Site Overlay

術後病理結果

[管理番号:2023]
性別:女性
年齢:35歳
先日手術が終わりまして病理結果が出ました。
先生のご意見もお聞きしたくお願いいたします。
病理結果→浸潤性乳菅癌。
しこり9mm ホルモンどちらも陽性95% HER2陰性グレード1 術前ステージⅠ→術中センチネル生検でリンパ転移0/3でしたが、術後に1/3(微小転移0.8mm大)のためステージⅡに変更 浸潤径は15mmです。
リンパ菅と脈菅侵襲も低~中度ありでした。
微小転移ありですがタモキシフェン5年以上とリュープリン2年の治療でいきましょうとの事でした。
微小転移があった事が今後ホルモン治療だけで大丈夫か。
リュープリンについても副作用など不安です。
リンパ菅などの侵襲も医師からあまり気にしないで大丈夫との事でしたが、先生も同じでしょうか?
宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(15mm), pN1mi, pStageⅡA, luminalA(グレード1から推定)

回答

「微小転移があった事が今後ホルモン治療だけで大丈夫か。リュープリンについても副作用など不安です。」
⇒化学療法の適応はありません。
 (おそらく)ルミナールAなので「抗がん剤の追加の基準はリンパ節転移4個以上(St.Gallen 2015)」と思います。
 質問者は、「微小転移」なので、全く必要ありません。
 ホルモン療法としてはタモキシフェンに加えてLH-RHagonistの併用が「35歳未満」には有効であることが解っているので「質問者は35歳未満ではない」ですが、これはやるべきでしょう。
 副作用は、心配しなくても大丈夫だと思います。
「リンパ菅などの侵襲も医師からあまり気にしないで大丈夫との事でしたが、先生も同じでしょうか?」
⇒私も同意見です。
 「脈管侵襲」は「予後因子としては確立されていない」のです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

再び質問させてください。
前回の結果に追加でki67 5% 術前のしこりの大きさは9mmで温存も充分可能との事でしたが、私の希望で全摘しています。
①しこりは9mmと言われていましたが、浸潤径というのが15mmにも広がっていた事が気になります。
あと全摘側に再発する可能性はどのくらいでしょうか?
②再発と転移について。
リンパに微小でも転移があったので、長い年月が経過してから再発や転移が見つかるということが不安です。
現在35歳で10年ホルモン治療しても45歳なので、その後無治療になるのも不安です。
私の場合の再発や転移率はどのくらいなんでしょうか?再発転移した場合は
化学療法が中心になるのでしょうか?宜しくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「①しこりは9mmと言われていましたが、浸潤径というのが15mmにも広がっていた事が気になります。」
⇒「画像所見」よりも浸潤径(顕微鏡レベルでの拡がり」が大きいのは普通に有る事です。
 顕微鏡でしか見えない「癌の拡がり」を「画像で捉えられる」わけではないのです。
 それを[見越して」温存術の際には「マージンを2cm付ける」のです。
 
「あと全摘側に再発する可能性はどのくらいでしょうか?」
⇒これは局所再発のことですね?
 「全摘後の局所再発はほぼゼロ」です。
 
「私の場合の再発や転移率はどのくらいなんでしょうか?」
⇒ホルモン療法をやると遠隔転移再発率は「15%」となります。
 
「再発転移した場合は化学療法が中心になるのでしょうか?宜しくお願いします。」
⇒「局所再発」と「遠隔転移再発」に分けます。
 「局所再発」の場合には「局所療法(手術±放射線)」が中心となり、「遠隔転移再発」の場合には「化学療法」が中心となります。(最初はホルモン療法を替えることもあります)
 
 

 

質問者様から 【質問3】

*「再質問管理番号」に<2013>と記入されていましたが、
内容から、管理場号<2023>としています。 :ホームページ管理者
 
以前質問させていただいたものです。
田澤先生からの解答で化学療法は必要ないとの事でしたが、私のようにki67が5% グレード1でも化学療法をされている方を見かけます。
私は幸い早期で発見でき手術をしましたが、①脈管侵襲やリンパ管への侵襲があり、更に術後に微小転移があったので少ない%の上乗せでも化学療法を取り入れるほうが良いのでしょうか?微小転移についてもたまたまとった3個中1個にありましたが、例えば他にまだリンパをとったとしたら転移が見つかるのではないかと不安になってしまいます。
早期でグレード1でもリンパ転移だったり脈管やリンパ管に流れてしまうのはよくあるのでしょうか?
②今後の治療について。
転移再発がやはり怖いです。
どのくらいのペースで採血やエコー、CTをしたら安心できるのでしょうか?
③リュープリンをしてどうしても辛くて生活に支障が出てきた場合、中止するか休薬するか?2年する予定ですが、タモキシフェンのように期間をやればやるだけ効果があるのでしょうか?中止した場合は再発転移率は上がってしまいますか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
pT1c, pN1mi, luminalA(Ki67=5%)でしたね。
■回答
「①脈管侵襲やリンパ管への侵襲があり、更に術後に微小転移があったので少ない%
の上乗せでも化学療法を取り入れるほうが良いのでしょうか?」

⇒私の方針では「化学療法は勧めません」
 ホルモン療法のみとします。
「微小転移についてもたまたまとった3個中1個にありましたが、例えば他にまだリン
パをとったとしたら転移が見つかるのではないかと不安になってしまいます。」

⇒そう言う事を心配しなくていいように、臨床試験でエビデンスが出ているのです。
 何もかもを疑ってしまえば、何もできません。
「早期でグレード1でもリンパ転移だったり脈管やリンパ管に流れてしまうのはよく
あるのでしょうか?」

