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石灰化について

[管理番号:8663]
性別:女性
年齢:51歳
病名:
症状:
投稿日:2020年6月20日

田澤先生、こんにちは。

現在、アメリカ在住です。
(出産の経験無し)

先日、乳がんの定期検診に行ったところ、昨年なかったcalcificationが
左胸に映っているので再検査で別アングルで何枚か撮影をしたいとの
連絡があり本日行ってきました。

(過去の検査はすべて異常無しです)

その後、放射線科のドクターからの説明で、
過去4年分の写真と今回のものを並べて比較説明があり、
確かに昨年と比べて、石灰化の点々が増えているのが私が見ても分かりました。

(その点は散らばっていたと思います。)
ドクターからは、増えていることはよくあることなのでそれ自体は問題ではないが、
ここの部分がちょっとグループになっているように見えて気になるのでと一か所を指し、来年の検診を待たず、念のためバイオプシーをやった方がいいと思うとのことで来週、stereotactic biopsy(台の上に寝て穴から胸を出すタイプ)予約を取っています。

ここで質問なのですが、石灰化がまとまって見えている=必ずしも癌という訳ではないのですよね?
私の胸はかなり小さくほぼ膨らみもないほどなので、
毎回、技師の方が胸を挟むのに苦労しているのが分かるのですが、
技師の方の胸の挟み方によって、石灰化がまとまって見えたりということもあり得るのでしょうか?
(毎年同じベテラン技師の方だったのですが、今年から別の方に変わりました)

マンモトームもあまり胸が小さいと台の穴から十分に胸が出ず
石灰化の場所によってはきちんと生検が出来ない可能性もあり、
その場合は外科的な生検(手術?)になるとも聞いたことがあるのですが、
これも本当でしょうか?

こういう結果になると思わず非常に動揺しています。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「技師の方の胸の挟み方によって、石灰化がまとまって見えたりということもあり得るのでしょうか?」
⇒それはありません。
 勿論、はさみ方によって石灰化の位置はずれますが、「たまたま離れている石灰化が纏まって見える」という程の違いは出ません。

「マンモトームもあまり胸が小さいと台の穴から十分に胸が出ず石灰化の場所によってはきちんと生検が出来ない可能性もあり」
⇒ST-MMTの困難な条件は
  1.胸壁に近い(引っ張り出せない)
  2.胸が薄い(厚みが採れず針が突き抜ける

 上記1.2については『今週のコラム 77回目 針は「枠」にしか刺せないのです。』をご参照のこと

「その場合は外科的な生検(手術?)になるとも聞いたことがあるのですが、これも本当でしょうか?」
⇒理屈では「そう」なります。

 ただ現実は…

 マンモグラフィーに写っている石灰化で取れないものはない。
 私自身は「取れなかったから外科的生検にしたことは一度もありません」

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

石灰化について
性別:女性
年齢:51歳
病名:
症状:
投稿日:2020年7月6日

田澤先生、こんにちは。

先日、ST-MMTの生検に行ってきました。

結果的には、ドクターがターゲットとしていた石灰部分をうまく採取することが出来ませんでした。

(理由は、私の胸が薄いことと、石灰部分を取る際にblood clotsがあり、(邪魔してということなのでしょうか?)うまく採取出来なかったとのこと)

実際生検を行ったドクターからは、「ターゲットとしていた石灰部分の
周辺の石灰は採取出来たが、ターゲット部分からは取ることが出来なかった。

採取出来たものについては病理にまわすが、その結果が異常無しと出ても、
=ターゲット部分も異常無しとの確定にはならないので、外科的生検を薦める」と言われていました。

後日、結果が出て説明は、生検を行ったドクターとは別のドクターから行われたのですが、「採取出来た部分については異常無しの診断が出たが、
先のドクターと同様、自分としてもターゲット部分も同じく異常無しかどうかの確定するためにも外科的生検を薦める」と言われました。

これが日本であれば、すぐにでも田澤先生にやり直しをお願いしたい所ですが海外在住の為、そういう訳にはいきません。

そこで質問なのですが、

1、再度STーMMTをやり直したところで同じことが起こる可能性が
  あるため、それをするのは無駄になるのでやめた方がいいと言われました。

  自分としては外科的生検でハッキリさせようと思いますが、
  この選択で間違いないでしょうか?
  それともドクターを変えてST-MMTのやり直しをした方がいいでしょうか?
 
2、今回、ターゲットとしていた石灰化部分の周辺が異常無しと出ましたが、
  あくまでも周辺部分だったため、ターゲット部分と全く関係のない
  別物と考えるべきなのですよね?
  
本来ならば、ST-MMTをした事で、もう既に回答が得られた
はずなのにと非常に残念でなりません。

田澤先生であれば、間違いなくこの検査だけで確定して頂けただろうなと悶々としております。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「1、再度STーMMTをやり直したところで同じことが起こる可能性が
  あるため、それをするのは無駄になるのでやめた方がいいと言われました。

  自分としては外科的生検でハッキリさせようと思いますが、
  この選択で間違いないでしょうか?
  それともドクターを変えてST-MMTのやり直しをした方がいいでしょうか?」

⇒ST-MMTの症例の多い病院にセカンドオピニオンする手はありそうです。(その国で可能なら)

「2、今回、ターゲットとしていた石灰化部分の周辺が異常無しと出ましたが、
  あくまでも周辺部分だったため、ターゲット部分と全く関係のない
  別物と考えるべきなのですよね?」

⇒その通り。

「本来ならば、ST-MMTをした事で、もう既に回答が得られたはずなのにと非常に残念でなりません。」
⇒私も残念です。

 コロナでなければ、まだしも「このご時世」では仕方がありませんね。