[管理番号:7090]
性別:女性
年齢:43歳
病名:乳ガン しこりの大きさ18㎜ エコーでリンパ節に転移はなしのため、今のところステージ1 ガンの種類が悪く3とのこと
症状:押すと痛い
田澤先生
初めまして、よろしくお願いします。
12月末に左胸にしこりを見つけてすぐに病院へ行きました。
組織検査の結果、悪性でした。
今月中に身体中に転移がないかMRIや骨シンチの検査をしないといけないみたいです。
進行癌はステージ1でも抗がん剤は必要ですか?
左胸は全摘がいいでしょうか?
進行がんと聞き、夜も眠れません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
乳癌診療で最も重要なのは「局所」と「全身」に明確に分けることです。
局所療法をどうするのか? と 全身療法をどうするのか? は全く独立しているのです。今週のコラム『乳癌診療の基本1~5』をまずはご一読ください。
今週のコラム 159回目 乳癌診療の基本1 『乳癌の治療で最も重要なことは治療を「局所療法」と「全身療法」に分けることなのです。』
今週のコラム 163回目 乳癌診療の基本2 腋窩リンパ節の取り扱い 「そりゃ、もう大騒ぎさ」
今週のコラム 164回目 乳癌診療の基本3 サブタイプとは 『リンパ節転移と抗がん剤は無関係であることは2015年にSABCSで発表されています。』
今週のコラム 165回目 乳癌診療の基本4 説明同意書入院案内 『気が済むまでうがいをして、”随分良くなった”と自分自身が信じること」それが大事です。』
今週のコラム 166回目 乳癌診療の基本5 手術当日~退院 明日になったら、驚く程「楽に」動かせるようになりますよ
「「今月中に身体中に転移がないかMRIや骨シンチの検査をしないといけない」
→早期乳癌なので全く必要ありません。
ただ、MRIは(質問者は勘違いされているようですが)転移を見る検査ではなく「乳房内の拡がり診断目的」です。
手術術式(温存か?全摘か?)を決めるのに必要なので、これは是非行いましょう。(全身の転移を見る検査はCTと骨シンチです。それらは全く不要です)
「進行癌はステージ1でも」
→用語的に誤りがあります。
ステージ1は「早期がん」であり「進行がん」ではありません。(一般的に3期以上を進行がんと呼びます)
「抗がん剤は必要ですか?」
→これはサブタイプで決まります。
「左胸は全摘がいいでしょうか?」
→これは拡がり診断(MRI)で決めましょう。