Site Overlay

単孔性分泌

[管理番号:1567]
性別:女性
年齢:30歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1536「乳頭血性分泌液とのう胞

 
 
田澤先生
お忙しい中ご回答ありがとうございます。
私が観察したところでは、血性分泌があった場所と同じ所だと思います。一か所です。
下着に着く日や着かない日もあり、量はかなり減ってきています。
血性分泌は2ヶ月前の2~3週間程だけで、現在は透明な物と黄色い物だけです。
この様に量が減ったり血性分泌が続かなくても、一か所からの分泌は危険ですか?
実は先月に別の場所の癌手術を受けていて、体の事にとても敏感になっており不安が強いです。そちらは早期で手術のみで治療は終わりました。
不安が強いため、田澤先生に診察してもらいたいと思っているのですが、可能ですか?
他にもいくつかご質問お願いします。お忙しいのに申し訳ありません…
現在分泌が減ってきてしまっているのですが、先生の所へお伺いしたとして、その時に絞ったりして分泌液が出なければ乳管造影は不可能とい
う事になりますよね?
現在診てもらっている主治医には、乳管に傷がついた事による出血だろうと言われました。
一か所からの分泌で乳管造影しても、腫瘍は見あたらない(腫瘍による分泌ではなかった)という事はあるのですか?
もし腫瘍があったとして、ガンの可能性はどのくらいですか?また、非浸潤ガンの事が多いのですか?
また、良性の乳管内乳頭腫だった場合、ガン化の可能性がある為に摘出が必要なのですか?
のう胞のエコー写真をもらって帰ってきています。
のう胞内腫瘍かどうかは、エコーの画像だけで判断できるのですか?
それとものう胞の中身を吸い取ったりして検査して初めてわかるのでしょうか。
今のう胞と診断されている物が実は腫瘍で、これによって出血、分泌が起きている可能性もあるのでしょうか。
そうなった場合は、のう胞と言い切っている現在の主治医の診断は間違いだったという事になりますよね。
また、7.5ミリ、10ミリののう胞は、本当にただののう胞である場合マンモグラフィーには映らないのですか?
現在、乳房にも痛みがあり(左右どちらもですがやはり右の方が痛い)や肩や脇の下、首や腕まで鈍痛があり、リンパの痛みかな?と不安です。
先生はお忙しいにも関わらず、こちらで長々と質問するよりも予約してお伺いした方が早いかと思うのですが、ガン手術を終えたばかりでまた
ガンの可能性があると思うと不安で居ても立っても居られず、いくつも質問をしてしまい申し訳ありません。
宜しければご教授お願いします。いくつも疑問をぶつけてしまい申し訳ないです。主治医に不安を抱いてしまっていてこちらで田澤先生に質問
するに至ってしまいました。
読んでいただいてありがとうございました。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「この様に量が減ったり血性分泌が続かなくても、一か所からの分泌は危険ですか?」
⇒乳頭分泌は「性状」よりも「単孔性であること」の方が重要です。(ミルクは例外)
 つまり「分泌液の検査」など何の役にも立たないのです。
 「一箇所からの分泌」は「乳管内病変の存在」を示唆し、「乳管内病変」とは『乳管内乳頭腫(良性)か乳癌』なのです。
 ○危険かどうかですが、間違い無く以下のように言えます。
 「高齢で血性ほど、乳癌の確率が高く」「若年で非血性ほど、良性の確率が高い」
 
「不安が強いため、田澤先生に診察してもらいたいと思っているのですが、可能ですか?」
⇒可能です。
 ただし、「乳頭分泌」の場合には、できれば「メディカルプラザ市川駅」をお勧めします。
 金曜日の夕方と土曜日の午前に私が診療しています。
 ○何故、(江戸川よりも)市川を勧めているのかというと、乳管造影に関しては「補助スタッフ(ナース)の準備や慣れ」「照明の設備」が上(つまり私自身が、より快適に検査できる)からです
 
「先生の所へお伺いしたとして、その時に絞ったりして分泌液が出なければ乳管造影は不可能という事になりますよね?」
⇒その通りです。
 基本として「強く絞れば、出てくる」事が必要です。
 
「一か所からの分泌で乳管造影しても、腫瘍は見あたらない(腫瘍による分泌ではなかった)という事はあるのですか?」
⇒あります。
 「乳管造影で所見が無い」場合には、そのような判断となります。
 
「もし腫瘍があったとして、ガンの可能性はどのくらいですか?また、非浸潤ガンの事が多いのですか?」
⇒先ほどコメントしたように、「年齢と性状」によって変わってきます。
 「若年者で非血性」だと(ざっくり)1/4位です。
 ほぼ全て「非浸潤癌」です。
 
