[管理番号:6859]
性別:女性
年齢:52歳
病名:乳癌
症状:
田澤先生
よろしくお願いいたします。
2015年12月にHer2のみ陽性 肝臓とリンパに転移ありと診断され、
2016年1月からFEC6回?ドセタキセル+ハーセプチン+パージェタ7回?ハーセプチン+パージェタで現在に至ります。
転移巣は消え原発巣は
鳴りをひそめているという感じでした。
この間、主治医から「手術で原発巣を取ってしまうという選択肢もある」「しかるべき時が来たら手術もありうる」と言われていました。
2018年8月のCT検査で原発巣が大きくなっていることがわかったので、ドセタキセルを再開しようと言われましたが、手術を希望したところあっさりと了承されました。
PET CT検査でも原発巣以外以上無しです。
ところがここへきて主治医がリスクを心配するような発言を繰り返します。
例えば、ステージ4での手術は標準治療ではないから、手術をしたらこの先どうなるかわからない、それでも良いか等。
手術は選択しない方が良かったのでしょうか。
手術で原発巣を切除するとサブタイプが変わるのでしょうか。
手術をした場合のリスクを教えてください。
センチネルリンパの検査もするとのことですが、すでに転移があるのに検査やリンパ郭清は必要でしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「PET CT検査でも原発巣以外以上無し」
→素晴らしい!
HER2陽性の場合には、質問者のように「長期生存⇒(もしかして根治)」もありうるのです。
このチャンスに原発巣を手術しないなんて…(クリープをいれないコーヒーのようなものです。)
是非、手術しましょう。
「ステージ4での手術は標準治療ではないから、手術をしたらこの先どうなるかわからない、それでも良いか等。」
⇒馬鹿げている!
「手術は選択しない方が良かったのでしょうか。」
⇒とんでもない!
薬物は永遠に効くとは限らない。
そして原発巣は「きちんと切除すれば、遠隔転移とは全く異なり」原則、根治します。
つまり、(将来的に)薬剤が効かなくなった場合、皮膚を突き破った原発巣は壊死を起こし「悪臭を放ち、QOLの大変な低下」となりうるのです。(治療が効かなければ、遠隔転移がコントロールされていても、必ずそうなります)
「手術で原発巣を切除するとサブタイプが変わるのでしょうか。」
⇒無関係。
「手術をした場合のリスクを教えてください。」
⇒全くありません。
「 センチネルリンパの検査もするとのこと」
⇒センチネルリンパ節生検の適応はありません。
腋窩も(遠隔転移がコントロールされているのだから)郭清すべきです。
★原発巣(乳腺)同様に、薬剤でコントロールできなくなると「腋窩リンパ節も皮膚を突き破ったり、患側浮腫を起こす」のです。
これが、質問者のターニングポイントとなります。
手術をしない理由が全くありません。(この機会を逃して、後悔しないようにしましょう)