乳がんの手術は江戸川病院|乳がんプラザ

[管理番号:4299]
性別:女性
年齢:47歳
田澤先生
はじめてご質問させていただきます。
12月上旬、精密検査(マンモ、エコー、針生検、造影MRI)→右乳がん
12月中旬、精密検査(心電図、肺X線、尿検査、造影CT)→遠隔転移無
1月中旬、手術(乳房部分切除、腋窩郭清)
2月上旬、下記結果が出ました。
大きさ16mm、リンパ節転移4個(15個切除)、ステージ3A
ER陽性、PgR陽性、HER2陰性、Grade1(1~3)Ki67低い(低中高)
2、3週間後から下記術後治療を勧められております。
化学療法(4ヶ月間)→放射線療法(5週間)→ホルモン療法(まず5年間)
私と妻は、昨年まで乳がんの知識は全くありませんでしたが、
田澤先生のQAを毎日拝見し、勉強させていただきました。
そうして私と妻はこの病気には、局所療法(手術と放射線療法)その後、全身療法(LuminalA型なのでホルモン療法)で治療と考えました。
リンパ節転移が1~3個と4個以上で化学療法の適用が違うようですが、
ぜひ、田澤先生の治療方針と理由を教えていただければと思います。
それと、もし化学療法をするとすれば、どのような薬が適しているでしょうか。
何卒、宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
乳癌治療の歴史を紐解くと…
①サブタイプの無い時代
 リンパ節転移の有無が重要(リンパ節転移無ければ抗癌剤はなし、リンパ節転移あれば抗ガン剤)
②サブタイプの時代
 (リンパ節転移ではなく)サブタイプで治療を決める(トリプルネガティブやHER2タイプ、ルミナールBは抗癌剤が効き易いから、抗ガン剤を行う)
大まかに①から②へと変遷し、それは治療のオーダーメイド化として当然の流れです。(その人に効くものを行い、効かないものは行わない)
その中でガイドラインも変遷しているわけです。
St. Gallen国際会議という「乳がん治療のバイブル的存在」がありますが、2015(2年毎に行われています)では「ルミナールAでもリンパ節転移が4個以上だと化学療法を行う」という意見が多かったのです。
ただし、本当にそれが正しいのか?
あくまでも「4個以上なら」というのは、医師個人の「感覚」にすぎません。
実際には「腫瘍径やリンパ節転移の有無にかかわらず、ルミナールAでは化学療法によるbenefitがない」ことが解ってきています。
それはOncotypeDXを行っても明らかです。
「リンパ節転移が1~3個と4個以上で化学療法の適用が違うようですが、ぜひ、田澤先生の治療方針と理由を教えていただければと思います。」
⇒冒頭のコメントで御理解いただけましたか?
 私もQandA初期(といっても、初めてようやく「2年半」が経過しているわけで、およそ2年前ということになります)では(St.Gallen2015を引き合いに出して)「リンパ節転移4個以上なら」という回答をしていましたが…
 この1年位は「リンパ節転移は基本的に無関係」として、「サブタイプだけで、治療方針をきめるべき」としています。
 おそらく、質問者もOncotypeDXすれば、「低リスク」となり、「化学療法に寄るベネフィットは少ない」となると思います。
 ♯閉経前「リンパ節転移陽性」でも適応があります(念の為)
 ○私であれば、「全身療法」はホルモン療法単独です。(温存術なのだから、当然「局所療法」として放射線は必須です)
  ホルモン療法はタモキシフェン+LH-RHagonist併用です(ASCO 2016ガイドラインより)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
前回はご回答ありがとうございました。
時代とともに治療基準が少しづつ変わっていくことも分かりました。
本日病院にて、放射線療法とホルモン療法でお願いしてきました。
(ホルモン療法は、タモキシフェンにあわせてLH-RHアゴニスト)
病院の先生は、私の希望を尊重しますとのことで安心しましたが、
今できる最大限の治療(化学療法)もお勧めすると言われました。
理由は転移リンパ節が4個あり、その一つが5cmと大きかったため。
また、10年生存率は無治療で60%、ホルモン療法で10%上乗せ、化学療法で10%上乗せとのことでした。
それで田澤先生に教えていただきたいことがあります。
・転移したリンパ節の大きさの意味と治療方針への影響について
・10年生存率と再発率について
(ホルモン療法の上乗せ、化学療法の上乗せ効果も)
尚、大きさ16mm、転移リンパ節4/15、Grade1、ER90%、PgR90%、
HER2陰性、Ki67は10%です。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
私の回答は前回とかわりません。(質問者の主治医が何をコメントしたとしても)
『腫瘍径やリンパ節転移の有無にかかわらず、ルミナールAでは化学療法によるbenefitがない』
これは過去のQandA(2973「ルミナールaで抗がん剤上乗せについて」)でもコメントしています。
更に、2388「治療方法」では以下のコメントも出しています。
★更に参考に以下の「SABCS 2015での発表」を載せます。
 
 高リスク閉経前Luminal A型乳癌患者には、術後化学療法のベネフィットは見られない:DBCG77B(前向き無作為化試験)の後ろ向き研究の結果より(SABCS 2015)
 この高リスクについてであるが
 1977-1983に「腫瘍径5cm超」または「腋窩リンパ節転移陽性」が対象
 化学療法の内容は(時代背景を色濃く示すもので)
 CMFもしくは経口エンドキサン
 結果として対象者は
  腫瘍径2cm超が68%
  リンパ節転移陽性が90%
  化学療法を受けていたのは77%
 ○10年無再発生存に、「化学療法施行群」と「化学療法未施行群」で差が無かったのです。
「理由は転移リンパ節が4個あり、その一つが5cmと大きかった」
「大きさ16mm、転移リンパ節4/15」

⇒お解りですか?
 「腫瘍径」や「リンパ節転移」にかかわらずルミナールAでは「術後化学療法でベネフィットは見られなかった」のです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生
ご回答ありがとうございました。
昨日、放射線療法(乳房+腋窩)とホルモン療法で決まりました。
田澤先生の豊富な経験と最新の情報を提供いただいている
このサイトのおかげと、心より感謝しております。
少し先になりますが、今後の定期検診について、
田澤先生のお勧めする検査頻度と検査方法を教えてください。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「今後の定期検診について、田澤先生のお勧めする検査頻度と検査方法を教えてください。」
→これはしばしばQandAで回答していますが(実は、本日の回答でも、もう一人いらっしゃいました)
 3カ月に1回のホルモン療法のための通院をしているわけですから…
 1.3カ月に1回の診察超音波
 2.3カ月~半年に1回の採血マーカー
 3.1年に1回のマンモグラフィー
 至ってシンプルなものです。
 CTだのPETダの無駄な医療被曝にはエビデンスがありません。(念の為)





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