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葉状腫瘍

[管理番号:472]
性別:女性
年齢:50歳
はじめまして
5年前に葉状腫瘍の摘出と手術をしたものです。(腫瘍5センチぐらいだったので7センチ大の腫瘍を摘出)
半年前5ミリ程のしこりが前手術部位にでき細胞針をしましたが、大丈夫、経過観察と言われ半年後に又、エコーをしたのですが、エコーの先生によると2センチ弱になっているので又、細胞針だね。と言われ次回の診察待ちをしております。
今現在、前手術医師は、年齢の為外科手術をもうしておりません。
細胞針をして結果待ちで紹介状を書いて貰うべきか?それともこちらの病院にすぐ診てもらうべきか悩んでいます。
私としては、前手術の取り残しによる再発ではないかと思っているので摘出手術ではないか?それであれば、手術する病院で細胞針をした方がいいのではないか?と思っているのですが・・
どの選択がベストでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 このメール内容を読んで「担当医の診療に」心底驚きました。
 「5年前に5cmの葉状腫瘍を摘出」されているとの事ですね。
 グレードはどうだったのでしょうか?(記載が無い事をみると悪性ではなさそうですが…)
 「葉状腫瘍」の術後(5年経っているとはいえ)同部位に「半年前に5mmの腫瘤」という時点で、「私なら青く」なります。
 更に「半年後に2cm弱」という時点で『担当医は何も危機感が無いのでしょうか?』(もしかして私には信じられません。
 正直な感想を言うと、「葉状腫瘍の怖さ」を知らない「不十分な診療」と非難されても仕方が無いと思います。

回答

「半年前5ミリ程のしこりが前手術部位にでき細胞針をしましたが、大丈夫、経過観察」
⇒私には想像ができません。
 「葉状腫瘍は細胞診では全くわかりません」
 (癌との鑑別ならば、それでもいい)ですが、「今回のケースでは、葉状腫瘍の局所再発か?」という大問題なのです。
 当然、針生検するべきです。
 
「エコーの先生によると2センチ弱になっているので又、細胞針だね」
⇒この「エコーの先生」という記載から推測すると、検査技師によるエコーなのでしょうか?「細胞針だね」というコメントも技師さんですか?
 「細胞診ではなく」針生検をしてください。
 
「前手術の取り残しによる再発ではないかと思っているので摘出手術ではないか?それであれば、手術する病院で細胞針をした方がいいのではないか?」
⇒葉状腫瘍の再発だと思います。
★「手術する病院で(細胞診ではなく)針生検が必要」です。
 「半年間で5mm⇒2cm」は「葉状腫瘍」としか考えられません。(20歳代であれば、線維腺腫でもありえますが…)
 「再発の葉状腫瘍」はグレードがアップ(良性⇒境界悪性⇒悪性)している可能性があります。
ここは大事なところです。
 判断を誤ると「後悔」する可能性があります。(脅かすようで恐縮ですが事実なのです)
◎葉状腫瘍は「再発の連鎖に陥ってしまう前」に確実な手術が必要です。
 
 『術前針生検で判断を誤ることなく、確実な手術』これが必要です。
 
 

 

質問者様から 【質問2 初診から手術までの期間】

返信ありがとう御座いました。
葉状腫瘍がそんなに恐ろしいとは・・・はっきり言って青ざめています。
早々に予約の電話を入れましたが、いっぱいと言うことで予約なしで来て下さいと言われました。ぜひ田澤先生に手術をお願いしたいのです。
 
前医から紹介状を貰うには又10日以上時間が掛かりますので、取りあえず来週診て頂けないでしょうか?
それと質問ですが初診から手術まではどのくらいの期間がかかりますか?
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 すみません。脅すつもりはなかったのですが…
 しかし、「葉状腫瘍の初回」はいいのですが、「再発となると、話は全く違ってくる」のです。
 「初回できっちりと、しとめる」事が大原則なのですが、「再発となった場合には、より一層の注意」が必要となります。
 「再再発」となってしまうと、「連鎖を断ち切れなくなる可能性」があります。
 少々、大げさに考える位がいいのが「再発葉状腫瘍」なのです。
それでは本題です。

回答

「ぜひ田澤先生に手術をお願いしたいのです。」
⇒私を信頼していただいて、ありがとうございます。
 必ずや期待に応えます。
 
「取りあえず来週診て頂けないでしょうか?」
⇒是非、そうさせてください。
 
「初診から手術まではどのくらいの期間がかかりますか?」
⇒3週間以内で日程をおさえておきます(詳細は秘書から聞いてください)
 
 

 

質問者様から 【質問3 今日は有難う御座いました】

やはり癌でしたね。
前回のエコー画像で明らかに前の葉状腫瘍とは異なるしギザギザしているし先生からも癌の可能性があるとの診断でしたので、私なりに癌と仮定し色々勉強して今日の診察に臨みました。
私としては全摘しようと覚悟し、その旨をお伝えしましたが、条件が良いので温存できるとのこと、術後、放射線治療をすれば転移確率は全摘と変わらないと言って頂き不安が一気に解消されました。
放射線治療は通うのが大変ですが、息子に6週間学校に通うと思えば良いんじゃない?と言われ・・・確かにと(笑)
核グレード2ということでki-67はきっと高いかな?と心配ではありますが・・
このQ&Aに投稿し田澤先生に出会えた事、本当に幸運でした。
色々な質問も的確に答えて頂いたのでとても冷静に先生の話を聞くことができました。
癌宣告、先生の後ろで小平さんが心配そうな顔で私を見ていてくれていました。宜しくお伝えください。迅速な対応感謝しています。
まだ2回の受診ではありますが田澤先生を信頼し安心して手術に望めます。ありがとう御座いました。
一つだけ質問ですが、もしタイプによって抗癌剤が必要な時は、術後何時位からか?期間はどの位か教えて頂けますか?
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 診察はお疲れ様でした。
 もともと「葉状腫瘍の再発ではないか?」との事で受診された結果、「乳癌との結果」であり、私なりに「伝え難かった」のですが、ご本人の冷静な応対が印象的でした。
 やはり、「診察時の所見に覚悟」をされていたのですね。
 ただ「再発葉状腫瘍」だったとしても、それはそれで(境界悪性や悪性であれば)「厄介な存在」でもあったので、「早期乳癌の治療」を頑張っていきましょう。

回答

「もしタイプによって抗癌剤が必要な時は、術後何時位からか?」
⇒(実際には)術後翌日にでも開始できるものですが…(実際20年位前、術後病理に関係無く、術後化学療法の点滴をする時代には、翌日行っていました)
 ただし、現在は「術後の病理組織検査結果」を確認してから行う事が推奨されています。
 ♯「術後病理結果で浸潤径が5mm以下ならば、抗癌剤の適応が無くなる」からです。
 と、前置きが長くなってしまいましたが、実際の流れは以下になります。
 「術後翌日退院」⇒(術後7~10日目)「外来で創部確認」⇒(術後2週間前後)「術後病理結果確認」⇒(その翌週もしくは翌々週より)「化学療法開始」
♯つまり術後3~4週間目で開始が「最短」となります。
 無論、「術後の化学療法」はあくまでも「予防目的」なので、「3~4カ月後」から開始でも一向に構いません。
○温存術後照射は(化学療法をする場合には)「化学療法の後、1カ月程度空けてから」開始となりますし、
 (化学療法をしない場合には)術後1カ月後位から開始となります。