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タキサン系の表記

[管理番号:1016]
性別:女性
年齢:51歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
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管理番号:1000「化学療法レジメンの「○○mg/m2」と「実際の投与量○○mg/body」の違い

 
 
 
 

質問者様の別の質問

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管理番号:1076「FEC100の副作用

 
 
先日の私の質問ですが、田澤先生のおっしゃるとおり、大変な勘違いをしており、看護師の方ともお電話でしたので、しっかり意見交換がうまくいっていなかったように思います。
すごい大量だと勘違いしておりまして、田澤先生のご説明で、正しい量だと分かり、安心致しました。本当にありがとうございました。
私の960番の、「先にweekly PTXとタキソールを使ってしまった場合、再発した時にアバスチンとの併用が難しくなってしまう。」という質問の件ですが、
補助療法時にこそ、「最善を尽くす」べき。出し惜しみする必要はないというご回答でした。
確かにおっしゃるとおりだと思うのですが、万一、再発や転移があった場合、どうしたらよいのでしょうか?トリプルネガティブはその傾向が少し強いようですし。その時がとても心配です。
それと、かなり前にいただきました729番のご回答の③ですが、
「万が一再発した際に、絶対的に頼れる治療法が(現段階には)無いということです」とおっしゃっておられましたのが気になりました。
でも、再発や転移した場合、アバスチンとタキソールの併用がとても効くという論文までお出しになっておられるのでしたら、やはりそのお考えに頼りたくなります。その治療法を先にするというのは不可能なのでしょうか?
なので、最初にweekly PTX(タキソール)を使うのがトリプルネガティブには最強と分かっているのですが、最初に使ってしまっていいのか、迷ってしまいます。
アバスチンは、そもそもは最初の段階の治療には使わず、再発や転移した場合に使うものなのでしょうか?
再発した時は、PTX治療後でも、タキサンとDTXで効果が期待できますか?
Bev+PTXをする場合は、一次治療ではドセタキセルが選ばれると書いてありましたが、そうすると、最初に最善を尽くすことにならないと思います。
どれが最善なのか全くわからなくなって頭の中がゴチャゴチャになっています。
単発の再発はどうにか治療は出来るが、遠隔転移の場合は、もう何も出来ないという記事もありましたが、やはりそうなのですか?
田澤先生のご回答では、まだまだ道が色々ありそうな気もするのですが。
また、私の大変な勘違いでしたらお許し下さい。
本当にお手数をおかけいたしますが、よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 まず表題の「アバスチン(ベバシズマブ)と、weekly PTX+タキソール」という表記に誤りがあります。
 「Weekly PTX」とは毎週投与のパクリタキセル(タキソール)を表現しています。
 「PTX=タキソール」なので「weekly PTX+タキソール」というと「意味不明」となります。
 私がいろいろな表記を用いてしまった事で誤解があったかもしれません。

タキサン系抗がん剤

タキサン系抗がん剤は以下の3種類があります。
①パクリタキセル(薬品名)=pacritaxel=PTX=タキソール(商品名)です。
②ドセタキセル(薬品名)=docetaxel=DTX=タキソテール(商品名)
③ナブパクリタキセル(薬品名)=nab-pacritaxel=nab-PTX=アブラキサン(商品名)
※ちなみにベバシズマブ(薬品名)=bevacizumab=bev=アバスチン(商品名)は分子標的薬です。

回答

「万一、再発や転移があった場合、どうしたらよいのでしょうか?トリプルネガティブはその傾向が少し強いようですし。その時がとても心配です」
⇒前回回答したように
 タキサンだけでも、DTXもあるし、(PTX既治療でも)Bev+PTX(bevacizumab+pacritaxel)も大丈夫です。またnab-PTXもあります。
再発治療は何でもありなので、ビノレルビンもカペシタビンもTS-1もエリブリンも… 乳癌の化学療法は極めて豊富なのです
 
