Site Overlay

今週のコラム 14回目 「天は自ら助くる者を助く」

 

こんにちは。田澤です。

 

所用があり、昨日仙台に久しぶりに行きました。

街中には殆ど雪は有りませんでしたが、歩道には少し雪は残り、そしてやはり気温差を感じました。

街ゆく人たちの来ている服装にも違いがありますね。

 

そして残念なことがひとつ。

仙台に住んでいたころ、贔屓にしていた駅前のコーヒーショップ(ホ○ヤマ)へ寄ったのですが、いつも頼んでいた「アイリッシュコーヒーの砂糖抜き(アルコール好きみたいで恐縮ですが…)」の味が薄い!

 

がっかりでした。

コスト削減なのか? たまたま新人が作ったのか?(店員も随分入れ替わっていました)

「おかわり」の際には「濃いめにお願いします」としたら「元の味」でした。(一安心)

僅か2年でも「変化の嵐」は日常に潜んでいます。

 

「永遠に続くものはない」そんな(ちょっとだけ)残念な出来事でした。

 

 

それでは本題です。

前回の続き。

 

「自らの診療経過を公表」することで「他にADHと診断されたままとなっている多くの人達」に正しい診療を知ってもらいたい。

そのような貴重な申し出がありましたので、ありがたく掲載させてもらいます。

 

<経過>

某大学病院にて

1年前に無かった「6mmの超音波所見」

そこで(バネ式)針生検で「ADH」

そこで担当医師に「病変はADHだが、将来DCIS(非浸潤癌)となる可能性」との説明をされています。

 

○ここに「大きな問題点」があります。

その病理レポートにも『少量のため確定には至らずADHとします』と記載があるのです。

つまり、(前回の「今週のコラム」でもコメントしたように)ADHは「将来、癌になる」という理解は誤りであり、(病変採取が不十分で少量であるがために)癌の診断となっていないだけで「今、現在癌である可能性が高い」と考えるべきなのです。

 

この時点で「その某大学病院の担当医」は「ADHが(病変採取が不十分であるだけで、今現在DCIS(非浸潤癌)である)という理解をしていないのです。

「ADH=前癌病変」ではありません。

本来は(自らが行った)「バネ式針生検の精度を疑うべき」だったのです。

 

そこで質問者は私にQandAをして「確定診断として切開生検ではなく」マンモトーム生検を希望し、江戸川病院を受診しました。

 

私が診察したところ、きちんと狙える「6mmの病変」があり、その日にマンモトーム生検施行、「非浸潤癌」の結果となりました。

 

そして後日「乳房温存+センチネルリンパ節生検」を当院で施行。

 

手術標本でも「非浸潤癌」(センチネルリンパ節生検陰性、断端陰性)であり、術後照射のみで治療は終了しています。(遠方在住の方ですが)定期的な診療(まずは6ヵ月に1回)は当院で継続予定です。

 

「天は自ら助くる者を助く」

皆さんの参考になれば幸いです。

診療経過の公開に同意していただいた患者さんには改めてお礼を言わせてもらいます。

 

「ADH」もそうですが「flat epithelial atypia」など「病変が意味するところ」をきちんと理解しなくても「専門医になれてしまう」(専門医)制度には注意が必要なのです。

「乳腺専門医」だからと言っても、「お任せ」とせず、「自らの疑問点を解消して、納得のいく診療を求める」事こそが自らを助けるのです。

 

♯参考に

何故、私が「これらの(微妙な)病変に強いのか?」

それは簡単なことです。

私が「ステレオガイド下マンモトーム生検を豊富に経験」しているからです。

「ステレオガイド下マンモトーム生検」をやってみると実感するのですが、病理結果で「これらの結果がレポートされる」機会が本当に多いのです。

「経験こそ全て」なのです。