[管理番号:3498]
性別:女性
年齢:32歳
乳頭からの分泌物についてお尋ねです。
8月(中旬)日に左の乳頭の1つの穴から、しぼると分泌物がでました。
右からはしぼってもでませんでした。
色は見た目はクリーム色~乳白色で、ティッシュにとると黄色っぽい(初乳のような色)かんじでした。
量は小さな水滴1滴程度が2、3回でました。
乳頭に滲むかんじで、たれてくるようなことはありませんでした。
分泌物トータルで0.5mlにも全然及ばない量かと思います。
その後は別の日に強めにしぼると針穴ぐらいの量がでるといったことが2、3回あります。
色は白く見えます。
強くしぼってもでないことの方が多く、胸をおしたりしぼったりすることで張ってきたり、痛くなります。
これは単孔性の分泌物になるのでしょうか?
1年前にも少量の透明の分泌物が同じ側の乳頭からあり、乳腺外科を受診し、エコーとマンモをしましたが異常はないとのことでした。
妊娠の経験は2度ありますが、出産経験はありません。
プロラクチンの値も正常でした。
ただ、ここ半年はPCOで排卵障害があるため、クロミフェンや月経をおこす注射や内服薬を使用して不妊治療をしており、胸が痛くてうつぶせもできない程パンパンに張ることがわりとありました。
このようなことが今回分泌物がでたことに関係することがあるのでしょうか?
また、今週のコラム36回目「もしも本当に「乳管内病変が存在」すれば、「浮きの方から沈んでくれる」ので心配ありません。」等を読ませていただくと、緊急性はないのかなとは思いますが、今回のような、少量でも度々分泌物がでることが続く場合は検査をした方がよろしいのでしょうか?もしくは、どのように状態が変わっていけば受診した方がよろしいのか、ご回答いただけたら幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ご本人のご理解されている通り、「全く緊急性は無」で正解です。
気にするポイントは
①単孔性
②色(透明はいいとしても)白、クリーム色、緑色はそれだけで心配なし
③分泌量 絞るたびに毎回確実に出ること
「緊急性はないのかなとは思いますが、今回のような、少量でも度々分泌物がでることが続く場合は検査をした方がよろしいのでしょうか?」
⇒全く不要です。
上記ポイントの②で、すでに「気にしなくても良い」となります。
「もしくは、どのように状態が変わっていけば受診した方がよろしいのか」
⇒白やクリーム色である限り「気にしない」でよいのです。
質問者様から 【質問2】
管理番号3498
”乳頭からの分泌物について“
の質問をした者です。
前回はご回答ありがとうございました。
その後気になることがありました。
左乳輪を(クリクリとしたかんじのものがある部分です。乳腺なのでしょうか。)円を描くようにグリグリと強めのマッサージをするようにおすと、絞ったり、乳首をつまんだりしていないのに、前回質問時と同じ乳頭の穴から、透明~クリーム色っぽい分泌物が、一度で出てくる量も前回と同等量ぐらいで、6、7回程おす度に滲むようにでてきました。
その後は、同じようにおしても出ないときもありましたが、だいたいでるようなかんじです。
おすと分泌物が出てくる乳輪の場所は決まっているようにかんじます。
この時は、グリグリおす度に毎回確実に分泌物がでたことになりますが、前回、白やクリーム色である限り気にしなくてよいとのご回答をいただきましたが、どのようにすると出てきたかということは考えなくて大丈夫ですか?
単孔性でも、白色やクリーム色の分泌物であれば、量が増えてきたり、絞らなくても自然とでてくることがある、又は絞ると毎回でる状態でも気にしなくてよいのでしょうか?また、つまんだり、絞ってもでないものが、強めのマッサージ程度おして分泌物がでるのは何故なのでしょうか?
それから、時折り分泌物が透明にみえる場合もあるので気になったのですが、大雑把に言うと、透明であっても少量なら単孔性でも気にしなくてよくて、単孔性で絞ると必ず大量に出る状態であれば、必要な検査をした方が良いという解釈でよろしいのでしょうか?(他の方への回答、管理番号3370を拝見しました。)
乳管内病変の可能性がある、色のついた分泌物というのは、判断に迷わないぐらい見てわかるものなのでしょうか?
回答をいただいた時と少し状態が変わったことになるのかなと気になり再度質問させていただいた次第です。
ご回答いただけたら幸いです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
なかなか個々の細かいことについて(診察もしていないのに)回答することが適切ではないので、私の乳頭分泌について「診療経験に基づいて」コメントします。
基本的に「乳頭分泌」は(普通に絞った際に)明らかに単孔性に「黄色もしくは茶色、(勿論赤、黒も)」が持続性に(次から次へ)出てくる状態を気にしてもらえば結構です。
それも、「1カ月程度、1日1回絞ってみて、これは(生理周期に関係なく)いつも間違いなく出ている。 これは病院に行くしかないかな。」と確認してから受診しても「全く遅くありません」(というか、その位確認してから受診した方がいいです)
♯実際に私が乳管造影をして(乳管内病変を疑い)さらに「乳管腺葉区域切除」へすすむ患者さん達は「数カ月以上、分泌が続いている状態」が殆どですが、それでも「治療に支障があることは無い」のが実情です。
質問者のように「これはどうかな?」と考えなくてはならない時点で「経過観察で十分」と思います。「これは、どう考えても受診すべきだ」と自ら感じてから受診しても「全く問題無い」のです。そこが「しこりの触知との大きな違い」です。
○乳管内病変の診断は、あくまでも「超音波では見えない程度の病変の診断」なので、(同じ自己検診でも)「ゴロリとした硬い腫瘤を触知」した時とはスピード感が『全く異なる』ことをご理解ください。
「単孔性でも、白色やクリーム色の分泌物であれば、量が増えてきたり、絞らなくても自然とでてくることがある、又は絞ると毎回でる状態でも気にしなくてよいのでしょうか?」
⇒その通りです。
「また、つまんだり、絞ってもでないものが、強めのマッサージ程度おして分泌物がでるのは何故なのでしょうか?」
⇒その部位に溜まりがあるのでしょう。
「大雑把に言うと、透明であっても少量なら単孔性でも気にしなくてよくて、単孔性で絞ると必ず大量に出る状態であれば、必要な検査をした方が良いという解釈でよろしいのでしょうか?」
⇒その通りです。
もしも「乳管内病変がある」場合では、最初は少量でも必ず「量が増える」のです。
乳頭分泌の場合には、「量が増えて、それが維持される」ことを確認してからでも『全く遅くない』と考えるといいでしょう。
「乳管内病変の可能性がある、色のついた分泌物というのは、判断に迷わないぐらい見てわかるものなのでしょうか?」
⇒その通りです。
見ればすぐに「普通では出ない液だ」と気づく筈です。