[管理番号:2750]
性別:女性
年齢:35歳
管理番号168「石灰化の経過観察中と妊娠出産について」 の35歳女性の方の質問とても参考になりました。
私も同じ35歳で第二子を希望しています。
正しく今同じ状態で左胸にシコリが三年前授乳期終盤に見つかりマンモと細胞検査で異常なし、
助産師さんにも乳腺のつまりじゃないかと言われ安心していました。
しかし最近第二子を望むようになり、同じ左胸に以前より目立つシコリが気になり妊娠出産も考え再び検査に行きました。
同じくマンモと細胞検査を行い、シコリが2つあること、左胸だけに石灰化が見られることが分かりました。
医師から前回には見られなかったものだし、左胸だけに見られるということから
マンモトームをしてみてもいいのではないか、と言われました。
ただ皮膚に近いこともあり採取は確実ではないとのこと、費用も高額であること、次回1週間後の細胞検査の結果を聞きに来た時には受けるかどうするか考えておくようにと言われました。
主人とも話しているのですが、細胞検査では癌か良性かの判断はできないのでしょうか?
もし細胞検査で異常なしであればその必要はないのでは?
そして、もし癌で手術や治療を行い妊娠出産した場合、母乳で育てることは可能なのでしょうか?
第一子の時に帝王切開と母乳の出が悪く苦労したので、次は自然分娩と母乳を強く希望していたので今とても不安で涙が出ます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「左胸だけに石灰化が見られる」
「前回には見られなかったものだし、左胸だけに見られるということからマンモトームをしてみてもいいのではないか」
⇒前回と今回の間に「出産、授乳を挟んでいる」のであれば、「授乳に伴う石灰化の可能性」があります。
ただ、確定診断つけるためには「ステレオガイド下マンモトーム生検が必要」です。
「ただ皮膚に近いこともあり採取は確実ではないとのこと」
⇒そんなことはありません。
担当医は自信が無いのかもしれませんね。
「細胞検査では癌か良性かの判断はできな いのでしょうか?」
⇒できません。
「石灰化の診断」にはステレオガイド下マンモトーム生検しかないのです。
「もし細胞検査で異常なしであればその必要はないのでは?」
⇒そうではありません。
「そして、もし癌で手術や治療を行い妊娠出産した場合、母乳で育てることは可能なのでしょうか?」
⇒可能です。
反対側の乳房から授乳できます。
質問者様から 【質問2】
管理番号:2750で質問させて頂きました。
先日はまさか自分が‥と思っていたこともあり動揺していて漠然とした疑問しか浮かびませんでしたが迅速にご対応いただきありがとうございました。
ご回答いただいた授乳の時期ですが、
前回(3年前)の時に授乳中でしたが石灰化は見られず、細胞診の結果「良性」と診断されました。
そして今回ですが、細胞診の結果Ⅴ
マンモトームをするか、しないかを検討するまでもなく、針生検(バネ式4本)をすることになりました。
そしてその結果、乳がんでした‥。
第二子を強く希望していたので胸を切除することよりも、妊娠できないかもしれないという不安や悲しみの方が大きく吐くほど泣きました。
前回の質問の中でも自然分娩で‥母乳で‥と希望を並べてしまいましたが、今となってはどうでも良いことだと気づきました。
1人いるからいいだろうと言う意見もあるかもしれませんが、今お兄ちゃんになりたくて仕方のない息子は「なんで赤ちゃん生まれてこないの?」(何故かずっと胸から生まれてくると思っているようでもっと気にしろというサインだったのかとも思ったりしますが‥)胸を擦りながら聞いてきます。
その度、夫婦で話し合いやはり希望があるならもう1人‥と思っています。
こちらのQ&Aで妊娠が含まれている質問を拝見させていただき、もしかしたら‥まだ諦めなくてもいいのかもしれないと勝手な希望を抱いているところです。
もしその希望が叶うなら、再発や治療方法にメリットがあるなら全摘しても構わないと思いましたが「全摘(再建)」「温存+放射線」で再発リスクに差はないとの説明を受けシリコンのことや感染のリスク等を聞き、今は温存手術でよいかと考えております。
まだ手術前なので、Ki値やリンパの転移など術後でなければ分からないことも多いのだと思うのですが、術後の妊娠と治療について今から少しでも考えておきたいのです。
もしセカンドオピニオンをお願いする場合のタイミングも身動きしやすい術前の方がいいのか、詳しい病理が分かる術後の方がよいのでしょうか?
