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トリプルネガティブの再発率及び抗がん剤について

[管理番号:943]
性別:女性
年齢:78歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1100「減量投与か投与延期か

 
 
はじめまして、田澤先生。
母が乳がんになってから、いつも先生のQ&Aを拝読させて頂いています。
患者に優位なデータはまず伝え、余計な不安は与えない。でも検査は徹底的に
先生のQ&Aに勇気を与えてもらっています。
78歳の母が乳がんになり、セカンドオピニオンを受けてきました。
その時に
「3割くらいは再発しない可能性もあるよ」(7割再発)
と言われ、ショックです。
術前 腫瘍径35mm リンパ転移なし
術後 ステージ2a リンパ転移なし 
pt2(22mm) ly0 v0 浸透度g グレード3(3+3)
   ER(1~5%)pgR 0% HER2 0%
高齢だから抗がん剤は特に勧めないと言われたのですが、
再発率の高さからFEC100にしました。
特別に丈夫な母で、副作用は殆ど出てません。
スポーツもして病気知らずの特別に丈夫な後期高齢者です
先生に2点お伺いしたいです
① 再発率は70%もあるのでしょうか?
② FEC100 (3週間x4)のあと、タキサン系もやっておいたら、どの程度再発リスクが下がるでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 pT2(22mm), pN0, pStageⅡA
 グレード3でtriple negativeに近いタイプではあります。
 78歳でFECをやるとは驚きました。
 でも、お元気なのですね。
 それにしても「再発率が7割」はないでしょう。

回答

「再発率は70%もあるのでしょうか?」
⇒再発率は38%程度です。
 
「FEC100 (3週間x4)のあと、タキサン系もやっておいたら、どの程度再発リスクが下がるでしょうか?」
⇒3.7%です。
 FEC100では5.1%の低下となります。
 ここにタキサンを加えることで3.7%の上乗せ効果が出ます。(total 8.8%です)
○70歳以上での抗がん剤の効果についてのデータは殆どありません。
 
 
 

 

質問者様から 【質問2 高齢者の抗がん剤効果と粘液ガン】

ありがとうございます、田澤先生。
かなり安心できました。
ご多忙にもかかわらず貴重なお時間ありがとうございます。
多くの患者に勇気を与え、それでも口に出して誇らず
『誤解無きように。私はとっても「回答することが好き」なのです。』
と仰る先生の人柄。僭越ながら私自身も見習いたいと思います
4点質問させてください (多くてすいません)
① ⇒再発率は38%程度です。
(中略)
 ここにタキサンを加えることで3.7%の上乗せ効果が出ます。(total 8.8%です)
とは、すべてやって38%でしょうか?
それとも38-8.8=29.2%でしょうか?
② そのデータはadjuvand online でしょうか?
adjuvand onlineネットで検索したところ、
トリネガ等悪性度の強い場合、抗がん剤により20~30%低下することが普通にあるみたいですが
高齢者はグレードが悪くても抗がん剤が効きにくいものでしょうか?
③ 先生の過去の回答から何度か 
「pt2(22mm)リンパ転移なしはステージ1に近い」
とありますが
「22mm ly0 v0 her2(-) 浸透度g 」というのは、どの程度優位の上乗せになりますか?
(adjuvand なら 2.1~3.0cm 一括りなので
そして先生の実感から再発率はどの程度でしょうか?
非浸透が浸透になった混合型粘液癌(充実腺管がん)です
④ 粘液癌に抗がん剤が効きにくいというのは、粘液癌は悪性度が低い事があるので効きにくいのでしょうか?
それとも悪性度の強い場合でも、粘液癌は効きにくいのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 70代の「術後補助化学療法のデータ」は殆どありません。
 しかも78歳ですから「データは極めて限られている」と考えてください。(通常、78歳で補助化学療法は行われない事が多いと思います)
 それでAdjuvant!Onlineでも「化学療法による上乗せ効果が小さい」と解釈しています。

回答

「すべてやって38%でしょうか?それとも38-8.8=29.2%でしょうか?」
⇒「38-8.8=29.2%」です。
 
「高齢者はグレードが悪くても抗がん剤が効きにくいものでしょうか?」
⇒これは冒頭でコメントしたように「データが殆ど無い」からだと思います。
 実際には「通常の年代と変わらない」と思います。
 ただ、「高齢な分、投与量を減量する」可能性はありますが(投与量を減量すると、やはり効果は落ちます)
 
