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リンパ節転移多数、ルミナールaの抗がん剤

[管理番号:5557]
性別:女性
年齢:47歳
どうぞよろしくお願い致します。
9月に全摘手術と同時再建を行い、術後病理検査結果が出たところです。
*浸潤性小葉癌
*8,5cm
*リンパ節転移32個(鎖骨下に有り)
*増殖率7%
大人しいタイプでも進行度が高く、抗がん剤8クール、その後、放射線、ホルモン療法10年を考えていると言われ、ハーセプチンが効くかの検査待ちです。
(陰性の可能性が高いがとのこと)
32個という驚異な転移数なので、抗がん剤は避けられないと思いつつ、主治医からは、効くかどうかはわからないが、やれることをと言われています。
ただ、7%という数字から、8クールに気持ちが追い付いていきません。
(初診のクリニックでは、1bで初期との診断だったのが、検査のたびに進みがわかり、術前は2b、術後は3c・・・)
やはり、放射線とホルモンのみではダメなのでしょうか?
効かないかもしれないのに・・・という気持ちが強く、踏み切れません。
この場合の、抗がん剤をした場合と、しない場合の再発転移率、予後はどのくらい違うのでしょうか?
大人しいタイプであるなら、もし遠隔転移した場合でも、ゆっくりなのでしょうか?
あと、同時再建は中止になる可能性があると聞いていたのですが、エキスパンダーは入れました。
3cの状態で大丈夫だったのかも心配しています。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
小葉癌の場合は乳管癌とは異なり、(一つ一つの腫瘍は小さいのに)顕微鏡的には「連続した病変」として「浸潤径が大きくなりがち」であったり、
 リンパ節転移も画像上解りにくく、「(術前の画像診断が過小評価されがちとなり)術前の画像診断よりも転移の個数が多くなりがち」となったりします。
乳管癌とは「同じステージとして考えるべきではない」というケースも、珍しくはありません。
「浸潤性小葉癌*8,5cm *リンパ節転移32個(鎖骨下に有り)*増殖率7%」
⇒典型的な(浸潤径が大きくなりがちで、リンパ節転移も過小評価しがちな)「大人しい小葉癌」といえます。
「主治医からは、効くかどうかはわからないが、やれることを」「やはり、放射線とホルモンのみではダメなのでしょうか?」
⇒(医師としては)「抗癌剤を勧めない訳にはいかない」と(私も)思います。
「この場合の、抗がん剤をした場合と、しない場合の再発転移率、予後はどのくらい違うのでしょうか?」
⇒これは全く不明です。
「大人しいタイプであるなら、もし遠隔転移した場合でも、ゆっくりなのでしょうか?」
⇒そのように予測されます。
「同時再建は中止になる可能性があると聞いていた」「3cの状態で大丈夫だったのかも心配」
⇒これは問題ありません。
 再建したことで問題となるのは、唯一「放射線照射のみ」です。
 インプラントに入れ替えた後に放射線照射を行えばいいのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

リンパ節転移多数、ルミナールaの抗がん剤   [管理番号:5557]
性別:女性
年齢:47歳
お返事ありがとうございます。
*小葉癌
*リンパ転移32個
*増殖率7%
まだ、ハーセプチンが効くかの結果は出ていません。
(2+)
どの抗がん剤をするのかは聞いていないのですが、2週間毎を8クール、
その後、放射線、ホルモン10年の予定でいると言われています。
先生でしたら、どのような治療をお考えになられますか?
エコー、CT、MRIでは、リンパ転移は見られなかったのが、主治医の見解で、少し腫れているように見え気になる?細胞診?細かいのがパラパラ散っていたから見張りリンパだけとる?手術中、リンパ転移5個と鎖骨下にも有り?術後病理検査結果、リンパ転移32個
こんなにも変わるものでしょうか?
細かすぎて写らなかった?
どんなに細かくても、32個には変わりないのですよね?
術後の脇の下の腫れは、術後の後遺症ですよね?
術後40日がたちますが、まだ未治療の状態で、いつ遠隔転移してしまうのかと、(CT、MRIは7月初旬にとってます)気持ちが休まりません。
いくつも質問してしまってすみません。
希望は持てるのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「先生でしたら、どのような治療をお考えになられますか?」
⇒アンスラサイクリン+タキサンを行います。(勿論HER2陽性ならば、ハーセプチンも併用します)
 ただdose dense(2週毎)は行いません。
「こんなにも変わるものでしょうか?」
⇒前回の回答通りです。
 (以下、抜粋)
★小葉癌の場合は乳管癌とは異なり、(一つ一つの腫瘍は小さいのに)顕微鏡的には
「連続した病変」として「浸潤径が大きくなりがち」であったり、
 リンパ節転移も画像上解りにくく、「(術前の画像診断が過小評価されがちとなり)術前の画像診断よりも転移の個数が多くなりがち」となったりします。★
「術後の脇の下の腫れは、術後の後遺症ですよね?」
⇒それは見ていないので解り兼ねますが…
 リンパ節ではないことは想像できます。
「希望は持てるのでしょうか?」
⇒勿論です。
 抗癌剤を行えば、再発しない確率の方が高いことは間違いありません。(%は不明ですが…)
 
