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妻が乳がんの診断を受けました。

[管理番号:2835]
性別:女性
年齢:32歳
お世話になります。
先日、32歳になる妻が乳がんの診断を受けました。
経緯としては
昨年末に右胸に違和感を感じ、翌年1月(中旬)日に超音波検査を行い、右胸内側上部に7mmのしこりを発見いたしました。
医師からは、現時点では判断しかねないので細胞診または経過観察(3ヶ月)を言い渡され、経過観察を選択いたしました。
その後、4月(上旬)日に再検査で超音波検査を行い、しこりが1.6mmに成長しており、当日に組織診(針生検)をおこない、4月(中旬)日に乳がん
の診断をうけ、CT検査、血液検査を当日に行いました。
4月(下旬)日にMRI検査を行い、4月(下旬)日、診断結果でます。
進行度が早かったので、昨日に担当医に話を聞きにいったところ、
MRIの診断結果は出ていませんが、おおまかな状況を知らされました。
ステージ:1 浸潤乳がん(遠隔転移なし、リンパ節転移なし(CTノ検査の結果のみの判断では)
サブタイプ:トリプルネガティブ(ただしエストロゲン受容体1~5%)
しこりの大きさ:1.6mm
血液検査:異常なし
ということです。
治療方針として、
術前化学療法(6ヶ月)
→手術(部分切除&リンパ節数個切除、ただしMRIの結果次第では腋窩廓清)
→放射線治療
という診断を受けました。
私としては、1.6mmであっても病巣を6ヶ月のこしたまま術前化学療法を行うことに疑問が残っております。
医師からは「術前でも術後でも予後は変わらない」、「術前の方が薬のききがわかる」といわれております。
いっていることは理解できるのですが、抗がん剤のききが悪かった場合のリスクの部分で不安が残ります。
この状況が早期の段階であると信じているので
できれば先に摘出手術を行いたいのですが、術前化学療法の方が適切なのでしょうか。
妻とも話しましたが、予後優先で、全摘も抗がん剤治療もいとわないといっておりました。
明日には結果も出るので、転院をするか検討中です。
どうにかご意見を聞かせていたければと思います。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「術前化学療法(6ヶ月)」
⇒トリプルネガティブというだけで、(馬鹿の一つ覚えみたいに)「術前化学療法を勧める」医師があまりにも多い事に辟易します。
○術前化学療法の適応は「小さくして温存」です。
 これまた(馬鹿の一つ覚えみたいに)「術前に抗がん剤を行うと効果が解る」という理由を言っている様ですが全く問題外(術前術後に行う抗がん剤の種類は決まっており、効果を見ることは無意味です)
 
「術前でも術後でも予後は変わらない」
⇒その通りです。
 だから唯一の適応は(術前に使う事で)「小さくして温存を狙う」場合なのです。
 
「術前の方が薬のききがわかる」
⇒コメントした通りです。
 全く「無意味」です。
 そもそも抗がん剤の目的は「再発予防」です。
 腫瘍が「目に見えて小さくならないとしても、その薬剤が再発予防に貢献しないとは限らない」のです。
 
「抗がん剤のききが悪かった場合のリスクの部分で不安」
⇒まさにその通りです。
 抗がん剤が「必ず効く」というわけではありません。
 トリプルネガティブが「比較的、抗がん剤が効き易い」からといっても、絶対ではないのです。
 もしも効果が悪い時には「腫瘍を体内に残したまま」数カ月間「増殖させる」リスクが存在するのです。が残ります。
 
「できれば先に摘出手術を行いたいのですが、術前化学療法の方が適切なのでしょうか。」
⇒質問者の方が正しい。
 
「妻とも話しましたが、予後優先で、全摘も抗がん剤治療もいとわない」
⇒それであれば、「手術先行」術後に「きっちりと」抗がん剤を行うのが最も安全です。