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治療法について

[管理番号:2981]
性別:女性
年齢:82歳
母の事でお聞き致します。
12年前非浸潤がんで手術とホルモン療法をしたのですが検査に7-8年行っておらず、
今年検査で乳がん再発から肺、リンパ、脊髄、肩への転移が見つかりました。
肺は細かく、他は親指大との説明でステージ4です。
血液、画像以外の検査はしていません。
進行も遅いので急変は考えにくく、アリミデックスとトラムセットで様子を見ていきましょうと言われました。
今の状態では痛みのコントロールが大切という事はよくわかります。
そのうえで、家族としては治す事はできなくても少しでも母が長く生きられる治療はないかという思いでいっぱいです。
江戸川病院で田澤先生にセカンドオピニオンで相談させていただくことは可能でしょうか。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
非浸潤癌なのに術後12年での再発といいうこと。
お気持ち、お察しします。
「肺、リンパ、脊髄、肩への転移」
⇒このうち「脊髄」は「脊椎」の間違いですね?
 「肩への転移」というのは「肩甲骨」ですか?
 
「今の状態では痛みのコントロールが大切という事はよくわかります」
⇒疼痛部位は「脊椎=背部痛」や「肩」でしょうか?
 鎮痛薬投与もいいですが、「疼痛部位が転移部位と一致」しているのであれば「放射線照射の適応」があります。
 放射線照射によって「鎮痛薬=トラムセット」も不要になる可能性は十分にあります。
 更に骨転移には必ず「ゾレドロン酸やデノスマブ等の骨融解抑制剤の投与」が必要です。
 ○その上でホルモン療法ですか。
 82歳だし、妥当なところかもしれません。
 ただし、当然「化学療法歴なし」なわけだから、「もしも化学療法を投与すれば」奏功する可能性が十分あります。
 この辺の考え方はいろいろですが、もしも「ホルモン療法で病勢進行(特に肺)してしまった場合には、迷わず化学療法」に変更しましょう。
 その際に再度ホルモン療法を変更などしていると、更に病状が悪化してしまい
「化学療法に変更しようにも、病状が悪すぎて使えない」という悪循環になる可能性があります。
 術前術後に化学療法を用いている方であれば、「化学療法の効果も限定的なことがある」のですが、今まで一度も用いていないのであれば(一度も使用しないのは)「もったいない」のです。
 ○Weekly PTXであれば、高齢でも「効果と副作用のバランスがいい」ので、十分に病勢進行を抑えることも可能です。
 
 私の考えでは、まずは「化学療法で病勢進行を抑えて」から、「ホルモン療法で長く維持する」というものです。
 「楽な治療を先にして、いったん有る程度以上に病勢が進行」してしまうと、「そこで慌てて化学療法を行っても歯が立たない(病勢を押し返せない)」というターニングポイントがあります。
 
「江戸川病院で田澤先生にセカンドオピニオンで相談させていただくことは可能でしょうか」
⇒可能です。
 再発治療の考え方には「医師によって、かなりの違い」があるので、いいと思います。
 ご希望ならば、小平秘書 へ御連絡ください。
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