「どの程度優位の上乗せになりますか?(adjuvand なら 2.1~3.0cm 一括りなので」
⇒これは非常に難しいですが、一つの考え方としては、(根拠に乏しいですが、参考程度として)
 「1.1~2.0」で26%
「2.1~3.0」で38%
から「間をとって」38-26=12%の半分「6%程度の優位」は十分あるでしょう。
 
「先生の実感から再発率はどの程度でしょうか?」
⇒pt2(22mm) ly0 v0 浸透度g グレード3(3+3)ER(1~5%), pgR 0%, HER2 0%であれば、20%程度だと思います。
 
「粘液癌は効きにくいのでしょうか?」
⇒組織型による「抗がん剤の有効性」など全くあてにならない考え方です。
 「特殊型」は「大規模臨床試験を行う事が無理」なので、全て「少数例での検討」となり、参考にすべきではありません。
 
 

 

質問者様から 【感想3】

ありがとうございます、田澤先生
かなり安心できました
当初市民病院の主治医及び日赤のセカンドオピニオンは、それほど抗がん剤を勧めてませんでしたが
私なりにいろいろ調べ(主に先生のいろんなQ&Aを中心に)
そして私の判断で母に抗がん剤をました。
主治医:
「副作用に関するサポートは全面的にするから、最初はFEC100を
辛ければ次回から減らして」
のその言葉でFEC100にしました
2日間の入院中は頻繁に見にきてくれ、退院してもサポートの電話をいただきます。
「何かあればすぐに来るように」と
本当にありがたいです
78歳の母は殆ど副作用が出ず、退院した3日目に少し倦怠感を感じる程度。
それでも遅くまで仕事をし(PCでデザイン)
4日目からは体調がいいからと毎朝ジョギングをし
副作用らしきものが無いに等しく
当初は副作用が心配でしたが、今は全く症状のかわらない母を見て、薬が効いているのか心配です
明日が病院で採決し、白血球の検査です。
当初は白血球が下がりすぎるのが心配でしたが、今はちゃんと下がっているかが心配です。
本当に周りのサポートには感謝です
ありがとうございました、田澤先生
 
 

 

質問者様から 【質問4】

こんにちは、田澤先生。
何度か先生にアドバイスをもらったものです。
健康自慢な母が、いきなり「腰が痛い」と言い出して
(酷くはないみたいですが)
転移の可能性ってどれ位あるのでしょうか?
(来週が抗がん剤なので、その旨を主治医に伝えますが)
6月に手術をしました。
ステージ2a リンパ転移なし
pt2(22mm) ly0 v0 浸透度g グレード3(3+3)
ER(1~5%)pgR 0% HER2 0%
混合型粘液がん(充実腺管がん)
主治医からは 「98%年内の転移はない」と言われたのですが、いざとなると不安です。
1月前に白血球を増やす注射をしたのですが、それは関係しているのでしょうか?
宜しくお願いします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「癌と言われると」あらゆる症状が「癌の転移か?」と気になるものです。
気持ちは解りますが、無用な心配はせずに「心穏やかに」いることが肝要です。

回答

「転移の可能性ってどれ位あるのでしょうか?」
⇒ほぼありません。
 担当医のいう「98%年内の転移はない」というのが正解です。
 ○腰痛の原因にもいろいろありますが、「抗がん剤中」には(抗癌剤によりダメージを受けた)「骨髄が回復して白血球を作りだす際に、痛み」が出る事は良くあります(背骨と胸骨は症状が出やすい場所です)
 
「1月前に白血球を増やす注射をしたのですが、それは関係しているのでしょうか?」
⇒通常のG-CSFは「そんなに長期間」継続しません。
 「ペグフィルグラスチムは長期間影響」ありますが…
 
 

 

質問者様から 【感想5】

ありがとうございます、田澤先生
先生の以前のQ&A管理番号698「骨転移ではないかと疑っています」を拝見し、なお一層安心しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○乳癌において「術後半年で再発」という事態は「非常に特殊」であり、私の経験では 「初診時、手術不能乳癌」であり、「術前抗癌剤でなんとか手術にこぎつけた」ような「再発高リスク」の状況でしか「そのようなケース」はありません。
 質問者の場合にはⅡA期ですが、殆ど1期のようなものです(腫瘍径22mm リンパ節転移無し)
 再発の心配をするような状況ではありません。
 第1に、術後それ程早期に転移再発する事はありません。
 第2に、術後抗がん剤治療中に転移再発する事はありません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今は全く腰痛が収まったみたいですし
(症状は主治医には報告はしますが)
ありがとうございます、田澤先生!
○誰しも、何か症状があると「転移再発にむすびつける」ものですが、全くあり得ません。
 質問者が十分早期である事と、抗がん剤中である事が、その根拠です。
 
