[管理番号:5998]
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生はじめまして。
先生のコラムやQandAをいつも熟読し、勉強させて頂いております。
お忙しい中、貴重な時間を割いて患者の気持ちに寄り添いながらも、的確な回答して下されていることに、心から感謝申し上げます。
昨年の11月中旬頃から左胸単孔性血性分泌があり、12月に総合病院の乳腺外来を受診し 乳管内乳頭腫と診断されています。
初診時
エコー検査→細胞診検査→マンモグラフィー検査の順にして頂き、
検査結果は、エコー検査 乳管内乳頭腫あり。
マンモグラフィー検査異常なし。
細胞診検査 12月中旬にクラス1の良性。
6ヶ月の経過観察中です。
初診後、田澤先生のサイトに出会い
経過観察は諦めてメディカルプラザを受診して下さい。
誤った医療で損をするのはあなた自身なのです。
の言葉に勇気付けられ
直ぐに市川プラザに電話し、5月中旬に予約を入れて貰っております。
しかし、最近出血の量が多くなり、気にしてしまているせいか乳首周辺の痛みや、ピリピリとした乳房の痛みも有り不安になり再受診しました。
その際先生からは、何の心配もない。
心配のし過ぎだ。
こんなに小さいのになぜ気にする!
胃や肺、大腸どこにでもこれ位のはあるかもしれないのに!
何で胸だけ気にするんだ!と、指摘を受けたのですが、どうしても心配なので、何とか乳管造影検査をしていただけないかと伺うと、この程度でする必要も無いし、ここでは出来ない。
と言われ、分泌液の検査のみして頂き、2週間後の結果待ち中です。
私の今の状態
乳管内乳頭腫エコーに写る大きさ(何ミリか分からない)
単孔性血性分泌が有り、少しずつ量が増えている
分泌液の色が赤→茶色がかった赤→うすい墨汁色
絞らなければ出ない。
継続して出ている(2週間おきに絞って見ている)
分泌しはじめて、3ヶ月 は経っていない。
5月中旬まで待っていても、後悔することにならないか不安です。
まだ3歳の子がおり、白黒ハッキリさせて、今できる最善のことを迷わずにしていきたい。
と思う気持ちです。
お忙しいと存じます。
大変恐縮ですが、田澤先生の御意見を伺う事が出来ればと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
内容はよく解ります。
単孔性乳頭分泌の診療については、「典型的な診療」と言えます。(「何処かの大病院」ではMRIを撮るでしょうが、大差ありません)
ポイントは、「どの段階で診断するか?」です。
その医師がいうように「緊急性は無い」それには同意します。
ただ「動かぬ証拠=明らかな手掛かり」があるのだから、(もしも名探偵コナンなら)「みすみす見逃す必要はない」ということです。
再三いうように「全く緊急性はない」ことなので、まずは腰を落ち着けることです。
その「乳首周辺の痛み」「ピリピリとした乳房の痛み」は、まさに「お知らせ」の『「生理と関係なく、胸や脇が痛い」方は、QandA「左胸と背中の痛み」をまずはご一読ください。』にピタリと当て嵌まります。
今回は、(ご本人が自覚されている様に)「気にする=ストレス」が(年齢的にもともと不安定だった)卵巣からの分泌を更に刺激して、このような症状となっているのです。
♯これについては、『今週のコラム 111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』も良く読んでください。
「5月中旬まで待っていても、後悔することにならないか不安」
⇒11月からの分泌であれば「後悔する」ことにはなりません。
当院に同様な状況で受診される方の殆どは前医で無駄に『半年以上(時に2-3年!)』経過観察されている方が殆どなのです。
その中で、「これは酷い」という状況は「1年以上分泌が継続しているうえに、腫瘍が触知する程増大している」ケースくらいであり、質問者のようなケースで「後悔する」ほどの状況はありえません(同様のケースを沢山診ているので間違いありません)
ちなみに「これは酷い」と憤りを感じたケースは『今週のコラム41回目 お気のどくだけど、とてもまともな診療だとは思えない』の症例です。(今読んでも、とても信じられない思いですが、現実だったのです。)
☆ただ「まだ3カ月もある」とますます「ストレスから来る乳房痛が酷くなる⇒(余計に)心配する⇒そのストレスが更なる乳房痛⇒(進行しているのでは?と)余計な心配する⇒」みたいな「負のスパイラル」ととなりそうです。
その「負のスパイラル」から脱するには、もう少し早めに乳管造影するしかなさそうです。
秘書メールしてください。 そうすれば「もう少し、早く」予約を取り直すことはできそうです。
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