主治医にも相談はしたのですが「一般的には手術後に放射線治療。その後ホルモン療法」
妊娠を優先して妊娠出産で約1年遅らせてホルモン療法を開始する方もいると聞いたのですが‥他に選択肢はないかと尋ねてみたのですが、露骨にため息を漏らし嫌な顔をされました。
「それは一般的ではないでしょう?選択肢ではありません。
通常遅らせて行うことは効果があるか分からない。」
「一般的なことをやるか、やらないか。
遅らせると言うことはやらない
に等しいくらいのリスクがあるだろうけど、一般的なことをしないなら、どうぞ私は構いません。」と冷たい対応でした。
「リスクはあることは承知の上で、一般的ではない方法を選んだ場合どんな方法があるのか相談できませんか?そしてそれはどのくらいのリスクなのか、納得した上で治療方法を決めたい」と話しましたが、「じゃあ、どう言ってほしいんですか?!」「それはコチラからは言えません。」の一点張りでした。
病気にかかっても病院で1から教えてくれるわけではないんだ。
と感じ、なんとなく突き放されたような気持ちになり診察の度に気持ちは落ち込んでいきました。
担当の看護師からはネットで色々調べられる時代だけど、あまり当てにならないから見ない方がよいとも言われました。
あからさまに怒りを露わにする主治医の顔を見る度不安な気持ちになり、このまま手術さえも安心して受けられない‥と悩み自分でも色々調べたりしながら、セカンドオピニオンを考えるようになりました。
セカンドオピニオンを希望していることを話すと、手術日は一度キャンセルになると言われ、先に延びてしまうことも少し不安ですが、1~2ヶ月延びたからと言って心配はないと言うので不安なまま手術するよりはいいのかと思っています。
以前先生がご回答された内容で、妊娠出産授乳が再発のリスクを高めない、
授乳後のホルモン治療でいいと言う回答も多くみられるのですが、
私のようなホルモン受容体が強い癌であっても同じなのでしょうか?
それは治療を完了後のことなのでしょうか?
女性ホルモンの刺激で増殖すると考えられているホルモン受容体陽性の乳がんの場合、妊娠や生殖医療による女性ホルモンの影響が懸念されています。
(http://www.j-sfp.org/dl/pb130626)
上記にような記事も時々目にしたり、第一子を出産した産婦人科に子宮がん検診のついでに相談した時には「妊娠時のエストロゲンは非常に高くなり妊娠中に乳がんが見つかった人で出産前に亡くなった人を2人みている」治療をせずに妊娠することは勧めないと言われました。
私が甘く考えすぎなのかとすごく怖くなり、何が本当なのか分からなくなってしまいました。
今年36歳で5年のホルモン療法を終了した時には41歳です。
閉経や不妊、流産などのリスクも考えると出来ればすぐに妊娠出産したいと考えています。
しかし第二子を出産して、そのことが再発リスクを大きく影響し‥小さな子供を残して命を落とすことになるのだけはもちろん避けたいと思っています。
他の方と同じような質問をしてしまい申し訳ありません。
私の場合でも当てはまるのかお聞きしたくご回答よろしくお願いいたします。
浸潤性乳管癌(硬癌~乳頭線管癌)
8mm
他、付近に2つのシコリ(いずれにせよ切除する部分なので癌かどうかは調べないとのこと)
石灰化が診られる範囲を含め左乳房左下1/4切除予定
ホルモン受容体(ER陽性、PgR陽性)
HER2:2+(DISH陰性)
Ki67:30%(現在の病院での施設基準では30%が境界)術前なので明確な数字ではないとのこと。
MRI、CT、Ri検査でその範囲や臓器や骨に明らかな転移は見られませんでした。
因みに母方の祖母が80歳で乳がんになり全摘+リンパ郭清、その後肺に転移し亡くなっています。
今までの流れ
3/末 シコリを見つけたが、生理中であった為、胸の張りがなくなってから受診
4/(上旬) マンモグラフィー → 細胞診
4/(中旬) 細胞診結果Ⅴ → 針生検
4/(下旬) 針生検結果:浸潤性の癌、ホルモン受容体(+)→MRI、採
血、採尿
4/(下旬) HER2結果(-) →CT
5/(上旬) IR
5/(上旬) CT、IR結果:範囲などは変わらない、臓器や骨の転移なし
6/末 手術予定
①術後すぐに妊娠出産(授乳)を先行してからホルモン治療を始めてもよいのでしょうか?
