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術後の治療について

[管理番号:5851]
性別:女性
年齢:38歳
初めて質問をさせていただきます。
Q&Aの迅速なご回答、大変参考にさせていただいております。
今後の治療方針について相談をさせてください。
乳がんと診断され、針生検の結果は「ステージⅡa」の診断でした。
放射線治療は避けたかったので、全摘手術を希望しました。
術前センチネルリンパ生検を行い、結果、リンパ転移が見られたため
「ステージⅡb」の診断に変わりました。
乳房全摘手術(皮下乳腺全摘手術)1次同時再建手術、腋窩リンパ節郭清を行いました。
その後、術後の病理結果が下記のように出ました。
乳頭腺管癌
浸潤度:f(脂肪)
占拠部位:下側
浸潤腫瘍径:腫瘍2個 1.9×1.2×1.5cm(4,9,11)
0.6×0.4cm(9,10)
乳管内非浸潤癌巣:3.7cm
核グレード分類:2
核異型スコア:2+
核分 裂像スコア:2=4
リンパ管侵襲ly:2
静脈侵襲V:0
fibrocystic change:(+)
脈管浸潤:脂肪組織への浸潤
断端の癌細胞:(+、胸壁側断端に焼灼された非浸潤癌を認め、断端陽性とする)
腋窩リンパ節の転移状況:センチネルリンパ節
(1/9)、レベルⅠ(1/6)、レベルⅡ(0/3)
 One of the 9 lymph nodes submitted is
metastasized by the carcinama cells.
ER:陽性 TS(7)=PS(5)+IS(2)、陽性占拠
率:10%以上、染色強度:中等度
PgR:陽性 TS(7)=PS(5)+IS(2)、陽性
占拠率:10%以上、染色強度:中等度
MIB-1(Ki-67):17~23%
HER2タンパク発現:0(※非浸潤癌部位では、スコア1~2+相当の所見が見られる)
以上の結果からはルミナールBとの判断になるでしょうか。
病理結果前は、ホルモン治療のみになるだろうとのことだったので、非常にショックです。
年齢からの考慮と、再発リスクの低減のため、抗がん剤治療を勧められました。
今後の治療としては、抗がん剤治療(パクリタキセルを毎週、8サイクルで24回)+リュープリン注射
その後、ホルモン治療(ノルバテックスを5年間)の方針を提案されています。
ホルモン治療のみというのはがん転移の可能性は高くなるのでしょうか。
ホルモン治療のみを受けた場合と、抗がん剤治療+ホルモン治療を受けた場合のリスクはどのくらいの違いが出るのでしょうか。
抗がん剤治療は受けた方が良いのでしょうか。
摘出手術後の抗がん剤治療は早く行ったほうが良いのでしょうか。
すでに術後2か月になります。
また、抗がん剤治療を受けるとして、パクリタキセル毎週投与療法8サイクル24回の選択はどうなのでしょうか。
抗がん剤について調べると、数種類の薬剤を組み合わせる場合(TC、EC療法等)は出てくるのですが
パクリタキセル単剤の療法は本などで調べても出てこずによくわかりません。
パクリタキセル毎週療法を提案された時に、アドリアマイシンは副作用が強いということでこの療法を勧められました。
提案されたパクリタキセル毎週療法は6か月投与になりますが、この期間が一般的なのでしょうか。
他、抗がん剤の投与期間はどのくらいが標準なのでしょうか。
できるだけ、副作用の少ないもの(脱毛は構いませんが、倦怠感など仕事をするうえで妨げになるような症状は軽いもの)、投与期間が短いものがいいのですが、どのような抗がん剤治療がベストなのでしょか。
TC療法、EC療法、パクリタキセル毎週投与療法の効果、期間はそれぞれどうなのでしょうか。
どの療法をとっても効果は変わらないのでしょうか。
どのような差があるのでしょうか。
療法によって治療費の差があるのでしょうか。
お忙しい所、長文の質問で申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「以上の結果からはルミナールBとの判断になるでしょうか。」
⇒ルミナールAの可能性が高いです。
 Ki67 17~23であれば、ルミナールAの可能性が高いことは『今週のコラム98~101』を、是非ご一読すると解ります。
今週のコラム 98回目 ♯このグレーゾーンを「AとBに分ける」ためにOncotypeDXがあるのです。
今週のコラム 99回目 ★グレードは「参考程度」ということでいいですね?
今週のコラム 100回目! 「若いから」抗ガン剤をしましょう。は過ちなのです。
今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。
「年齢からの考慮」
⇒誤りです。
 特に『今週のコラム100』を見てください。
「再発リスクの低減のため、抗がん剤治療を勧められました。」
⇒ルミナールAの可能性が高い以上・
 「誤り」です。
「抗がん剤治療(パクリタキセルを毎週、8サイクルで24回)」
⇒24回??
 何かの間違いでしょう(通常は12回)
 そもそも化学療法の必要性が??ですが…
「ホルモン治療のみというのはがん転移の可能性は高くなるのでしょうか。」
「ホルモン治療のみを受けた場合と、抗がん剤治療+ホルモン治療を受けた場合のリスクはどのくらいの違いが出るのでしょうか。」

⇒もしもルミナールAならば…
 抗癌剤による上乗せはありません。
「抗がん剤治療は受けた方が良いのでしょうか。」
⇒自分がルミナールAであることを確認したいなら…
 OncotypeDXしましょう。
 ちなみに「閉経前、リンパ節転移あり」でも適応があります。(念のため)
「また、抗がん剤治療を受けるとして、パクリタキセル毎週投与療法8サイクル24回の選択はどうなのでしょうか。」「提案されたパクリタキセル毎週療法は6か月投与になりますが、この期間が一般的なのでしょうか。」「他、抗がん剤の投与期間はどのくらいが標準なのでしょうか。」「どのような抗がん剤治療がベストなのでしょか。」「TC療法、EC療法、パクリタキセル毎週投与療法の効果、期間はそれぞれどうなのでしょうか。どの療法をとっても効果は変わらないのでしょうか。」「どのような差があるのでしょうか。」
⇒まずは、「抗癌剤が必要か?」から始めましょう。
「療法によって治療費の差があるのでしょうか。」
⇒残念ながら治療費については解りません。