 

 

質問者様から 【質問6】

こんにちは、田澤先生!
昨年6月に手術をし、
術後抗癌剤をしたものです。
(FEC100x6回)
昨日造影剤CTの結果を聞きに行きましたら、レントゲン診断士は「異常なし」としたのですが、
反対側の乳房にホントに小さい見逃しそうな白い丸があったそうです。
「再発でなく血管だと思うけど…」と医師は言って、他の血管の画像も見せました。
白い点と同じ見え方がしたみたいです。
「血管だと思うけど断定できないので、3か月後に更にCT検査をします」と言ったそうです。
ちなみに昨年6月に、日赤の先生のセカンドオピニオンも受けましたが
「1年や2年で再発はないと思う。でも再発確率は低くない」
と言われました。
ステージ2a リンパ転移なし
pt2(22mm) ly0 v0 波及度g グレード3(3+3)
   ER(1~5%)pgR 0% HER2 0%
非浸透が浸透になった混合型粘液癌(充実腺管がん)です
① この場合の反対の転移の確率はどの程度でしょうか?
② また3か月後で大丈夫なんでしょうか?
教えてください
ちなみに腫瘍マーカー(CEA・CA125)は変化がありません。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
まず大きな誤解を解きましょう。
乳癌は「決して対側乳腺に転移することはない」のです。(対側に乳癌ができた際には、それは「全くの新規」となります)
 ♯左右の乳腺は「天と地ほど遠い」のです。
 
「「血管だと思うけど断定できないので、3か月後に更にCT検査をします」
⇒全く賛成しません。
 無駄な検査どころか「医療被曝」をさせるだけです。
 無駄なポイント① (実際に見ていませんが)気にする様な所見とは思えない
 無駄なポイント② 気になるのであれば、「超音波で探すべき」であり、CTなど全く無意味である。(担当医が超音波が苦手ならば、MRIを撮る方がまだマシです)
 
 
「① この場合の反対の転移の確率はどの程度でしょうか?」
⇒冒頭でコメントしたように
 絶対に「対側乳腺へは転移しない」のです。
 
「② また3か月後で大丈夫なんでしょうか?」
⇒おそらく、そもそも「気にするべき所見」ではありません。
 (もしも気になるのであれば)本来、担当医自ら「超音波して確認すべき」です。
 超音波で「所見がない」のであれば、「超音波で経過を見る(所見が無ければ、半年で十分)べきだし、「もしも所見があるなら、細胞診でも組織診でも行うべき」なのです。
 ○CTで対側乳腺のフォローなど、とんでもない話です。
 
 

 

質問者様から 【質問7】

こんにちは、田澤先生。
いつも的確なアドバイスで不安等を取り除いてくださりありがとうございます。
また不安事項があるので教えてください。
3週間前くらいから明らかに多く咳が出て、肺転移が不安です。
3ヶ月前に造影剤CTをして(反対の乳房に見逃しそうな白い点以外は)何もありませんでしたが、
それから2ヶ月くらいで、明らかに咳が出たりするような転移の症状って出るのでしょうか?
体重も減少しておらず、発熱もなく痰も出ない。
食欲は旺盛。
熱中症が心配になるくらいに一日中庭弄りして、咳以外は至って健康体そのもの。
昨年6月に手術し、
pt22mm リンパ節転移ナシ トリネガ グレード3
波及度g 脈管血管ともに侵襲なし
セカンドオピニオンの先生にも
「1年や2年でどうこうなる病理ではない」と言われたのですが
3ヶ月前に造影剤CTして肺などには異常はなく、
それが明らかに咳き込むような症状になるのでしょうか?
本人は「体調は良いし胸も痛くも苦しくもないけど、喉に違和感がある」そうです。
咳き込むのを聞くのが辛いです。
教えてください。
 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。
「咳が出ると肺転移が心配」となり、「腰が痛いと骨転移(腰椎)が心配」皆さんが心配されるのも、良く解ります。
3カ月前に造影CT(必要かどうかは別として)で確認しているのなら様子を見ましょう。
咳はいろいろな理由ででます。
●それでも、どうしても気になるのであれば(CTではなく)胸部レントゲンを撮ってみましょう。