[管理番号:5969]
性別:女性
年齢:37歳
先生のご意見をお聞かせ下さい。
よろしくお願いします。
30歳でマンモ、エコーの検診を受け異常なし。
35歳で妊娠、出産、36歳で授乳。
授乳中、昨年7月に右胸にしこりを見つけて乳腺外科を受診。
マンモグラフィとエコーの診断で典型的な良性初見で6ミリの線維腺腫でしょうと言われました。
針生検は必要ないと言われました。
なにがなんでも白黒つけたいならあれだけど、必要ありません。と。
きれいな楕円で血流もないとのこと。
私がこのままにしておいて、悪いものに変わったりする可能性はないんですか?と聞くと、
悪いものは最初から悪い。
良いものは最初から良い。
良いものが悪いものに変わる可能性はない。
とはっきり言われました。
99.9パーセント良性だけど、でも、針を刺さない以上は100パーセントとは言えないので、
来なくていいくらいだけど、そういう訳にもいかないので3か月後に見せて下さいと言われました。
3か月後、全く異常なし。
大丈夫ですか?と私が色々聞くと、何回見ても変わりません。
と画像も見せてくださり、綺麗な楕円で血流もないでしょ?と。
見た感じ印象はきれいな楕円ですが、完全にくっきりと言う訳では無かったのですが、私は素人ですし先生もはっきり言われたので、納得しました。
次は5ヶ月後に見ましょうか、と言われましたが1ヶ月半後、昨年11月に別で気になること
があり受診してエコーで丁寧に見てもらいましたが、気になる所も線維腺腫も全く異常なしとのことでした。
先日、先生の質問コーナーで30代後半の線維腺腫や、線維腺腫と言われ、ずっと経過観察してたのに違ったなど色々見て、先生に質問させて頂こうと思いました。
上記のような状況ですが、先生のご意見をお聞かせください。
ちゃんと検査したほうがいいんでしょうか?
また、不安を取り除く為に針を刺して検査するのは妊娠中でも出来ますか?
次の診察は半年後でいいですと言われています。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
私がこのメール全体を見て強く印象に残っているのは…
(質問者の意図とは異なるかも知れませんが)『悪いものは最初から悪い。良いものは最初から良い。良いものが悪いものに変わる可能性はない。とはっきり言われました』という(その担当医の)コメントです。
○私自身も、まさに同じ考えであり「いつも、(聞かれれば)そのように答えています。
ただ、世の中を見ると(細胞診などして、良性と出ても)「今回は良性だけど、悪性の部分があるかもしれない」とか「悪性になることもある」と、常に曖昧なコメントが溢れています。
これは端的に言えば…
「自分の診断に100%自信がないことの裏返し」なのです。
その医師自身が(自分が行った細胞診で)「もしかして上手く当らなかった?」
と疑心暗鬼になっているのが日常化していると(結局、後日「癌だと判明」しても言い訳ができるように)「そのような曖昧さを残す」ようになるのです。
実際は「良性は(未来永劫)良性であり、悪性は(最初から)悪性」なのです。
それを患者さんに「はっきりと言い切れる」ということは、「診断(生検手技)に100%自信を持っている」という証拠なのです。
★つまり今回、担当医が「きちんと言いきっている」ことは「その担当医がきちんと自信を持って正確な診断をしている」ことを(私には)強く感じさせるのです。
その担当医の「99.9パーセント良性だけど」というコメントを、私は信用できるのです。
「きれいな楕円で血流もない」
⇒勿論、このような所見も(良性であるという)参考になります。
「先日、先生の質問コーナーで30代後半の線維腺腫や、線維腺腫と言われ、ずっと経過観察してたのに違ったなど色々見て、先生に質問させて頂こうと思いました。」
⇒実際に「線維腺腫」と診断されて癌だった(針生検をして良性と言われ2年も経過を見た挙句に、結局当院で「乳がんと診断」した例も、つい最近ありました。)患者さんがいることも(厳然たる)事実です。
だから、(質問者が、不安となり)「組織診をしたい」と感じたとしても、過剰だとは思いません。
♯ただ、線維腺腫と診断されていた人の圧倒的大多数は「結局、線維腺腫だった」という事実もまた真なりです。
「上記のような状況ですが、先生のご意見をお聞かせください。」
⇒上記通りです。
組織診で確認することを否定する理由はありません。
ただ、その際には(担当医のように)「診断に自信をもって断言できる医師」を選択するようにしましょう。
診断能力の低い医師に組織診をされ(それで誤診されることで)「却って,遠回りしていまう」リスクさえあることにも注意が必要です。
「ちゃんと検査したほうがいいんでしょうか?また、不安を取り除く為に針を刺して検査するのは妊娠中でも出来ますか?」
⇒総合的に言えば…
「自信を持った医師に99%大丈夫」と言われたものを、(敢えて)妊娠中に検査する必要はありません。(やるなら、出産後にしましょう)
質問者様から 【質問2 線維腺腫小さくなる?】
性別:女性
年齢:37歳
以前、線維腺腫の経過観察について質問させて頂きました。
本日、触診、マンモグラフィーとエコーの診察で、六ミリの繊維線種が三ミリ位に小さくなっていました。
高さは二ミリか、二ミリ無いくらいと言われていたと思います。
自分で触った感じも急に小さくなったきがしていました。
担当の先生は嚢胞だったのかもしれないとおっしゃっていました。
以前の診察で、中身のドロッとした嚢胞は繊維線種のようにうつることがあると言われていました。
小さくなると思っていなかったので、悪くなってないんですよね?と確認すると全く問題ない、小さくなっているんだしと言われました。
田澤先生にお聞きしたいのですが、
繊維線種は閉経前でも小さくなることはあるのでしょうか?
産後、生理周期が不安定なことなど関係ありますか?
線維腺腫と思っていたものは嚢胞だったのでしょうか?
嚢胞だった場合、水分が抜けて、しこりの部分だけ残っていると言うことなどあるんでしょうか?
全部無くならず、残ったりするものなのですか?
知識がないため、中途半端に勉強して、間違った知識で質問していたらすいません。
六ミリのだった時の画像と三ミリになった画像とを見せてもらいました。
綺麗な横長の楕円でしょ、と見せてもらった時はそういう印象でしたが、今日前回の画像を見ると、印象が違い横長ではなく黒くてポコポコした画像だったので不安で色々質問したら、これは線維腺腫ですと言われました。
写しかたやとる日、とった写真数枚によって印象が違って見えるものもあるのでしょうか?
今回の三ミリの画像は横長のペタっとした印象でうつっていました。
主治医の先生からは何も問題ない、むしろ今日見て安心しました。
と言われました。
小さくなっていることはいいことで心配は要らないのでしょうか?
先生のご意見をお聞かせ下さい。
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「主治医の先生からは何も問題ない、むしろ今日見て安心しました」
⇒100%同意します。
その位置のおっしゃるように「嚢胞だった」かもしれませんが…
授乳期腺腫かもしれません(妊娠期にもできます)
『今週のコラム 102回目 妊娠授乳期の「(突然できたかのような)大きい、しかし扁平な腫瘤」を見たら… それは、「授乳期腺腫」かもしれません。』をご一読ください。