「その治療法を先にするというのは不可能なのでしょうか?」
⇒不可能です。
 Bevの適応は「進行・再発乳癌」です。
 決して「術後補助療法」で用いてはならないのです。
「再発した時は、PTX治療後でも、タキサンとDTXで効果が期待できますか?」
⇒冒頭で記載したようにタキサン系薬剤の中に(PTXとDTXと nab-PTXの)3種類が存在しています。
 この質問内容を「再発した時は、PTX治療後でも、タキサン系(DTXやnab-PTX)の効果が期待できますか?」と置き換えると、答えは「YES]です。
  その他にもビノレルビンもカペシタビンもTS-1もエリブリンもあります。
「単発の再発はどうにか治療は出来るが、遠隔転移の場合は、もう何も出来ないという記事もありましたが、やはりそうなのですか?」
⇒「単発の再発」とは局所再発のことを言っている様です。
  局所再発は「手術もしくは放射線治療、あるいは両方」で十分に根治が狙えます。
  ただ、「遠隔転移」の場合は「QOLを改善させたり、予後を延長させる」事はできても「根治となると数パーセントにも満たない」状況(決してゼロではありません)です。
  「もう何もできない」というのは「誤り」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は、また私の勘違いもあり、申し訳ありませんでした。
田澤先生が詳しくご説明してくださって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
乳がん治療は色々と何でもありとおっしゃっていただけて、救いの手を差し伸べてくださって涙が止まりませんでした。
なのに、また不安な気持ちが自然と出てきてしまい、また助けていただきたいです。
乳がんに関する記事で、「再発した場合、ベバシズマブ(アバスチン)は、パクリタキセルとしか併用できないため、一次治療では、ドセタキセルが選ばれます。」とありました。
他の方の記事でも、「先にタキソールを使った場合、再発したときにアバスチンとの併用が難しくなってしまう。そこまで考えるとタキソテールを選ぶのが合理的」とありました。
田澤先生がおっしゃっておられた、出し惜しみはせずに一番効く、一週間に一度のタキソールをしたいと考えているのですが、この記事の内容が心配なのです。
他にもたくさんあると教えてくださっているのに、またこのような質問をして
申し訳ありませんが、不安で眠れない日々が続いており、どうしてよいかわかりません。
乳がん治療は色々あってなんでもありという力強いお言葉は、私のようなトリプルネガティブでも当てはまりますか? 
第一回の抗がん剤から約10日がたちましたが、当初は副作用があまり無く、ありがたいことなのですが、効果も無いのか心配です。
副作用と効果は関係あるのでしょうか?今頃になって胃痛も始まり、ふらつきもありました。こんなあとから副作用が出るのでしょうか?
精神的にまいっており、体重がかなり減ってしまいました。食欲も無くなってしまい、もしかして、再発や転移・・・と怖いことばかり考えてしまいます。
田澤先生の、他の方へのご回答で、術後の抗がん剤治療中に再発や転移は無いとおっしゃっておられたので、そのお言葉を信じたいです。
私の理解力が乏しく、こんな精神状態ですので、また勘違いや色々あるかもしれませんが、田澤先生だけが頼りです。よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。

回答

「この記事の内容が心配」
⇒この記事は誤りです。
 要は、「術後にパクリタキセル」を用いてしまうと、いざ再発した時に『パクリタキセルをアバスチンと一緒にもう一度使えない。もしくは使っても効果が無くなる』かのような記事になっていますが、それは誤りです。
 (再発後に用いる)アバスチン+パクリタキセルは「過去にパクリタキセルを用いた患者さんにも有効」であることが解っているのです。
 
「乳がん治療は色々あってなんでもありという力強いお言葉は、私のようなトリプルネガティブでも当てはまりますか?」
⇒勿論です。
 抗HER2療法以外の化学療法は「全て使える」のです。
 
「副作用と効果は関係あるのでしょうか?」
⇒この手の質問は非常に多く、皆さん共通の悩みのようです。
 副作用が強ければ、強いで「この副作用はどうにかならないか?」と悩み、弱ければ弱いで「薬が効いていないのでは?」と悩む。
 気持ちは良く解りますが…。ナンセンスです。
 全く関係ありません。
 
「こんなあとから副作用が出るのでしょうか?」
⇒あります。
 副作用は「時間が経ってからも」あります。
 
○抗がん剤中は「副作用があれば、あるで、この症状はもしかして転移?」と心配になるし、「副作用が無ければ、無しで、効果が無いのでは?」と心配になるものです。
 質問者だけではありません。
 皆さん同じですので、心配せずに「やるべき事を頑張りましょう」