[管理番号:6639]
性別:女性
年齢:49歳
田澤先生、こんにちは。
乳がんと診断されてより、田澤先生の物事はシンプルにやるべきことを粛々とのお考えに勇気をいただき、検査、手術の不安な時期を支えていただきました。
ありがとうございます。
この度、主治医より術後の病理検査の説明を受け、術後の化学療法について先生のご意見をお聞かせいただきたくご質問させていただきました。
10年ほど前、右乳頭より血性分泌物があり乳腺科受診。
乳管内乳頭腫がいくつかあるとの診断で定期的に受診しておりました。
2011年、2016年にその中の大きくなった乳頭腫の部分切除をしております。
2018年4月受診マンモグラフィーで石灰化を確認。
(半年前にも石灰化らしきものはあるが、半年後にと言われました。)エコー上は石灰化の部分ははっきりせず、以前よりある複数の乳頭腫の一つが9mmと大きくなっていました。
主治医は乳頭腫は以前からあるものが大きくなっただけなので、石灰化を先に検査した方が良いと言われ5月中旬MRIを受けました。
MRIではエコーで9mmの乳頭腫が16mmで悪性のような反応を示すが、私の既往
から見て乳頭腫であろうとの放射線科の診断でした。
5月末にマンモトーム生検の予約を
し、帰宅しましたが、乳頭腫が思ったより大きかったことに不安になり(エコーとMRIを単純に比較はできないと思いますが)受診翌日、主治医に連絡し不安を訴えましたが、
あくまでも石灰化の方を優先でとの事でした。
主治医はよく話を聞いてくれましたが、不安はありました。
マンモトーム生検を待つまでの2週間ほどでしこりはどんどん大きくなるように感じ、検査日に主治医に伝え翌日受診時にエコーをしていただくと23mmになっていたため、生検をしました。
(9mmと診断されてから1か月ほどです。)
結果は石灰化の方は非浸潤がん、23mmの方は浸潤がんとの事でした。
タイプはトリプルネガティブ、グレード2、Ki67 75%でした。
主治医は化学療法先行もと言われましたが、私は祖母が両側乳がんでしたので全摘希望で、田澤先生の手術先行のお考えに納得しておりましたので、その時点で一番早く手術できる日にしてほしいと希望しました。
PET-CTで遠隔転移はなし。
腋窩リンパが光るところがありました。
2018年6月手術(右乳房全摘、リンパ郭清なし)病理結果が出ました。
髄様癌
浸潤径19mm センチネルリンパ生検0/7
核グレード3、組織学グレード3
ki67 74%
脂肪浸潤+、リンパ管侵襲-、血管侵襲-、切除断端-
ER1%未満、PgR 0、HER2 - トリプルネガティブ
髄様癌はトリプルネガティブの中でも予後の良いがんと言われているが、術後の化学療法が必要との説明を受けました。
質問です。
①19mmでステージ1ではあるが、ステージ2に近いため化学療法の期間をどのように考えたら良いでしょう。
腫瘍内科の医師と後日面談予定ですが、乳腺科の主治医からはEC×4回もしくはddAC×4
回は必須。
その後wPTX×12回もしくは3wPTXを追加するかどうかと言われています。
主治医はwPTXを追加すると過剰かもしれないが、グレード3やki67の値、トリプルネガティブであることを考えるとしても良いのではと言われました。
私は少しでも上乗せがあるのであれば、がんばりたいと思いますが、髄様癌がめずらしくデータが少ないので判断が難しいと言われ、迷ってしまいました。
先生ならどう考えられますか?
②PET-CTでリンパに光るところがあり、主治医も十分確認して7個のリンパ節をとったがマイナスであった。
光ったものが取れたかはわからないが、大丈夫と思うとの事でしたが、安心して良いでしょうか?
③祖母が両側乳がんで遺伝性の可能性もゼロではないかと思っています。
検査は早くした方が良いでしょうか?主治医は私の良い時でと言われています。
④左乳房にも乳頭腫がいくつか見られます。
今後も検診が必要と思われますが、大きくなったら部分切除という方法しかありませんか?良性腫瘍でも全摘は可能でしょうか?
お忙しいところ、申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「①19mmでステージ1ではあるが、ステージ2に近いため化学療法の期間をどのように考えたら良いでしょう。」
「先生ならどう考えられますか?」
→ステージは無関係
TNだから「アンスラサイクリン+タキサン」が標準です。
「PET-CTでリンパに光るところがあり、主治医も十分確認して7個のリンパ節をとったがマイナスであった。」「安心して良いでしょうか?」
→これは主治医を信用するしかない(私がコメントすべきことではない)ですが…
ただ、「光ったものが取れたかはわからない」というコメントをするようでは、(質問者が)心配になるのも無理からぬところだとは思います。
「③祖母が両側乳がんで遺伝性の可能性もゼロではないかと思っています。」
「検査は早くした方が良いでしょうか?」
→冷静に考えましょう。
現時点で遺伝性乳がんとわかったとしても(オラパリブの)「術後補助療法としての適応は無し」です。(急いで検査する理由がありません)
☆唯一、「OlympiA」に参加希望ならば、エントリーしてもいいでしょう。
(ただし、アンスラサイクリンとタキサンが終了していなくてはエントリーできません)
「良性腫瘍でも全摘は可能でしょうか?」
→患者さんが希望する場合には問題ありません。