(術後のKi値やリンパ転移などの結果によって、どんなケースが考えられますか?)
②放射線治療後、手術した側でない乳房で授乳することになった場合も授乳は再発リスクを下げてくれるのでしょうか?
(乳管を切ってしまうので母乳は作られるが出にくいかもしれないと聞きました。
出が良い方ではないので手術側での授乳できないかもしれません。)
③術後早いうちに再発する可能性が高いのであれば(?)その時期に治療を遅らせることは高リスクにはならないでしょうか?(再発リスクや、もし再発した場合の生存率を天秤にかけ妊娠に対する考え方も変わってくると思います。)
④もし妊娠を先行する場合は、体外受精などを行い早めの治療に向けて妊娠を進めていった方がよいのでしょうか?自然妊娠でのぞんだ場合どのくらいの期間で考えたらよろしいのでしょうか?
(術前に産婦人科や不妊治療などの相談をしておくべきか悩んでいます。卵子や受精卵の凍結まではまだ考えていません。)
⑤近い場所に他に2つの腫瘍があるそうなのですが、増殖・進行が早いような(悪性度の高い)癌なのでしょうか?
周囲にまとまった石灰化も診られ、離れた部分にも小さな石灰化の粒のようなものも診られますが再発に関係するのでしょうか?
⑥HER2は陰性と聞きましたが、2+でも陰性なのでしょうか?
⑦祖母は年齢的にも何かしらの癌になってもおかしくないのかと思っていて、遺伝性があるとは言えまさか自分がこんなに早く乳癌になるとは思いませんでした。
やはり遺伝的な要因は強いでしょうか?
⑧上の方でも書きましたが、もしセカンドオピニオンをお願いする場合のタイミングは術前の方がいいのか、詳しい病理が分かる術後の方がよいのでしょうか?あわせて費用や時間、予約が可能な日程なども教えていただけないでしょうか?
⑨現在、○○医療センターに通っていますが主治医の突き放すような対応に気持ちは落ち込むばかりです。
先生の豊富な経験ときめ細やかな対応に患者さんの声にを聞きとても安心を感じました。
私も転院し此方で手術からすべてお願いしたい気持ちです。
しかし、小さな子供と主人には仕事もありますので1人では決められません。
両親からも近くで治療した方がよいと言われ、自分も遠方で1人手術に挑むことにも心細く感じています。
その後の治療のことを考えると通える地元で手術を受けた方がよいのか、術後の治療は地元でいうことも可能なのかもしれませんが、手術した病院で一貫して診てもらう方が安心なのか‥悩んでいます。
これから5年、10年と付き合っていく病気なので、安心して前向きな気持ちで向き合っていきたいのです。
まだまだ知識もなく気持ちばかり焦ってしまい、文章がまとまらず長くなり申し訳ありません。
手術に診察にとご多忙のことと思いますが、ご返答どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
内容は理解しました。
日本における「乳癌の急増」それに伴う「閉経前乳癌の割合増加」が背景としてあり、「乳癌術後に妊娠出産を希望される方を診療する機会」が格段に増えています。
このQandAでも何度となく、ご相談を受けました。
○実際に私の患者さんにも複数いらっしゃいますが、無事に出産して子育てをされている様子をみると、「妊娠出産の選択は正しかった」と考えるようになります。
質問者も良く御承知のように
「妊娠出産授乳が再発のリスクを高めない」というエビデンスがあります。
それに、「授乳自体がリスク低減要因」であることは間違いがないのでトータルとして「妊娠期の一時的なエストロゲン過剰状態のリスクを出産授乳が打ち消す」という考え方でいいと思います。
♯ただし、「リスクは高めない」が「ホルモン療法をすることによる(本来プラスに働くべき)ポイントが加算されない」可能性はあります。
つまり、乳癌術後に「妊娠出産をした群」と「そうでない群」での比較では差がないけれど、
ホルモン療法感受性乳癌で「妊娠出産をした群」と「ホルモン療法をした群」で比較したものではないことは理解しておく必要があります。
