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乳がんのしこりについて(自己検診)

[管理番号:34]
性別:女性
年齢:33歳
 こんにちは。初めまして。質問させてください。
 
 最近、ドラマで乳がんに関する物が多くあり、気になり自己検診をしてみたのですが、乳がんのしこりは、素人でも簡単に気づけるものでしょうか。
 私は胸が小さいからか触っても、骨や筋にあたるのでよくわかりません。
 また、たまに小さく柔らかい、コロコロ(ぷにぷに)したものに手があたることがありますが、それは検診で見てもらった方がいいものでしょうか。
 日によって触れたり触れなかったりし、よく触らないと分からない程度のものです。
 
 長くなりましたがよろしくお願いします。
 ちなみに昨年の春に乳がん検診を受けています。
 

A.回答

 こんにちは。田澤です。
 「自己検診」に関する事ですね。
 非常に重要な質問です。ありがとうございます。
 その所見の取り方に不安をお持ちの方は多いのです。
 それでは回答いたします。

回答

  1.  自己検診は簡単ではありません。
     「触診」は我々専門家が行っても、簡単ではなく、患者さんによっても「触診のし易さ」には大きな違いがでます。
     
     例えば「1cmの乳癌」があったとして、通常乳癌は「硬く、石ころのように触知」するものが多いのですが、全ての人で触知する訳ではありません。
     イメージとしては、「乳腺の薄い方では1cmのしこりでも触知する」けれど、「乳腺の厚い方では1cmでは解らない。場合によっては2cm位にならないと解らない」という感じです。
    ※触診が如何に難しいものであるか。は乳癌検診として「触診単独」が推奨されない。(つまりマンモ併用が望ましい)となっていることでも解ると思います。
     因みに「触診+マンモ併用検診」は有効性が確立されていますが、「触診+超音波併用検診」の有効性は現時点では証明されていません。
     
  2.  ご本人が現在触れているコロコロ(ぷにぷに)は、おそらく正常乳腺だと思われます。様子をみていいでしょう。(自己検診を時々でいいので継続してください)
     乳癌は殆どの場合、ある程度「硬く」触れます。 「硬く芯をもったもの」をイメージしてください。

 

参考にしてください。

触診は「専門家が行っても難しいもの」とお話しました。
では、「自己検診」は意味が無いのでしょうか?
◎自己検診に意味が無いなんてことはありません。
 それどころか、「乳癌検診」が1年に1回もしくは2年に1回行われている中で、検診と検診の間のチェックはご本人にしかできないのです。
 
 私がいつも、患者さんに「自己検診」について聞かれた際にお話しするのは「自己検診は自分の正常を知ることが重要」という事です。以下に記載しますと、

  • 正常な状態を知る事から始まる:病院なり、検診なりで「正常」と判定された時に、しっかり自己検診をして「正常な状態」に慣れておく。(必要なら2~3日続けて「正常な状態」を把握する)
     
  • その後は定期的(せいぜい月に1回程度)に自己検診をする: 定期的に行っていると、「あれ? 前回には無かったような?」というように「変化」に気がつくことがあります。

 
 
●自己検診をして「あれっ?何だろう?」と思った際には、(無駄を覚悟で)是非乳腺外科を受診してください。
 
 その際に大事なことは(正常です。という言葉だけで、安心して終わるのでは無く)、その「気になったものが、一体何なのか?」必ず医師に確認することです。そのようにすることで、「あー、これは乳腺か。」とか、「これは肋骨を触れているのか?」とか、「自分の正常な状態」を理解する事ができます。
 「自分の正常な状態」を把握することが、その後の優れた自己検診に繋がります。
 
 

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