「良性の乳管内乳頭腫だった場合、ガン化の可能性がある為に摘出が必要なのですか?」
⇒良性が癌になることは決してありません。
 「乳管内乳頭腫」それ自体が「癌になる」わけではなく、その同じ乳管に(つまり近傍に)乳癌が発生し易いのです。
 ♯現時点ですでに(乳癌が)併存しているか、(現在は併存していなくても)今後、出てくる事が多いという事です。
 ○乳管内乳頭腫と乳癌の併存については、「文献的にもしばしば言われている」ことでもあり、
  私の様に「乳管(腺葉)区域切除術」を沢山やっていると、実際に(メインの腫瘍は乳管内乳頭腫だけど、同じ乳管に小さくて多数の非浸潤癌が併存する事を)多く経験するのです。
 
「のう胞内腫瘍かどうかは、エコーの画像だけで判断できるのですか?」
⇒判断できます。
 明らかな均質な液体であれば容易にわかります。
 ただし、中には(内容液が固まったり一部沈殿しているような)一見紛らわしいものも存在します。
 
「今のう胞と診断されている物が実は腫瘍で、これによって出血、分泌が起きている可能性もあるのでしょうか」
⇒エコー像を見ていないので、今回の件に当てはまるのかは不明ですが…
 嚢胞内腫瘍(乳管内病変)からの分泌液が「単孔性分泌となる」ものが「典型例」といえます。
 
「また、7.5ミリ、10ミリののう胞は、本当にただののう胞である場合マンモグラフィーには映らないのですか?」
⇒(周辺の正常乳腺の濃度にもよりますが)30歳であれば(乳腺濃度も高いので)
 まず映らないでしょう。(80歳位で、乳腺が委縮して殆どが脂肪となれば映ってきます)
 
○私の率直な感想としては「不安を抱えながら3カ月に1回の経過観察よりは、診断(乳管造影及び、所見があれば乳管腺葉区域切除術)を積極的にすべき」というものです。
 どうかご参考にしてください。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
お忙しい中ご回答ありがとうございました。
沢山の疑問に丁寧に答えていただき、大変ありがたいです。ここ数日か
ら自分で観察していて、現在も分泌は右乳房だけなのですが、一ヶ所で
はなく、二ヶ所から出ていました。
多孔性なら心配ないですか?
今の色は透明~黄色っぽいです。ほぼ透明です。
自然にはほぼ出ないです。乳頭を絞るとたまに出ます。
それとも血液の分泌が一ヶ所からだったと記憶しているので、(これも最
早わからなくなってきてしまいましたが…)また話は別なのでしょうか。
仮に出血があった8月に、右乳房の一ヶ所から血性、(右乳房の)別の一ヶ
所から透明の分泌があったとしてもそれでも単孔性の出血、となるのですか?
もし今乳管造影するとしても二ヶ所から出ているのでどちらも造影する
事になるのでしょうか?
今、私の乳管に、エコーやマンモグラフィーではわからないサイズの非
浸潤ガンが存在しているとして、そんな中経過観察を続けていって、画
像診断でわかるサイズの非浸潤ガンとしてこの先見つけた場合(年1回定
期的にきちんとエコーとマンモで検診を続けていく事が前提です)、その
時の診断では進行がんとなってしまっている可能性が高いですか?
それと、右側の肩や首の痛みや、脇や胸横の肋骨の痛み、右側だけ脇の
下の厚ぼったい感じ、両乳房に痛みが出ます。これはホルモンの関係に
よるもので異常ではないのでしょうか?
生理前と関係なく胸は張り気味ですし、痛みもあります。両方ですが、
やはり右のほうが張りが強く感じます。
また、のう胞があると思われる場所が一ヶ所だけコリコリ触れるし左と
触り心地が違うのですが、10ミリののう胞ならこの様に触知されますか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「現在も分泌は右乳房だけなのですが、一ヶ所ではなく、二ヶ所から出ていました」
⇒これは多孔性分泌です。
 心配ありません。
 
「右乳房の一ヶ所から血性、(右乳房の)別の一ヶ所から透明の分泌があったとしてもそれでも単孔性の出血、となるのですか?」
⇒質問者は混乱されているようです。
 「性状は別として」1箇所から分泌している状況を「単孔性分泌」というのです。
 ★「性状が異なる単孔性分泌」が「右乳頭に多数」存在することはないのです。
 
「もし今乳管造影するとしても二ヶ所から出ているのでどちらも造影する事になるのでしょうか?」
⇒「多孔性」分泌では「乳管造影」しません。
 
「その時の診断では進行がんとなってしまっている可能性が高いですか?」
⇒「乳管内病変」であれば、「非浸潤癌の状態」で見つかるケースも多いと思います。
 
「右側の肩や首の痛みや、脇や胸横の肋骨の痛み、右側だけ脇の下の厚ぼったい感じ、両乳房に痛みが出ます。これはホルモンの関係によるもので異常ではないのでしょうか?」
⇒そうだと思います。
 
「10ミリののう胞ならこの様に触知されますか?」
⇒「嚢胞の位置(深さ)」によります。
 「皮膚に近い部位」つまり乳腺の浅い部分では、触れます。