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要精密検査

[管理番号:2695]
性別:女性
年齢:40歳
先日、3/(中旬)に健康診断のオプションで、マンモグラフィーを受けたところ、右の乳房の下側に石灰化が見つかりました。
私もマンモの画像を見たのですが、分枝状になっていました。
その場で、エコーもしていただいたのですが、その先生は、エコーでは何も見えないし、多分大丈夫とのことだったのですが、3/(下旬)にハガキが届いて、石灰化・カルシウムの沈着で、要精密検査とのことで4/(上旬)の日付指定でした。
精密検査の予約日まで決めて、届いてるということは、かなり癌の可能性が高いのでしょうか?
検査日まで、あと2週間くらいあるので、もし癌なら、その間に進行しないか、心配です。
次受けるのは、ガン予防センターなので、そこで診断が出れば、別の病院を紹介されるみたいなので、それなら、今週中にでも、自分で乳腺外科を受診したほうがいいのでしょうか?
まさか、自分が引っかかるとは思ってなくて、心配でたまりません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「分枝状の石灰化」ですか!
それは大変なことです。
もしも(本物の)「分枝状の石灰化」であれば、それは「画像だけで癌と診断できる」くらいの強い所見です。
ただし、鑑別には「乳管拡張症に伴う石灰化(これは癌ではありません)」があります。
これも一見「分枝状」に見えます。
「分枝状」「エコーでは何も見えないし、多分大丈夫」
⇒とんでもない「藪医者」です。
 石灰化は、基本的に「エコーで見えない所見」と考えてください。
 エコーで見えることもありますが、「エコーで見えないから大丈夫」というのは、「とんでもない誤り」です。
 あと、それと良く似た「ありがちな誤り」として「MRIで見えないから大丈夫」という(大学病院の医師にありがちな)「もっと、とんでもない誤り」があります。
 これらの医師には要注意です。
 
「精密検査の予約日まで決めて、届いてる」「ということは、かなり癌の可能性が高いのでしょうか?」
⇒これは「検診システムの問題」なので、「そうとも限りません」が、確かに「そのように感じさせます」
 
 ○もしも本物の「分枝状石灰化」であれば、当然「確実に受診」となります。
 
「検査日まで、あと2週間くらいあるので、もし癌なら、その間に進行しないか、心配」
⇒「石灰化」は(もしも本物の分枝状石灰化であったとしても)「早期」です。
 「短期間での進行」など、心配するのは無用です。
 
「それなら、今週中にでも、自分で乳腺外科を受診したほうがいいのでしょうか?」
⇒それがいいと思います。
 ただし、大事な事がひとつあります。
 「ステレオガイド下マンモトーム生検ができる施設」であることを、(何らかの形で)確認して受診すべきです。
 乳腺専門医ならば、「皆が石灰化の診断ができる」という訳では無いのです(とても、残念なことに)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は、返信ありがとうございました。
早速、マンモトーム生検ができる病院を予約しようと電話したのですが、元々精密検査を受ける病院(○○がん○○○予防センター)の方が、
近い日にちだったので、1日でも早く診断してほしいと思い、4/(上旬)に○○センターを受診してきました。
精密検査ですが、前回と別方向のマンモグラフィーとエコー、触診でした。
今回撮ったマンモグラフィーの画像を見せてもらったのですが、分枝状ではなく、集簇性の石灰化でした。
年配の女医さん(部長さんらしいのですが)が、説明してくれて、助手のような若い女医さんがエコーをしてくれました。
石灰化は、左にもポツポツとあるような気がするから、年齢的なものかもしれないし、エコーも触診でもしこりとかは見られないし、たぶん大丈夫だと思うとのことでした。
でも、心配で、マンモトーム生検もあるって調べたことを話すと、その必要はないと言われ、でも経過観察で、半年後には必ず受診してね。
と言われ、定期的に自己検査は必ずして、
少しでも変化があったら、すぐに受診してね。
と言われました。
半年後まで、経過観察で大丈夫なんですか?と聞くと、半年経って悪性でも、
今、悪性でも、取る範囲は変わらないから。
とサラッと言われました。
すごくよくしゃべる方で、あまり、質問もできずで、とりあえず、悪性と言われたわけではなく、少し安心したのですが、1、2日たってくると、半年経って、悪性と診断されても、本当に大丈夫なのか心配になってきて、再度、田澤先生にご質問させていただきました。
それから、とりあえず、別のマンモトーム生検ができる病院を予約してるのですが、マンモトーム生検してほしいとお願いすれば、必ずしてくれるものなのでしょうか?受診したものの、してもらえなかったら、また別の病院を探さなければいけないのかと思い、心配が延びるばかりです。
早く、白・黒つけて、安心(悪性であれば治療)したいのですが。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「今回撮ったマンモグラフィーの画像を見せてもらったのですが、分枝状ではなく、集簇性の石灰化でした。」
⇒検診のマンモグラフィーと、今回のマンモグラフィーのどちらかの所見が誤りとなります。
 ただ、「集簇性石灰化」も「癌の可能性がある所見」であることにも留意が必要です。
 
「エコーも触診でもしこりとかは見られないし、たぶん大丈夫だと思う」
⇒「石灰化所見だけで見つかる可能性」があるとして、それを「エコーで見えるまで、または触知できるまで」大きくしないと診断ができないのであれば、それは「もはや検診の意味がない」となります。
 
「その必要はない、でも経過観察で、半年後には必ず受診」
⇒「癌の可能性もある」けど、「ステレオガイド下マンモトームは不要」という、言いぶんですね。
  それ自体に「矛盾」をはらんでいます。
 
「半年経って悪性でも、今、悪性でも、取る範囲は変わらないから。とサラッと言われました。」
⇒この考え方で、いいのか?
 何のための「早期発見なのか?」
 その医師には「考えてもらいたい」と思います。
 その医師は女性のようですが、『もしも、自分自身に同様の所見があっても悠々と半年待つのですか?』と聞いてみたいと思います。(実際にお会いしたら、私なら聞きます)
 
「マンモトーム生検してほしいとお願いすれば、必ずしてくれるものなのでしょうか?」
⇒残念ながら、「早期発見に対する情熱には医師による違い」が存在します。
 それは「石灰化だけに限らず、エコーでの小さなしこりも同様」なのですが…
 
「早く、白・黒つけて、安心(悪性であれば治療)したいのですが。」
⇒どうしても地元で見つからなかったら当院を受診してください。
 実はその様な方が「かなり遠方から」相当いらっしゃいます。
 問題は私自身がステレオガイド下マンモトーム生検を行っているので、「火曜日の3件」しか枠がとれないという事情です。
 そのため、「かなりの待ちが発生」しています。
 ○基本的に「石灰化のみの所見」は(質問者もそうですが)「半年後経過観察と言われているケースが殆ど」なので、『(順番待ちにはなりますが)半年経過観察よりは、早く白黒つけられる』ことは間違いありません。