[管理番号:8149]
性別:女性
年齢:51歳
病名:トリプルネガティブ 乳管癌
症状:術前抗ガン剤
はじめまして。
先生の患者さんの立場にたった治療に心を打たれました。
2019年 8月に 右乳房全体 大胸筋下およびリンパに広がる 乳管癌を確定診断されました。
トリプルネガティブ
KI67 100%
GradeⅢ
8/(中旬)からEC療法を4回終え 11/6のMRIでは画像上 病変は消失。
11/(中旬)からドセタキセルを4回の予定ではじめ、12/(下旬)に3回目を受ける予定です。
今まで、標準治療が最善であると 不安を打ち消すように治療をうけてきました。
病変が見えなくなったとのことで どのように手術を行うのか 不安になり 乳がんプラザにたどり着きました。
腋窩リンパ廓清がきちんとできるのか、再発なども含め 心配で胸がいっぱいです。
現在 2月(下旬)日に現在の病院で 手術が決まっています。
手術をこのままうけるなら 乳房は全摘になると思います、 腋窩リンパの状態について どのように 主治医に質問すればよいか おしえて下さい。
治療が途中の状態での 先生の病院への転院も可能でしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「手術をこのままうけるなら 乳房は全摘になると思います」
→最初の状況(右乳房全体 大胸筋下に広がる)からは、絶対にその方がいいですよ。(温存後の局所再発のリスクが高い)
「腋窩リンパの状態について どのように 主治医に質問すればよいか おしえて下さい。」
→まず大事なことは、「抗がん剤前の状況」と「抗がん剤治療後(今)の状況」の両方の状況を訊くことです。(今よりも、寧ろ「抗がん剤前」の状況の方がより重要)
腋窩郭清の範囲は、あくまでも「抗がん剤前の状況」で決まります。
抗がん剤前にレベル1まで転移ならレベル2までの郭清
〃 レベル2まで転移ならレベル3までの郭清
★時々、このQAでも見かけますが…
そこ(抗がん剤前の状況で郭清範囲を決める)を無視して、「今、転移が無いからセンチネルだけにします」みたいな病院が(悲しいことに)あるのです。
それは気を付けましょう。(腋窩再発のリスクが極めて高い)
★ついでに…
放射線照射の適応も、あくまでも「抗がん剤前」の画像診断から決めるのです。
「治療が途中の状態での 先生の病院への転院も可能でしょうか。」
→可能です。
特に腋窩鎖骨下郭清など、きちんとできない(信頼できない)のであれば、後悔しないようにしましょう。
質問者様から 【質問2 】
トリプルネガティブ 術前抗がん剤中
性別:女性
年齢:51歳
病名:乳癌
症状:
お忙しい中すぐにお返事をしてくださり、ありがとうございます。
12月(下旬)日に受診の予定です。
3回目のドセタキセルです。
その時にきちんと不安に思うこと、抗がん剤前の状態など、質問してきます。
でも、
現在の主治医は、オペのオーダーを入れる時に、センチネル生検のオーダーも一緒に入れていました。
私が 不信感を抱いたのはその時なのです。
江戸川病院で手術を治療をしていただきたいのです。
これまでの検査結果を出してもらうのに、セカンドオピニオンをもらいたいのでと言えば、抗がん剤前のMRIやCT エコーの画像も一緒にもらえるものなのでしょうか。
又、どのように江戸川病院を受診すればよろしいでしょうか。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「現在の主治医は、オペのオーダーを入れる時に、センチネル生検のオーダーも一緒に入れていました。
私が 不信感を抱いたのはその時なのです。」
→なるほど、(私の回答の前に)すでに、そのようなことがあったのですね。
これでは、「腋窩郭清をしたくないために」(術前)抗がん剤をしていると言われても仕方がないでしょう。
★術前に腋窩リンパ節転移があると(術前抗がん剤の適応とは無関係に)術前抗が
ん剤をするような施設では、概ねそのような慣習となっているのかもしれません。
しかし、それが誤りであることは『今週のコラム 91回目 「転移したリンパ節が残存」してしまうのです。』で説明し、更に『今週のコラム 92回目 この際にセンチネルリンパ節生検が行われ「腋窩郭清省略」されています。』で実際の症例も挙げています。
「これまでの検査結果を出してもらうのに、セカンドオピニオンをもらいたいのでと言えば、抗がん剤前のMRIやCT エコーの画像も一緒にもらえるものなのでしょうか。」
→大丈夫です。
「又、どのように江戸川病院を受診すればよろしいでしょうか。」
→『手術申し込みメール』してもらうのが一番ストレートですね。
その際、紹介状の内容が「セカンドオピニオン」だったとしても、(ご本人が)
「セカンドではなく、あくまでも転院して治療」なのであれば、通常の診療となります。