[管理番号:6707]
性別:女性
年齢:42歳
初めまして。
20歳の時、右胸に1cmほどのシコリ発見。
乳腺外来にて良性のものなので経過観察で良いと言われ、放置。
36歳頃、シコリが3、4cmほどの大きさになり、乳腺外来受診。
エコーを見る限り悪いものではなさそうと言われ、針生検をしましたが、忙しかったのと、良性だろうと思い込み結果を聞きにいきませんでした(反省しております)
38歳で妊娠、39歳で出産。
この頃からシコリが大きくなってきている気がしていましたが41歳まで授乳しており、胸も大きく張っていたのでそごで気にしておりませんでした。
2018年2月、41歳で人間ドックにてシコリを指摘され(4cmほど)、同5月にエコー、マンモ、コア針検診をし結果は6cmの葉状腫瘍、良性~境界悪性の間とのことでした。
乳腺外来の先生いわく、20年前からあるシコリなので悪いものではないと思うが、大きいため境界型の可能性もあるとのこと。
全摘でなく腫瘍のみ摘出で良いと言われました。
そこから外科の先生へバトンタッチとなり、外科の若い研修医が担当医となりました。
マージンをしっかりとって摘出して欲しい、と伝えても、マージン云々ではなく腫瘍を綺麗にくり抜く感じで云々…あまりわかっていなそうな印象でした。
手術は私の仕事の関係で同7月末に予約しました。
ところが腫瘍がどんどん大きくなっている気がして、すぐに受診しましたが、担当医は「多少大きくなっても問題ないから」とあしらわれ診察は30秒ほとで終了。
同7月(上旬)日、術前検査に行った時も「シコリが大きくなってきている」と訴えましたがエコーをみても今7cmくらい、前回より1cmくらいしか大きくなってないから大丈夫。
手術を待ってればいい、と言われました。
(私には10cmはあるように感じでいました)
全摘でなくて大丈夫かと聞いても、腫瘍の摘出のみで大丈夫と。
7月(下旬)日、手術のため入院すると、担当医がやってきて
「カンファレンスで皮下乳腺全摘したらどうかという話になりました、後で再建しやすいように乳頭は残します。どうされますか?」と、いきなり手術前日に言われました。
おそらく乳腺専門医のベテラン医師がカンファレンスでそう意見したのだと思います。
(手術は担当医とその乳腺専門医がおこないました)
皮膚や乳首が残るデメリットなども考える余裕もなく、皮下乳腺全摘で
お願いすることにしました。
7月(下旬)日、皮下乳腺全摘(皮膚、乳頭温存)し、病理結果は10cm×8cmの悪性葉状腫瘍でした。
悪性となると、皮膚や乳首も取った方がよかったのではないか不安です。
若い担当医は、乳腺と乳首は全く違うものだから大丈夫、綺麗に取れました、と言います。
ちなみにシコリは右の乳房ほとんどを占めており、乳首の真下もカチカチでした。
追加で皮膚や乳首を取ってもらった方がよいでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず最初に、葉状腫瘍(悪性葉状腫瘍も含む)に厳密なガイドラインは存在しません。
その意味で葉状腫瘍を(たとえ悪性葉状腫瘍であっても)「癌ではないから、(癌のように)乳頭まで切除してしまうのは…」みたいな認識を持った医師がいたとしても、医師個人の裁量の範囲内と言えるでしょう。
ただし、私からみれば悪性葉状腫瘍は(抗がん剤も放射線も無効であるので)『癌以上に、局所療法(手術)が重要』となります。
「10cm×8cmの悪性葉状腫瘍」
「悪性となると、皮膚や乳首も取った方がよかったのではないか不安」
→その大きさの悪性葉状腫瘍であれば、当然それ(乳頭乳輪を含めた乳房全摘)は考慮されるべきです。
「追加で皮膚や乳首を取ってもらった方がよいでしょうか。」
→最大限のリスク回避をどう考えるか?です。
当然それは検討されるべきことであり、「患者さん側からの希望」であれば(医師は)「それを躊躇すべきではない(万が一、それが故に再発した場合、多大な不利益を被るのは、患者さん自身なのです)」ことは間違いありません。