 

 

質問者様から 【質問3】

リンパ節転移多数、ルミナールbになってました。
性別:男性 (→女性?)
年齢:47歳
いつも有難うございます。
ハーセプチン検査は、陰性でした。
最初の検査で、増殖率は7%と出ていたのですが、術後病理検査結果で36%に上がっていたことがわかりました。
リンパ転移も、術中にわかった分の6個がプラスで、全部で38個だったとのこと…。
ルミナールbと言われ、?と思って聞き直したところ、わかりました。
(私が聞いていなかっただけなのですが…。)
治療は、前半の4クールをEC療法で、エピルビシンとエンドキサン。
後半の4クールをパクリタキセル。
2週毎に行うと言われています。
ルミナールbになったことで、抗がん剤の効き目も上がるのでしょうか?(小葉癌に対してもですが)
2週毎と3週毎では、効き目は違うものなのでしょうか?
やはり副作用もきつくなりますよね?
先生の患者さんで、このような転移数の患者さんはいらっしゃいましたか?
昨年、10月にかすかな乳頭の凹みを感じたのですが、1月末の人間ドックのエコーでは異常なしと言われ安心してしまったのですが、6月末に、ますますの凹みでブレストクリニックへ行ったところ、発覚しました。
この時は1.8cmで初期と言われていたのですが、9月の手術で3cにまでなっています。
胸の傷で壊死してしまった部分が出て、その部分のカット等で、傷の治りが遅く、やっと食塩水の追加が入り、来週から抗がん剤なのですが、
この1年の進み具合と、38個という個数から、術後この2か月の間無治療で、遠隔転移していないかと、こわくて仕方ありません。
先生に後押しして頂きたいという気持ちもあるのだと思いますが…。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「2週毎と3週毎では、効き目は違うものなのでしょうか?」
⇒dose denseは…
 エビデンスが足りないのでコメントできません。
 ルミナールタイプではあまり関係ないというデータもあります。(ホルモン陰性では有効)
「やはり副作用もきつくなりますよね?」
⇒そうなります。
「先生の患者さんで、このような転移数の患者さんはいらっしゃいましたか?」
⇒もちろん。
 凄く特殊なわけではないのです。
 
 

 

