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術前に判明した胸骨転移

[管理番号:8845]
骨転移
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がん
症状:胸のしこり、胸骨痛み
投稿日:2020年8月30日

ルミナールHER2陽性、胸骨に転移が見える
これから骨シンチ、脳MRIです。

今、パクリタキセル、ハーセプチン、パージェタを2回目終わったところです。

その後アンスラサイクリン系抗がん剤をして手術予定です。

骨の方に関しては、注射を打つような話だけ聞いています。

今の段階で放射線はあてないものですか?
また、抗がん剤で骨の転移はなくなったりしますか?
怖くてたまりません。

先生ならどのような治療をしますか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

詳細の記載がありませんが…
骨シンチが未での胸骨転移との診断は、症状とCT所見からだと推測します。

「今、パクリタキセル、ハーセプチン、パージェタを2回目終わったところです。
その後アンスラサイクリン系抗がん剤をして手術予定」

⇒「手術予定」と聞いて大変安心しました。

 世の中には「骨転移があるから手術しない」などと、「ぬかす」乳腺外科医が居ますが、胸の腫瘍が将来的に皮膚を破ったりしたら「どれだけ大変なのか?」
 『QA 8572』をご参考に

「今の段階で放射線はあてないものですか?」
⇒疼痛コントロール次第です。

 鎮痛効果を早急に得たいのであれば、まずは放射線という選択肢もあります。

 ただ、(そうでもないなら) HER2陽性だから「抗HER2療法の効果が大いに期待できる」ので、(局所療法である放射線よりも)全身療法である抗HER2療法が優先するのは間違いありません。

「また、抗がん剤で骨の転移はなくなったりしますか?」
⇒それは十分ありえるし、大きな目標となります。(画像上消失=cCR)

「先生ならどのような治療をしますか?」
⇒疼痛次第です。

 通常の消炎鎮痛剤でコントロールできないほどの鎮痛ならば、まずは放射線⇒手術
⇒抗HER2療法

★ 最終的に上記全ての適応となりますが、手術が「3つの内の何番目になるのか?」は医師の考え方次第でしょう。