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葉状腫瘍

[管理番号:6007]
性別:女性
年齢:39歳
田澤先生 宜しくお願い致します。
針生検で良性の線維腺腫4cmのしこりの摘出手術を受けました。
葉状腫瘍について過去記事を拝見しておりましたので、マージン2cm以上を希望しましたが叶わず、マージン1cmとなりました。
病理結果は、良性の葉状腫瘍でした。
断端陽性となります。
その為厳重な経過観察を望むという結果になりました。
取り残しがあったということだと思いますが、
再発を待つよりも、直ちに追加手術が必要だと思いますが、如何でしょうか。
大変お手数をおかけしますが、ご回答頂けますと幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「取り残しがあったということだと思います」
⇒断端陽性とは、そういう意味にもとれます。
 執刀医に確認してみましょう。(病理医は摘出標本でしか判断できないので、「実は、そちら方向にはもう乳腺自体がない」などの事情があるのかもしれません)
「再発を待つよりも、直ちに追加手術が必要だと思いますが、如何でしょうか。」
⇒それが安全には思いますが…
 「良性」ならば「必須ではない」とも言えます。(ご本人の考え方次第です)
 
 

 

質問者様から 【質問2 葉状腫瘍】

性別:女性
年齢:39歳
管理番号:6007
田澤先生 ご回答ありがとうございました。
病理結果後は、初回手術の選択の後悔に苛まれていました。
ご回答頂けることで大変救われます。
ありがとうございます。
お忙しいところ大変恐縮ですが、再度質問致します。
病理結果は、境界明瞭な結節性腫瘤成分含む、主として浮腫性線維成分と狭小化した乳管組織の増生から成っている 部分的には軽度の核異型示す細胞がやや高密度にみられる 部分ありそれらの部位では核分裂像が目立ちます とあります
主治医には、希望があれば再手術すると言われました。
その為確認はしていませんが病理検体の向こう側にまだ乳腺は残っていると思いましたが再確認した方が宜しいでしょうか。
主治医の説明では、摘出腫瘍は良性であり断端陽性でも再発しない可能性もあるので、今回再手術は不要である、しかし再発の恐れがあるので丁寧な経過観察として2年間は3ヶ月おきの定期検診が必要、とのことでした。
乳癌学会ガイドラインには摘出腫瘍は断端陰性にする旨記載ありますし、田澤先生のQ&Aには再発時はグレードが上がる可能性があると拝見しましたので、今回再手術が必要ではないかと思いました。
田澤先生の記事を拝見していましたので
初回手術前に傷跡残ってもいいので局所完全切除を希望しましたが、腫瘍直上の切開ではなく傍乳輪切除で十分だとされました。
マージン2cmを強く希望しましたがそんなに大きくは不要だと一蹴され叶いませんでした。
腫瘍摘出と同時に念の為リンパ節摘出の提案があったり(断りました)、
針生検結果前に念の為ということでCT撮影(拒否してきましたが手術前は必須と言われ仕方なく造影剤CT受けました)があることに今後に不安があります。
過去QandAで再手術は基本的に最初の執刀医がすべきとありますが、もし私が再手術するなら上記不安により、田澤先生にお願いしたいです。
初回手術に田澤先生を希望していましたが、しこりの急速増大で焦り、遠方の為諦めたことを大変後悔しています。
後悔に苛まれています。
質問1
田澤先生が再手術は必ずしも必要ないとお考えになる理由を教えて頂けませんでしょうか。
断端陽性は再発の可能性が高いのではないかと思いました。
質問2
再手術をしない場合、3ヶ月おきの定期検診でよいと思われますか。
その際はエコーのみで宜しいのでしょうか。
質問3
初回手術から1ヶ月経過しましたが、再手術するならいつまでにするのがよろしいでしょうか。
質問4
田澤先生に再手術をお願いできますか。
お忙しいところ大変申し訳ございませんが、ご回答頂けますと幸いです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「マージン2cmを強く希望しましたがそんなに大きくは不要だと一蹴」
「腫瘍摘出と同時に念の為リンパ節摘出の提案があった」「針生検結果前に念の為ということでCT撮影」