⇒「良くある」とはいいませんが、珍しい訳ではありません。
「転移再発がやはり怖いです。どのくらいのペースで採血やエコー、CTをしたら安心
できるのでしょうか?」

⇒採血やエコーは3カ月に1回(タモキシフェンの処方やLH-RHanalog投与の感覚にあ
わせて)
 マンモは1年に1回
 他にはCTも骨シンチも必要ありません。(無駄な被爆です。)是非 「今週のコラム 6回目 無駄どころか有害なのです」を参照してください。
 
「③リュープリンをしてどうしても辛くて生活に支障が出てきた場合、中止するか休薬するか?」
⇒勿論、そうなります。
 術後補助療法は「生活の質を保ちながら行う」ことが前提なのです。
 
「2年する予定ですが、タモキシフェンのように期間をやればやるだけ効果があるのでしょうか?」
⇒LH-RHagonistの「指摘投与期間」は不明です。
 St.Gallen 2015では「5年を選択」するvotingが最多でした。
「中止した場合は再発転移率は上がってしまいますか?」
⇒もともとタモキシフェンが重要なので、「それ程の影響」はないとは思います。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生に質問です。
よろしくお願いします術後4ヵ月が経過し、内服でのホルモン治療を術後同時に開始。
リュープリン一ヶ月製剤も2クール終え、現在三ヶ月製剤をうち、月経はとまっている状態です。
①ホルモン治療を開始してから三ヶ月くらいした頃から腰痛が酷くなり、曲げ伸ばしすると腰まわりが固まっているような感じというのでしょうか?
加えて痛みもとれずゆっくり座ったり立ち上がったりの状態です。
そしてリュープリンを前回お腹にうちましたが、
偶然なのか打った側の足の付け根が痛く歩行はできますが痛みを感じていて、
強く押してみたらしこり?のようなものがいくつか指で触れます。
これはリンパでしょうか?
それとも悪いものなんでしょうか。
これら酷い腰痛や足の付け根付近の痛みがホルモン治療によるものなのか、婦人科的に卵巣や子宮の異常からくるものなのか、何科を受診したらいいのかわかりません。
②腰痛など痛みが酷いので臓器や骨に転移しているのではないか。
ちなみに年明けに卵巣子宮ともにみてもらい異常はありませんでしたが、卵巣など婦人科系は半年前は何もなくても半年後に異常がおこってるということもあると言われ、もしかして腰痛の原因もそういった初期症状なのではと考えてしまいます。
③以前に病理結果にて微小転移があったことを書きましたが、
グレード1でルミナールA ki67 5% 早期乳ガンであったが
大人しいタイプでも微小転移していたということは、
何度も血液と一緒に流れてリンパにたどりついたということですよね?
私の場合の再発率は15%くらいと聞きましたが、遠隔転移も同率なんでしょうか?
リンパ菅侵襲中度、脈菅低度とかかれていましたがこれらからわかることはなんですか?
血液と一緒に何度も流れたと思うと
テレビで見た悪性リンパ腫などと
今後関係してくるのではないかとますます不安に思ってしまいます。
④術後に今までの体重より三キロほど減り、現在そこからさらに1キロ弱減ったり増えたりです。
ホルモン治療を始める際、主治医から体重増加に気を付けてと言われました が私の場合、なかなか増えずむしろ減ったりしてることが気になります。
ご回答よろしくお願いします
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
質問者は「想像しすぎ」です。
ホルモン療法の副作用が強くて「不安」なのは理解できますが、「想像をしすぎ」です。
もしも不安をあおるような「ネットなどの情報」がその原因だとしたら、悲しいことです。
「これはリンパでしょうか?それとも悪いものなんでしょうか。」
⇒そんなところ(鼠蹊部リンパ節)には転移しないからご安心を。
 
「これら酷い腰痛や足の付け根付近の痛みがホルモン治療によるものなのか」
⇒これは「明らかにLH-RHagonistの副作用」です。
 
「婦人科的に卵巣や子宮の異常からくるもの なのか」
⇒違います。
 
「腰痛など痛みが酷いので臓器や骨に転移しているのではないか。」
⇒ 冷静になりましょう。
 
 明らかに「ホルモン療法開始してからの症状」ですよね?
 LH-RHagonistでよく起こる症状なのですから…
 
「婦人科系は半年前は何もなくても
半年後に異常がおこってるということもあると言われ、
もしかして腰痛の原因もそういった初期症状なのでは」
⇒冷静になりましょう。
 LH-RHagonistの副作用です。
 
「何度も血液と一緒に流れてリンパにたどりついたということですよね?」
⇒違います。
 想像しすぎです。
 リンパ行性転移は「血行性転移」とは無関係です。
 
「私の場合の再発率は15%くらいと聞きましたが、遠隔転移も同率なんでしょうか?」
⇒質問者は「大きな勘違い」をしています
 前回回答した「再発率」とは「遠隔転移再発」のことです。
 ○局所再発は「全摘なので、ほぼゼロ」と前回回答したはずですが…
 
「リンパ菅侵襲中度、脈菅低度とかかれていましたがこれらからわかることはなんですか?」
⇒大した意味はありません。
 病理所見として「病理医が病理プレパラートを見ての感想」というだけの話です。
 
「血液と一緒に何度も 流れたと思う」
⇒想像のしすぎです。
 冷静になりましょう。
 
「テレビで見た悪性リンパ腫などと今後関係してくるのではないか」
⇒全く無関係です。
 明らかに「無用で有害な」心配をしています。