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トリプルネガティブ乳がんです

[管理番号:2109]
性別:女性
年齢:39歳
10月末にPET CTを受け、転移はありませんでした。
トリプルネガティブ乳がんでki67の数値が70~80、しこりは左胸に4センチ弱(現在は6センチ弱ありそうです)浸潤性乳がんです。
たちが悪い乳がんと思い、ネットや本でいろいろ調べ、抗ガン剤を使いたくなかったので、過度な医療は行わないという医師のところに2件行ききました。
でもやはり抗ガン剤を使うべきと判断して、昨日、最初の大学病院に戻ったところ、何故二ヶ月を放置したのかと呆れられ、楽天的すぎるとかなりいろいろ言われました。
この二ヶ月が後々、後悔することになる確率は低くないですよ、と言われましたが、やはりそうなのでしょうか。
また、来月早々にEC療法とゼローダという飲み薬を併用してやっていくとことになりましたが、両方やると副作用も強くなるのでしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「トリプルネガティブ乳がんでki67の数値が70~80、しこりは左胸に4センチ弱(現在は6センチ弱ありそうです)浸潤性乳がんです。」

⇒何故、手術をしないのですか?
 「抗がん剤をするとかしない」以前に、(手術不能となる前に)手術で摘出すべきです。

「たちが悪い乳がんと思い、ネットや本でいろいろ調べ、抗ガン剤を使いたくなかったので、」
⇒気持ちは解りますが、
 我々も「好きで」抗がん剤を勧めている訳ではありません。
 標準治療をしないことで、「あとあと」大変な思いをするのは自分自身なのです。
 
「過度な医療は行わないという医師のところに2件行ききました。」
⇒標準治療を推奨していない医師ということですか?
 とても「いい医師に見える」かもしれませんが、言い換えれば(自分や家族ではないので)「無責任な治療をしている」医師ということです。
 
「この二ヶ月が後々、後悔することになる確率は低くないですよ、と言われましたが、やはりそうなのでしょうか。」
⇒それは誰にも解りませんが、「標準治療の必要性を納得する期間」としては長すぎることはないと思います。
 数年して「大変な状態となって戻ってくる」方も居らっしゃるのですから…
 
「また、来月早々にEC療法とゼローダという飲み薬を併用してやっていくとことになりましたが、両方やると副作用も強くなるのでしょうか。」
⇒何故「手術しない」のでしょうか?
 「手術不能となる前に」手術すべきです。
 抗がん剤は「術後、再発予防目的で行う」べきです。
 
○それにしても「ゼローダは適応外」です。担当医の意図が全く不明です。
 ゼローダは「手術不能、転移再発乳癌」にしか適応がないのです。
 そんな「適応外診療」についてのコメントは差し控えさせてもらいます。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、おいそがしいところご回答ありがとうございました。
最初は術前でも術後でも良いが、術前だとしこりをみれば抗ガン剤の効きがわかるから術前を勧めるとのことでした。
先日行った際は、今はもうとにかく急いで抗ガン剤をやって全身に散らばったがんをたたかないととのことでした。
もう一度CTをとって、その結果が1月5日、9日に抗ガン剤の予約も取ってしまいました。
ゼローダはその時に聞いたときは、スタンダードではないが勧めると。
田澤先生と今の主治医とは治療方針が違いますし、先日話をしていて、命がかかっているのにこのまま今の病院で治療を進めるべきか悩みます。
今は家から徒歩五分ぐらいの○○の○○大に行っています。
先生のところで診ていただくことは可能でしょうか
以前から田澤先生のところで診ていただきたいと思っていましたが、子供が3歳で預かってくれる人も近くにいないので遠い病院は無理かと思いました。
でも今は先に手術だけでも田澤先生にお願いしたいです。。
私の6センチのしこりでもまだ温存手術はできるのでしょうか。
また、先日撮ったCTでもしも転移していてもやはり先に手術したほうがよいでしょうか。
質問長くなってしまい申し訳ございません。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「術前だとしこりをみれば抗ガン剤の効きがわかるから術前を勧める」「今はもうとにかく急いで抗ガン剤をやって全身に散らばったがんをたたかないととのことでした。」
⇒「術前抗がん剤の適応はあくまでも 小さくして温存」です。
 「全身に散らばった癌」というのは「何を根拠として言っているのか?」全く意味不明です。
 
