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石灰化の検査について

[管理番号:4855]
性別:女性
年齢:45歳
はじめまして、こんにちは。
平成28年12月に自分で右胸にしこりを見つけ、今年2月に手術(右乳癌、ステージ1)しました。
20歳から毎年乳がん検診を受けており、最後に乳癌検診を受けたのは平成28年8月。
自分でしこりを見つけたのはそれから約3か月であったことから、平成28年8月の時点では異常がなかったのかと思い、カルテ及び画像を病院からもらったところ、疑問に思うことがあり先生のご意見を伺いたく投稿させていただきました。
・平成27年に市の乳癌検診(マンモグラフィーのみ)受診し、「要精密検査、石灰化カテゴリー3、形状は多形成で不均一、分布は集簇性」の通知があり。
・その通知をもって平成27年7月に病院を受診。
検査項目はエコーのみで、結果は異状なしで、1年後要follow。
・平成28年8月に同病院で乳癌検診を受診(マンモグラフィー、エコー)。
カルテに書かれていた結果は「右石灰化あり、カテゴリー3」
「右C領域不整域あり」1年後要followと書かれていました。
※この時医師からの結果説明は、「異常なし」だけでした。
それから約3ヶ月後に自分で右胸にしこりを見つけました。
また、この病院にはマンモトームがあります。
 先生の石灰化に対する検査はマンモトーム生検を実施すると書かれておりますが、やはり平成27年7月に病院を受診した時点でマンモトーム生検をやるべきだったのでしょうか?
また、平成28年8月の検診結果「右C領域不整域あり」とは乳癌を示唆するものだったのでないでしょうか?
 ご返信お待ちしております。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
過去に為された診療について、私がここで蒸し返すのは無意味ですが…
世の中に、このような「診療」がまだまだまかり通っていることを残念に思います。
「石灰化カテゴリー3、形状は多形成で不均一、分布は集簇性」
⇒そもそも「多形成で不均一、分布は集簇性」はカテゴリー4の表現です。
 実際に画像を見ていないので断言はできませんが、(その表現であれば)カテゴリー3と判定したとしても「(経過観察よりではなく)積極的にST-MMTすべきカテゴリー3」と言えます。
「検査項目はエコーのみで、結果は異状なしで、1年後要follow」
⇒そもそも石灰化は「エコーで見えない」ことが大前提です。
 ☆石灰化の診療において「エコーで見えないから、経過観察(しかも1年!!)」というのは、あまりにも「石灰化を知らなすぎ」ひどいものです。
「右C領域不整域あり」1年後要follow」
⇒これも誤りです。
 本来「組織検査すべき」です。
 ○「3カ月後に出現したシコリ」は「右C領域不整域」としか考えられません。(3カ月前のエコーで所見のないところから触知する腫瘍が出現することはありえないのです)
「やはり平成27年7月に病院を受診した時点でマンモトーム生検をやるべきだったのでしょうか?」
⇒当然です。
 「多形成で不均一、分布は集簇性」でST-MMTを提案しない理由が全くわかりません。
『「右C領域不整域あり」とは乳癌を示唆するものだったのでないでしょうか?』
⇒そうとしか考えられません。
 ○3カ月後に触知するようなシコリが「超音波で所見がない」など、ありえないのです。(つまり、その不整域と表現された腫瘍が3カ月かけて大きくなったということです)