質問者様から 【質問4 ステージ3C 骨転移の可能性】

性別:女性
年齢:48歳
先生、またよろしくお願い致します。
昨年9月半ば、左胸全摘手術(同時再建)
病理検査結果
・小葉癌(広がり8,5cm)
・ステージ3C(鎖骨下にもあり)
・リンパ節転移(38/38個)
・増殖率(36%)ルミナ―ルB
11月半ばより、抗がん剤EC療法を2週ごとに4ク―ル。
今年に入りドセタキセル(アルコールが飲めないのでかわりました。)を3週ごとに4ク―ルを昨日終了したところです。
ドセタキセル2週目の時に、対の胸(脇)、胸と胸の間の骨等が痛み、前回のCTが7月だったこともあり、じゃあ撮っておこうかとなり、3回目の時に異常なし(副作用の筋肉痛でしょう)とのことだったのですが、4回目の昨日、CTの先生から、骨盤に白い影が2ヵ所見える、骨転移なのでは?と指摘されたとのことで、副作用が落ち着いてから骨シンチをすることになりました。
(尾てい骨に痛みはありますが、それは寝てばかりであたるからだと思ってますが…)
先生は、抗がん剤治療中に、転移はほぼないとおっしゃってますが、どう思われますか?
抗がん剤が効かなかった?
実際、小葉癌の特性か、リンパ転移はCTでもエコーでも見られず、術中わかったのが
6個、病理結果後38個にまでなっていました。
遠隔転移はないとも言われていましたが、術前にすでに微小の癌がCTに写らず、すでに骨転移していたか、術後、抗がん剤までの間に転移したということもあるのでしょうか?
今後の予定としては、4月からホルモン治療10年。
5月末から6月上旬、再建インプラント入れ替え手術。
その後、放射線治療となっているのですが、再建を止めて、早く放射線治療に専念した方が良いのか?
もし骨転移の場合はステージ4となり、治療も変わってくるのでしょうか?
乳頭のかすかな凹みに気付いたのが一昨年10月、人間ドックでエコーをしたのが1月末(異常なしと言われた)、6月末にやはりおかしいとブレストクリニックで乳がん発覚。
10月、もしくわ人間ドックでわかっていれば、ここまで進むこともなかったのでしょうか?
後悔ばかりです
このような転移数の方で、完治された方はいらっしゃいますか?
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「骨盤に白い影が2ヵ所」「先生は、抗がん剤治療中に、転移はほぼないとおっしゃってますが、どう思われますか? 」
⇒CTでの評価は、あてになりません。
 骨シンチはスクリーニングとしては有用ですが…
 骨シンチをする前に、まずは単純レントゲンでは?
 そして、最終的に質的診断をするためには「その部位を狙ったMRI」となります。
「術前にすでに微小の癌がCTに写らず、すでに骨転移していたか、術後、抗がん剤までの間に転移したということもあるのでしょうか?」
⇒そもそも…
 質問者は勘違いされています。
 「遠隔転移再発」は、手術時にすでにあった(画像で捉えられない程小さい)ものが、時間をかけて増大して「可視化」するものであり、純粋に「全く新しく発生」するわけではないのです。
 
 つまり、以下の3タイプとなるのです。
  1.(手術時に)全く癌細胞が体内になかった⇒ 勿論、再発はありません。(術後に新たに発生するわけではないのです)
  2.(手術時に)どこかに癌細胞が潜んでいた⇒ 術後の治療で消失⇒再発なし
  3.(手術時に)どこかに癌細胞が潜んでいた⇒ 術後の治療でも抑えきれずに次第に増大⇒再発
「もし骨転移の場合はステージ4となり、治療も変わってくるのでしょうか?」
⇒今から、そんなことを考える必要はありません。
「このような転移数の方で、完治された方はいらっしゃいますか?」
⇒当然。
 あくまでも「リンパ節転移は局所にすぎない」のです。
 
 

 

質問者様から 【質問5 】

ステージ3C 骨転移の可能性
性別:女性
年齢:48歳
田澤先生、こんにちは。
先日、骨盤転移の可能性があるということで、骨シンチとPET検査を受けました。
(MRIは、エキスパンダ―が入っているため、出来ませんでした)
骨シンチ、PET検査ともに異常なしで、写っていませんでした。
ただ、CTに写っていた影(小さな点が2つ)は、7月の時点でも写っていたようで、
主治医が、特に気にすることではないと判断したとのことで、(この時点ではリンパ転移38個とわかっていなかったからでしょうか)
今回、それが少し大きくなっているとCTの先生から指摘されたようです。
とりあえず、全否定は出来ないから、様子を見ていきましょうということになりました。
CTに写って、骨シンチとPET検査に写らないものとは、他に何が考えられますか?
PET検査では、1cm未満のものはわからないと聞くのですが、やはり、転移の可能性が高いのでしょうか?
今は、ホルモン剤(アナストロゾ―ル錠)のみ服用しているのですが、
もし転移だとしたら、広がってしまうのではないかと心配です。
6月末にまたCTを撮って様子を見るとのことです。
あと、骨転移したものは、治療で小さくなったり、消えることはないのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「CTに写って、骨シンチとPET検査に写らないものとは、他に何が考えられますか?」
⇒変性です。
「PET検査では、1cm未満のものはわからないと聞くのですが、やはり、転移の可能性が高いのでしょうか?」
⇒単純レントゲンで確認すべきでしょう。
「骨転移したものは、治療で小さくなったり、消えることはないのでしょうか?」
⇒?
 治療とは「そのため」にあるのですよ(冷静にお考えください)