○乳癌(特にルミナールタイプ)では(術後2年以内の早期再発は稀であり)術後5年以降に注意が必要です。
その意味からは「妊娠出産」後にきちんと「ホルモン療法」を行うことが重要です。
「もしセカンドオピニオンをお願いする場合のタイミングも身動きしやすい術前の方がいいのか、詳しい病理が分かる術後の方がよいのでしょうか?」
⇒術後の治療に関してであれば、「術後に病理の状況が解ってからの方がいい」とは思います。
「以前先生がご回答された内容で、妊娠出産授乳が再発のリスクを高めない、授乳後のホルモン治療でいいと言う回答も多くみられるのですが、私のようなホルモン受容体が強い癌であっても同じなのでしょうか?それは治療を完了後のことなのでしょうか?」
⇒冒頭でコメントした通りです。
「ホルモン感受性の有る癌で術後すぐに妊娠出産した群とホルモン療法を術後直ぐ行った群との直接比較ではない」ことに注意は必要です。
「浸潤性乳管癌(硬癌~乳頭線管癌) 8mm」
⇒8mmであれば「超低リスク」であり、「再発を懸念」する状況にはありません。
尚更、他のこと(妊娠出産)を優先してもいいとは思います。
「MRI、CT、Ri検査でその範囲や臓器や骨に明らかな転移は見られませんでした。」
⇒転移が無いのは当然です。
○質問者のような「明らかな早期乳癌」では全く不要な検査と言えます。
特に、「今後妊娠出産の可能性の有る年代の方に行うべき検査なのか」もう少し(担当医には)真剣に考えてもらいたいと切に思います。
「①術後すぐに妊娠出産(授乳)を先行してからホルモン治療を始めてもよいのでしょうか?」
⇒いいと思います。
ただし、「(術後のKi値やリンパ転移などの結果によって、どんなケースが考えられますか?)」とあるように、「結果的に化学療法が推奨される(場合によってはOncotypeDXして確認してもいいかもしれません)」場合には、「化学療法は先」の方がいいでしょう。その場合には「卵子凍結」⇒「化学療法」⇒「妊娠出産」⇒「ホルモン療法」となります。
「②放射線治療後、手術した側でない乳房で授乳することになった場合も授乳は再発リスクを下げてくれるのでしょうか?」
⇒その通りです。
あくまでも「授乳」は「プロラクチン分泌により、エストロゲン低下を起こす」ことでリスク低下となるのです。
どちらの乳房で授乳しても「効果は同様」となります。
「(乳管を切ってしまうので母乳は作られるが出にくいかもしれないと聞きました。」
⇒正確に言うと誤りです。
「術後の放射線照射」によって「授乳ができなくなる」のです。
「出が良い方ではないので手術側での授乳できないかもしれません。」
⇒術後照射するので、それは当然です。
「③術後早いうちに再発する可能性が高いのであれば(?)その時期に治療を遅らせることは高リスクにはならないでしょうか?」
⇒①と関連しますが…
化学療法の適応があれば、(化学療法は短期間なので)それを先行させるべきです。
ルミナールタイプで化学療法の適応が無い=低リスクと考えてください。
「④もし妊娠を先行する場合は、体外受精などを行い早めの治療に向けて妊娠を進めていった方がよいのでしょうか?自然妊娠でのぞんだ場合どのくらいの期間で考えたらよろしいのでしょうか?」
⇒半年程度は「自然妊娠でのぞんでもいい」とは思い舞うs。
「卵子や受精卵の凍結まではまだ考えていません。」
⇒(万が一)抗癌剤治療が必要となった場合には「考えるべき」です。
「⑤近い場所に他に2つの腫瘍があるそうなのですが、増殖・進行が早いような(悪性度の高い)癌なのでしょうか?」
⇒無関係です。
「周囲にまとまった石灰化も診られ、離れた部分にも小さな石灰化の粒のようなものも診られますが再発に関係するのでしょうか?」
⇒きちんと「切除範囲」とすれば無関係です。
「⑥HER2は陰性と聞きましたが、2+でも陰性なのでしょうか?」
⇒その通りです。
「⑦祖母は年齢的にも何かしらの癌になってもおかしくないのかと思っていて、遺伝性があるとは言えまさか自分がこんなに早く乳癌になるとは思いませんでした。やはり遺伝的な要因は強いでしょうか?」