「ゼローダはその時に聞いたときは、スタンダードではないが勧めると。」
⇒「スタンダード」とかそういう問題ではなく、『適応外』なのです。
 適応外診療は「私は絶対に認めません」
 
「先日話をしていて、命がかかっているのにこのまま今の病院で治療を進めるべきか悩みます。」
⇒「適応外診療」や「根拠のない診療」など、不適切な面が散見されます。
 
「先生のところで診ていただくことは可能でしょうか」「でも今は先に手術だけでも田澤先生にお願いしたいです。」「私の6センチのしこりでもまだ温存手術はできるのでしょうか。」
⇒「6cm」であれば「安全に温存」ということは難しそうです(診察していないので、はっきりは言えませんが…)
 ただ「本当に温存を望む」のであれば、それこそ「術前化学療法の適応」となります。
○私が前回の回答で「手術先行を勧めた」のは「温存希望だとは思わなかったから」です。
 もしも質問者が(温存手術を希望されるのであれば)「小さくして温存」というのは「術前化学療法の正しい適応」と言えます。
  
「また、先日撮ったCTでもしも転移していてもやはり先に手術したほうがよいでしょうか。」
⇒遠隔転移はないでしょう。
 リンパ節に関しては「手術先行するかどうか」とは無関係となります。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、おいそがしいところご回答本当にありがとうございました。
手術不能=全摘だと勘違いしてました、すみません。
それと、以前の質問者990さんの、術前化学療法??化学療法を中断して急遽手術のQ&A「AC療法が効きませんでした」も読みました。
リスクが怖すぎるので、抗ガン剤を受ける前に全摘手術したいです。
田澤先生にぜひお願いしたいのですが、しこりの大きくなるスピード早いので無理を言って本当に申し訳ないですが早めに診察と手術していただくことは可能でしょうか。
今診てもらっている病院はセカンドオピニオンを受けてまた戻ってきてるので、これ以上他の病院に行ってまた戻るというと失礼だし、この前のかんじだともう受け入れてもらえない気がしますが、
手術は別の病院でも、術後の化学療法は近い病院でないと辛いとかも聞いたことがあるのですが、どうなのでしょうか。
とりあえず明日午後に今の病院で診察の予定があって。
私はどうしたらいいんだろかと、いろいろどうしたら1番よいのか。
もっと早くこちらに質問していればよかったです。
いろいろとても不安ですが、しこりも大きいので予約がとれるうちにもう今の病院で先に手術してもらったほうがよいのでしょうか。
おいそがしいところ本当にすみません、私の都合で大変申し訳ないですが早めにご回答いただけますでしょうか。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「リスクが怖すぎるので、抗ガン剤を受ける前に全摘手術したいです。」「田澤先生にぜひお願いしたいのですが、しこりの大きくなるスピード早いので無理を言って本当に申し訳ないですが早めに診察と手術していただくことは可能でしょうか。」
⇒正しい認識であると思いますし、是非「早めの手術」をしてあげたいのですが…
 現状としては、「手術待ち」が長くなっておりご希望の日程にはならないように思います。
 「診察日」の方は早めに対応できるとしても「手術枠の問題」があり、現実的な提案としては★『「最短の手術日を設定」した上で、「その間に(術前)化学療法を1~2回行う」』というものです。
 
 ○純粋な「術前化学療法」に比べれば「早期手術を設定して(その間に)つなぎの化学療法を行う」方がリスクは最小限に抑えられます。
 
「手術は別の病院でも、術後の化学療法は近い病院でないと辛いとかも聞いたことがあるのですが、どうなのでしょうか。」
⇒これも良く聞かれますが…
 実際として当院で術後化学療法されている方で「かなりの数の方が」隣県などから1時間半以上かけて通院治療しています。
 勿論(近隣で治療を行うよりは)大変だとは思いますが、(抗がん剤治療は、点滴当日に副作用が出ないこともあり)多くの方がやっている事も事実なのです。
 
「いろいろとても不安ですが、しこりも大きいので予約がとれるうちにもう今の病院で先に手術してもらったほうがよいのでしょうか。」
⇒もしも、その病院で(術前抗がん剤なしに)比較的早期のうちに手術ができるのであれば、その選択肢もあるでしょう。(手術の精度の問題は、この際おいておくとして)
 ただ、(ゼローダなど適応外治療をするような)「術前抗がん剤治療をする」のであれば、上記提案★を検討してはどうでしょうか。
 もし、その場合には秘書へご連絡ください。