(陽性)90%以上、PGR(陽性)90%以上、Ki-67(25.5%)

線維性の壁構造を有する拡張した乳菅内に乳頭腺管状の癌組織の増殖があり、
充実性増殖も部分的に認める。
軽度から中等度の異型核が主体で大型核が混在し核分裂も少数散見する。

2018年12月 外科外来受診
採血(7本)、MRI検査、CT検査

2019年1月  主治医より治療方針
MRI/CT結果→淡い造影・・・癌の可能性は高いが確実に癌とはいいきれない状態
いまは癌としての手術はできない状況なので生検をする
前回(健診センタ)より太い針での針生検→マンモトーム生検をする

※癌の診断だった場合は外科生検で局所麻酔の手術をする
※病変が癌だったらその後放射線治療をする。
しかし残ることが多いので追加で再手術(全身麻酔)をする
※癌と診断→全身麻酔で癌の手術をする

2019年1月  組織診結果→今回は正常で悪い細胞はなかった。
(のう胞の腫瘍部分に間違いなく刺し採取している。)
癌と断定はできない。
当院の針生検では正常だが一方で健診センターで
の針生検では非浸潤癌で診断されている。

刺しなおしたが、正常だった
食い違いがあるときは腫瘍全てをとり全体像をみる
確定診断させるには外科的生検で腫瘍部分をくりぬいて診る。

(検査目的の手術で乳首の際の色の変わり目をぐりんとくりぬく感じで局所麻酔で1時間前後)
                  

【質問内容】

①生検の診断結果の相違
健診センターの精密検査で非浸潤癌。
その後治療のための大学病院では、より太い針(マンモトーム生検)で多くの組織を採取したのに正常との診断になり困惑しました。

のう胞径(1.4ミリ)で癌細胞と癌細胞でないところが存在するのでしょうか。

経過観察ではなく、外科生検で確定診断をする決断で間違っておりませんでしょうか。

②生検結果
腫瘍部分をくりぬいて、良性だった場合は放射線治療などはせず経過観察になるのでしょうか。

追加で手術が必要な感じで説明をうけましたが、今回の外科生検で病変がとりきれる場合もあるのでしょうか。

とりきれた/とりきれなかったの判断はどのようにするのでしょうか。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「経過観察ではなく、外科生検で確定診断をする決断で間違っておりませんでしょうか。」
→組織診で非浸潤癌なのだから、普通に(癌としての)手術すべきです。

 私から見れば、その大学病院の診療は極めて一貫性に欠けている。
 「CTまで撮影しておいて(そもそも非浸潤癌の診断でCTなど無意味極まりない)今更、癌とは言い切れない?」
 それでは、何故CTなど撮影した??

 〇そもそも嚢胞内腫瘍をマンモトームで破壊することは私ならしません。

「腫瘍部分をくりぬいて、良性だった場合は放射線治療などはせず経過観察になるのでしょうか。」
→検診センターの組織診で癌が証明されている以上、診断は「癌」です。

 この場合には(癌は極めて小範囲であり、そのため針生検で取り切れていた)したがって、「この外科的生検で十分なマージンを切除した」ことになるので、(診断は癌だけど)その後の治療は不要という考え方です。

「追加で手術が必要な感じで説明をうけましたが、今回の外科生検で病変がとりきれる場合もあるのでしょうか。」
→勿論!

 病変が十分に小さければ、あり得ます。(基本的に嚢胞内腫瘍なら、それを壊さないように、いくらかのマージンをつけた切除が「そもそも」のぞましい)

「とりきれた/とりきれなかったの判断はどのようにするのでしょうか。」
→病理結果を見れば「一目瞭然」です。

 1.良性病変しか残存していなかった場合
  →病変は撮り切れている。(針生検で取り切れていたという解釈)
 2.癌だった場合
  →摘出標本のマージンが陰性なら取り切れているし、マージンが陽性なら取りきれていない。

 
 


 

質問者様から 【結果2 外科生検】

性別:女性
年齢:43歳
病名:papillomatosis
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

以前、質問させていただきました者です。

その節は、御回答いただきありがとうございました。
CTもマンモトームも今回の私には不要な検査だったということであんなにも待たされて、費用もかさみ。。。
とりあえずでうけてる人が何人いるんだろうと大学病院のあり方、体質的なものに疑問を抱きました。

外科生検を受けました。
先生がおっしゃってくれた、とりきれる、とりきれない状況を理解した上でのぞむことができ大変心強かったです。
手術後、そのくりぬきを確認。直径5センチ弱。その場では特に説明はなく後日病理結果をふまえてとのことでした。

後日病理結果の診察をうけました。
傷口の触診。くりぬきの断面などを画像で確認し、
乳頭科のpapillomatosis。乳頭腫。と診断されました。
主治医から
「癌ではない。異形はみうけられたが前癌病変だったのでしっかりとりきった」
(ただ、乳頭束方向はギリギリまでとったがまだひょっとしたらありそうだけど、)癌じゃないから現状フォローで大丈夫。
とのこと。半年後エコー検査となりました。

病理結果はコピーはいただけませんでした。
(病理の許可がいる。個人的には渡せない。)

大学病院の病理科診断で癌結果でない限り、癌として手術は病院の方針でできないが、他院で癌判定されていることにはかわらないので、外科生検という術式で腫瘍摘出手術をうけた印象をうけました。

田澤先生のおっしゃられた、
癌は極めて小範囲であり、そのため針生検で取り切れていた)したがって、「この外科的生検で十分なマージンを切除した」ことになるので、(診断は癌だけど)その後の治療は不要という考え方です。

この言葉がなかったら、生検のためにあんなにも大変な思いで挑んだのかわからなく、途中で逃げ出していたかもしれません。

癌の診断を受けて3ヶ月、本当に色々なことを考えさせられました。インターネットで多くの情報が得られる中、
田澤先生のお言葉に出会えたことで、私は救われました。
「早期発見は最大の武器」
乳房に限らず自分の身体をみつめ管理していきたいと思います。

<Q&A結果>