⇒違うと思います。
30代の乳癌は急速に増えています(ホルモン環境の変化が要因でしょう)
10年前ならば「遺伝性も考えた」かもしれませんが、「ルミナールタイプ」なので違うと思います。
「⑧上の方でも書きましたが、もしセカンドオピニオンをお願いする場合のタイミングは術前の方がいいのか、詳しい病理が分かる術後の方がよいのでしょう?」
⇒術後の方がいいでしょう。
「あわせて費用や時間、予約が可能な日程なども教えていただけないでしょうか?」
⇒これは小平秘書へ聞いてみてください。
「乳腺外科秘書室問合せフォーム」からご相談ください。
こちらのリンクをクリックしてください。
質問者様から 【質問3】
先日はご返答ありがとうございました。
妊娠出産のことで頭がいっぱいでしたが、手術後の治療は先生にもご回答いただき希望をもって手術に挑もうと勇気が湧きました。
これからは、今目の前にある手術について(乳がんそのものについて)真剣に考えようと思います。
その手術についてですが、シリコンの寿命や感染リスクの説明を知り温存可能なら温存でと考えていました。
妊娠への不安から術後を待たずに、知人から勧められ国立がんセンターへセカンドオピニオンに行きました。
それは思っていた回答とは異なり「妊娠出産だって不可能ではないし、もっと手術の方法を考えたほうがいいよ」
と言われました。
それはシコリ1つで言えば8mm位かもしれないけど、それが3つで石灰化の範囲を考えれば温存はいかがなものか。
と首を傾げていました。
この診断は東京ではありえない、温存なら石灰化の部分や他のシコリについても調べて切除部分を最小限にする必要があると言われました。
もし本当に8mmのことであればラジオ波熱焼灼療法で切らなくても治せることもあるのだから‥と言われました。
現在かかっている病院の主治医は変えてもらい再受診すると、やはり2つと石灰化の部分を含めると左胸左下部分
(D領域)1/4以上を切除。
それは温存の中でも変形が強くでる位置でこれでも温存?という状態かもしれない‥
乳頭下で癌が見つかればその場で乳頭も切除することもあること。
そして石灰化の範囲が広く取り残して再手術になる可能性もあると言われました。
今は乳頭乳輪温存(全摘)、妊娠を希望しているのでとりあえず一次再建なしで勧められています。
もう診断から2ヶ月が過ぎ、ずっと温存でいいよねときていたので全摘という言葉に驚き動揺しました。
片胸ない状態でのその後の生活が不安ですぐに「はい」とは答えられませんでした。
迷っていると、とりあえず温存で手術してみてこれならやっぱり全摘(+再建)のほうがいいとなれば、また手術することもできるし一度温存でやってみるかい?とも言われました。
入院手術の日程が決まりとりあえずは温存ということでことが進んでしまいました。
次病院にいくのは入院の日です。
そこでの変更も可能だそうです。
今冷静に考えてみれば、これでも温存?という見た目で術後1ヶ月療養し放射線治療を1ヶ月そして更に1ヶ月あけて‥
と妊娠、時間と費用を考えれば不安を残してまで温存する意味はないのかと思ってきました。
再建についてシリコンへの不安、異物を体内へ入れるという恐怖もあります。
破裂や漏れ出す心配はそれほど神経質に心配しなくてもよいのでしょうか。
それなら自家組織を使った再建をすれば、
と言われましたが、希望通り妊娠出産が叶っても小さな子供の育児に身体に不自由が出るのではないかと心配です。
同時再建はしない。
今はなくなる胸を想像してはショックを感じていますが、命が優先です。
石灰化の範囲はD領域に集中していますが、小さく光る粒のように他の領域にもなくはない状態です。
田澤先生ならどうお考えになりますか。
前回「きちんと切除範囲とすれば‥」という意味はここにあるのでしょうか。
妊娠出産とホルモン療法を踏まえて再建のタイミングはどのように考えればよいのでしょうか。
もともとパニック障害を患っており、今も不安で今後のホルモン治療での