⇒??
 大前提として(乳癌の確定診断なしに)「念のためリンパ節摘出」など絶体にあってはならないことですが…
 それ以上に、極めてバランスを欠いた診療に(質問者以上に)驚いています。(担当医は自分の行っている診療に、妥当な説明ができるのだろうか?単純に疑問に思います)
 「癌を疑わない限り、リンパ節を調べる必要はない」一方で「癌を少しでも疑えば、2cmマージンは寧ろ当然」となるわけです。(CT撮影など言語道断です)
「質問1 田澤先生が再手術は必ずしも必要ないとお考えになる理由を教えて頂けませんでしょうか。」
⇒前回のQで「マージン1cmとなりました」とあったからです。
 常識的に考えると、執刀医が「マージンを1cmつけている」のに(良性の)葉状
腫瘍で断端陽性となることは考えられないからです。(その点は、癌とは異なるところです)
 つまり、(前回のQの内容で)「マージンを1cmつけているのに、病理で断端陽性となっている」というのは、実際は「断端陰性なのでは?」と外科医として率直に感じたからです。
  ♯この点は、病理医は「摘出した標本しか見ていない」ので執刀医を信用すべきと思っているからです。
「再手術をしない場合、3ヶ月おきの定期検診でよいと思われますか。その際はエコーのみで宜しいのでしょうか。」
⇒3カ月は、あまり意味ないでしょう。
 実際には「6ヵ月エコー(但し、担当医自身)」で十分です。
「質問3 初回手術から1ヶ月経過しましたが、再手術するならいつまでにするのがよろしいでしょうか。」
⇒特に期限はありません。
 もしも有るとしたら…
 「半年以内」なら十分でしょう。
 ♯良性葉状腫瘍を(真偽はともかく)「1cmマージンの手術」しているのに「半年以内に腫瘍が増大」など、考えられないからです。
 ♯♯ 幸い私自身の葉状腫瘍の手術では局所再発はありませんが(とんでもない悪
性葉状腫瘍で大変な経験をしたことが1度だけあります。)、他院で同様のケースで手術した経験は沢山あります。(このQandAのお陰で、通常ありえない位「再発葉状腫瘍」の診療機会があるのです)
     その経験の中で、コメントしているのです。
「質問4 田澤先生に再手術をお願いできますか。」
⇒可能です。
 その場合には、「瘢痕部」を十分なマージンをつけて切除することになります。
 質問者の場合には「傍乳輪切開」なので、「腫瘍の位置=エコーで確認できる瘢痕部」として手術することとなります。
 ★もしもご希望ならば「秘書メール」してください。

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
 
 

 

質問者様から 【質問3 葉状腫瘍】

性別:女性
年齢:39歳
田澤先生
ご回答ありがとうございました。
メールフォームのご紹介ありがとうございます。
大変恐れ入りますが、再度質問致します。
ご回答内容から、追加手術を決定する前に主治医へ下記確認したいと思いました。
・断端陽性のそちらの方向に乳腺が残っているのか。
・腫瘍の場所は乳輪から3cm~7cmくらい上にありました。
マージン1cmの約束ですが、病理結果の絵図では、乳輪側はマージン幅が長く、乳頭から離れる程マージン幅が短くなっているのは何故か。
向こう側に乳腺がないから?まさか切り口から遠くて届かなかったなんてことは?と思いました。
傍乳輪切除ならあり得るのでしょうか。
追加手術にあたって他に何か確認することはないでしょうか。
田澤先生へ追加手術のお願いをする場合は、検査結果や紹介状の発行依頼が必要でしょうか。
それとも術後なので不要でしょうか。
検査結果や紹介状が必要な場合、主治医に転院する旨伝えれば提供されるものでしょうか。
それとも一部資料(術前MRIや病理結果)を指定して入手すべきでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご回答頂けますと幸いです。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「追加手術にあたって他に何か確認することはないでしょうか。」
⇒それ以上は執刀医にしか解らない事です。(執刀医のいうことを信じましょう)
「田澤先生へ追加手術のお願いをする場合は、検査結果や紹介状の発行依頼が必要でしょうか。」
「検査結果や紹介状が必要な場合、主治医に転院する旨伝えれば提供されるものでしょうか。」
「それとも一部資料(術前MRIや病理結果)を指定して入手すべきでしょうか。」

⇒「転院するので(理由は、「転居するから」等にすると納得し易いでしょう)手術の際の資料(病理や手術所見や画像)をください」とすれば、通じる筈です。