[管理番号:3923]
性別:女性
年齢:48歳
初めての質問です。
よろしくお願いします。
6年前に右乳房上部内側に乳腺の石灰化が見つかり乳腺症との診断を受け、センチネルリンパ節生検をしましたが癌細胞では無いとのことでリンパ節を切除せずに手術を終えています。
術後2年は半年に1回その後は1年に1回の検査(マンモとエコー)を受けていました。
今回(術後6年目)の検査で別の場所(右乳房上部外側)に悪い部分が
エコーで見つかり検査の結果「陽性」。
診断結果は非浸潤性入管癌、ステージ0との説明でした。
正確には手術後約2週間で結果が出るとも聞いています。
所見(頂いた組織検査報告書)には以下のように記載されていました。
ER ほぼすべての腫瘍細胞に陽性
PgR ほぼすべての腫瘍細胞に陽性
HER2 Score2
Ki67 15%
sribriform type and comedo typeの所見です
atypical scor 2 +mitotic 2 =Grade 2
担当医の話では塊の大きさは12㎜、MRI(造影あり)で広がりは無し
リンパ他の部位への転移なし、
CTの結果にも問題無しとのことでした。
担当医の先生からは乳房温存プラス放射線治療を提案され、非浸潤性入管癌の場合、温存プラス放射線も全摘出も再発率に差がないとの説明も受けました。
一度はその方向でと主人とも話をして考えましたが、6年前から毎回検査のたびにがんが発症していないか不安な思いをして過ごして来ました。
なので、温存した場合は再発のリスクが0ではないため、また同じような不安(今度は再発ですが)を抱きながら生活するぐらい
ならば、私自身胸も大きくないし、今後子供を産むこともないので、全摘出し再発リスクを限りなく抑え、不安を抱く生活から解放され前向きに生きていきたいと考えどちらを選択するか迷っています。
担当医の方も本人が強く望むのであれば全摘出も考えますが、そこまでは必要ないのではと言ってくれてもいます。
また、温存と全摘出の長所、短所を聞いたところ全摘出の短所は「見た目が悪くなる だけ」と言われ、それならばリスクの少ない
全摘出がいいのではとさらに考えてしまいます。
このサイトの多くの方の投稿でも、全摘出後の生活に不便はほとんどないとのことで全摘出に対する不安は不思議とありません。
そこで先生に質問です。
①非浸潤性入管癌ステージ0の温存プラス放射線と全摘出の再発率を考えた選択についてのアドバイスとそれぞれの長所短所。
②この初期の状態で全摘出を望むことは極端な選択なのでしょうか。
③乳腺症(両胸)も進んできていると言われ、今は健全な左胸にも発症するのではないかとの不安もあり、右胸の一部を残すことが左のがん発症に関係しないのかが知りたいです。
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
初回手術で「癌では無かった」のに「センチネルリンパ節生検」を行っている点は非
常に気になりますが、そこは触れずに置いておきましょう。
「このサイトの多くの方の投稿でも、全摘出後の生活に不便はほとんどないとのことで全摘出に対する不安は不思議とありません。」
⇒全くその通りです。
「①非浸潤性入管癌ステージ0の温存プラス放射線と全摘出の再発率を考えた選択についてのアドバイスとそれぞれの長所短所。」
⇒物事はシンプルに考えましょう。
全摘すれば「局所再発はゼロ」それに対し、温存+放射線では「10年(温存乳房内)再発は5%程度」となります。
全摘すれば(非浸潤癌では)根治
遠隔転移再発はどちらでも考える必要なし
○全摘での問題点は(担当医のいうように)「見た目だけ(本人にとってはココが大きいわけですが)」となります。
「②この初期の状態で全摘出を望むことは極端な選択なのでしょうか。」
⇒そんなことはありません。
究極の「根治」です。
「③乳腺症(両胸)も進んできていると言われ、今は健全な左胸にも発症するのではないかとの不安」
⇒完全な勘違いです。
乳腺症は(ホルモンによる)「正常乳腺の変化」であり、病気ではありません。
乳癌のリスクでは全くありません。気にしない様にしましょう。
「右胸の一部を残すことが左のがん発症に関係しないのかが知りたいです。」
⇒全く無関係です。
乳腺の左右は「天と地ほどに」離れているのです。
右から左とか、左から右などは「1000%ありえません」
質問者様から 【感想2】
田澤先生、お世話になります。
先日、非浸潤性乳管ガンにかかり、温存か全摘出で悩み相談した者です。
数日前に主治医から手術説明を受け温存プラスセンチネルリンパ節生検を行うことになりました。
私の質問に対する先生のレスポンスの早さと、判りやすく納得できる回答に助けられました。
御礼が遅くなりましたが、有り難うございました。