副作用によって加速するのではないかという不安もあります。
再建のことはその時に考えればよいのでしょうか。
その意思によって手術内容は変わりますか?
前回の回答いただいた文章のOncotypeDX とは何でしょうか。
最近左のシコリが大きくなってきている気がします。
鈍痛もあります。
リンパの辺りが健側に比べ腫れぼったい気がします。
この間にも進行、リンパへの転移してしまうのではと不安を感じてしまいます。
手術日は刻一刻と迫っているのに色々なことが頭のなかを駆け巡っていて考えがまとまらず乱文をお許しください。
ご回答どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「本当に8mmのことであればラジオ波熱焼灼療法で切らなくても治せることもある」
⇒標準治療ではありません。
とても、まともな医師が勧めるものとは思えません。
「破裂や漏れ出す心配はそれほど神経質に心配しなくてもよいのでしょうか。」
⇒滅多に起こる事ではありません。
「石灰化の範囲はD領域に集中していますが、小さく光る粒のように他の領域にもなくはない状態で」「田澤先生ならどうお考えになりますか。」
⇒実際の画像を見なければ解らないことです。
「妊娠出産とホルモン療法を踏まえて再建のタイミングはどのように考えればよいのでしょうか。」
⇒話を整理しなくてはなりません。
「妊娠出産」中には「ホルモン療法も再建も」できません。
逆にいうと「ホルモン療法と再建は同時進行」でも何ら問題ありません。
つまり「妊娠出産」⇒「再建+ホルモン療法」です。
「再建のことはその時に考えればよいのでしょうか。」
「その意思によって手術内容は変わりますか?」
⇒変わりません。
「前回の回答いただいた文章のOncotypeDX とは何でしょうか。」
⇒『今週のコラム30回目 実際はかなり多くのルミナールAがBと判定され無駄な化学療法をされている』を読んでもらえれば解ります。
質問者様から 【質問4】
田澤先生
いつも親切丁寧にご返答いただき、ありがとうございます。
悩んでいた術式は温存+放射線ではなく、取り残す可能性や、局所再発の不安もスッキリさせたいという思いで全摘にしました。
妊娠という希望をすてずに前向きに手術に臨むことができたのは田澤先生のお陰です。
左胸の全摘(乳頭乳輪温存術)を選びましたが結局、乳頭の裏側にも癌組織(?)が見つかり乳頭切除、センチネルリンパ節にも転移がありリンパ郭清となってしまいました。
術前と結果が変わらなけらば、すぐに妊娠と思っていたのですが、
思っていたより進行していたことがショックで
術後は転移、転移‥そればかり頭を駆け巡り
不安と恐怖でなくなったであろう胸も見れず病室で泣いて過ごしました。
退院して2週間経ち、病理の結果が出ました。
(HER2追加検査中)
非浸潤部2.4cm 浸潤癌 0.9cm
癌の顔つき(核異型度)3.悪
ER:5+2=7
PgR:3+1=4
HER2:2+→DNA検査中‥
ki67:35%
(閉経前)
センチネルリンパ節のみの転移であれば抗がん剤はなし、放射線もなし
と事前に話がありホッとしていたところ、HER2が2+ということで再び抗がん剤の恐怖が続いています。
もしHER2がーであった場合も、妊娠は諦め、待った無しで10年のホルモン治療をすぐに開始と言われました。
5年のホルモン治療なら41才だ
し奇跡はなくはない?と思っていましたが、10年では妊娠は絶望的です。
プロゲステロン受容体がやや弱発現だったこと、ki67が35%とやや高かったことから、抗がん剤を勧めるか主治医も悩んでいました。
効果としても2~3%ほどの上乗せで、辛い副作用で今の生活に支障をきたしてまでやる必要があるのか‥と。
明日にはHER2の結果が出ます。
そしたらその日に(HER2ーで抗がん剤もやらないと決めた場合)ホルモン治療の注射を開始すると言われました。
→リュープリン+タモキシフェン
病理の結果が出たらセカンドオピニオンに行く予定でしたが、猶予がなく慌てて田澤先生にメールしています。
やはりもう妊娠どころではないのでしょうか?
再発、転移、抗がん剤‥その恐怖を味わっていながら、やはり何処かで
女として、母として、妻として子供を産みたかったと思ってしまうのです。
それでも、今の生活を守ること。
それは最優先です。
主人と子供を残して死ぬ訳にはいきません。
入院中、主人と子供に淋しい想いをさせてしまい第二子を同じ想いで希望していた主人はもう子供のことより今の家族がいればそれでいい。
と言っています。
・HER2が+であった場合、どんな選択肢があるのでしょうか。
→抗がん剤は点滴で辛い副作用を伴うが期間は半年間、経口で副作用は
緩いが期間は2年間という抗がん剤の選択できると言われました。
日常の生活、子供の行事など考えると何れにせよ不安です‥
・HER2がーであった場合、どんな選択肢があるのでしょうか。
やはり妊娠は命を削ることになるのでしょうか。
手術での出血なので血液中の癌細胞が一番流れ出ている時期(術後すぐ)に治療を開始することに効果があると言われました。
治療を先延ばしにして、その間に他の臓器に転移、、妊娠を引き換えに
数年後‥など考えると怖くて仕方ありません。
そして再発、転移した場合どうなるのでしょう?
・ki67が35%ではルミナールAともBとも言えないそうです。
グレーゾーンということでしょうか。
顔つきも悪いそうで年齢的にも、5年先、10年先にも再発、転移のリスクは高いと言うことでしょうか。
10年後でも14歳‥子供の成長が見られないなんてこと想像するだけで不安で堪らないのです。
・以前仰られたオンコタイプDXを受けた方がよいのでしょうか。
自費負担で高額だと聞きましたが、実際どのくらいかかるのでしょうか。
そしてオンコタイプDX検査の適応者について
オンコタイプDX検査を受けられるのは、女性の浸潤性の乳がんで下記いずれかの方が対象となります。
1) リンパ節の転移がない場合
エストロゲンレセプターが陽性の方
2) リンパ節への転移がある場合
閉経後で、エストロゲンレセプターまたはプロゲステロンレセプターが
陽性の方
現時点ではまだ、リンパ節転移のある閉経前の方は対象外となっています。
調べたところ上記条件によると私の場合対象外なのでしょうか。
退院後反対側の胸にゴツゴツしたシコリを感じがあり、不安で病院できいたところマンモやMRI、CTなど検査もしているので問題ない。
と触診もせずに言われました。
今後反対側も乳がんになる可能性は高いのでしょうか。
再発、転移を防ぐために食事や運動など生活も見直したい。
自分でもできることはしていきたいと思っていますが、なにか助言頂けないでしょうか。
術後には直接お会いしたいと思っていたのですが、度々この場をお借りして申し訳ございません。
治療開始までに時間が許すのであれば一度田澤先生にお会いしたいと思っています。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「乳頭の裏側にも癌組織(?)が見つかり乳頭切除、センチネルリンパ節にも転移がありリンパ郭清となって」
⇒結局「追加郭清分には転移が無かった」のですね。
それであれば、「結局、乳頭乳輪を含めた乳房切除」となっているので(センチネルリンパ節転移くらいでは)「大した問題」ではありません。
pT1b(9mm)であり、あくまでも「再発低リスク」です。
「もしHER2がーであった場合も、妊娠は諦め、待った無しで10年のホルモン治療をすぐに開始と言われました」
⇒担当医は正気ですか?(言葉が悪くて申し訳ありません)
「センチネルリンパ節転移があった」だけで、そんなに騒ぐ必要はありません。
前回、回答した内容(抗癌剤ならば卵子凍結した上で、先行、そして妊娠出産、その後ホルモン療法)で何ら問題ありません。
「ki67が35%とやや高かったことから、抗がん剤を勧めるか主治医も悩んでいました。」
⇒OncotypeDXすべきだと思います。
「やはりもう妊娠どころではないのでしょうか?」
⇒何故???
私には「担当医が騒ぎ立てている」ことが奇妙に思います。
前回、回答した通りで何ら問題ありません。
ルミナールタイプで行うホルモン療法が「緊急性がある」とでも思っているのでしょうか?
そんなことよりも、「じっくりと長く」続ける事の方が100倍重要です。
「・HER2が+であった場合、どんな選択肢があるのでしょうか。」
⇒抗HER2療法です。
その場合には(当然)卵子凍結が必要となります。
「抗がん剤は点滴で辛い副作用を伴うが期間は半年間、経口で副作用は緩いが期間は2年間という抗がん剤の選択できると言われました。」
⇒経口(UFT)は標準療法ではありません。
「・HER2がーであった場合、どんな選択肢があるのでしょうか。」
⇒Ki67=35%であればOncotypeDXを勧めます。
「低リスク及び中間リスク」ならば 妊娠出産⇒ホルモン療法
「高リスク」ならば 卵子凍結⇒化学療法⇒妊娠出産⇒ホルモン療法
「やはり妊娠は命を削ることになるのでしょうか。」
⇒そんなことはありません(前回の回答をご参照ください)
「手術での出血なので血液中の癌細胞が一番流れ出ている時期(術後すぐ)に治療を開始することに効果があると言われました。」
⇒くだらない。聞くに堪えない内容です。
「・ki67が35%ではルミナールAともBとも言えないそうです。グレーゾーンということでしょうか。」
⇒通常は「グレーゾーンは30%まで」です。
Ki67での「ルミナールタイプの評価」では「ルミナールB」となってしまいます。
ただし、OncotypeDXで調べる方が「より正しい評価」と言えます。
「顔つきも悪いそうで年齢的にも、5年先、10年先にも再発、転移のリスクは高いと言うことでしょうか。」
⇒「顔つき」も「年齢」も無関係です。
「・以前仰られたオンコタイプDXを受けた方がよいのでしょうか。」
⇒勿論HER2のFISHが陰性だったときです。(HER2が陽性ならば、OncotypeDXの適応はありません)
「自費負担で高額だと聞きましたが、実際どのくらいかかるのでしょうか。」
⇒病院によって価格設定がことなります。(40から50万)
「現時点ではまだ、リンパ節転移のある閉経前の方は対象外となっています。」
⇒現在では「閉経前、リンパ節転移+」も対象となっています。
「調べたところ上記条件によると私の場合対象外なのでしょうか。」
⇒上記通り、対象です。
「今後反対側も乳がんになる可能性は高いのでしょうか。」
⇒乳癌既往の無い人に比べれば若干高いという程度です。
「再発、転移を防ぐために食事や運動など生活も見直したい。 自分でもできることはしていきたいと思っていますが、なにか助言頂けないでしょうか。」
⇒食事や運動は「健康的な暮らしを意識」すればいいです(余計な事は不要です)
それよりも「余計な心配からのストレスが最も良くない」ことは明白です。