[管理番号:1107]
性別:女性
年齢:19歳
・お目を留めていただきありがとうございます。私は鎖骨の下に第二の鎖骨らしき骨があります。
みんなあると思いますが、私は右のほうが心なしか出っ張っている気がします。
押しても全く痛くはありません。
・私は偶然、このようなブログを発見してしまいました。「若年性の乳がんブログ」。この方は半年前から以下のような症状に気付いておられたようですが、
いつものように頭の上より高い場所にある
商品の品出しをしようと腕をのばしたとき胸にゴロっとする違和感を感じた。
左の鎖骨の下に2㌢ほどの骨のような細長い筋のような出っ張りがあった。
http://ameblo.jp/taiyaki7777/entry-11555429738.html
4~6ヶ月後、10cmになりとても硬く細胞がとれないほどで、痛みがありアイスノンをあてがわなければ生活できなくなったそうです。この方は若年者?のため医師に葉状腫瘍を疑われたのですが、結果、癌だったそうです。転移性の極めて悪性度が高い?癌だそうです。
・鎖骨の下にあったそうですが、乳がんというのはそんな上の方にもできるのですか?
・鎖骨の下に2cm程度の骨の出っ張りは普通ではないのでしょうか?
・一般的に医師の言う「若年者」とは何歳くらいのことなのでしょうか?(田澤先生の見解でお願いします)
私も右のほうが少しだけ出っ張っている気がするので心配です。1ヶ月くらい前に気付いた気がするのですが、その前にもあったかもです。ネットでも「鎖骨の下の骨、出てる」が出てくるので割とある症状なのかな?と思ったり。
母に尋ねても出てないじゃん、みんなそうだよとしか言ってもらえません。ちなみに右胸には線維腺腫があるので、もしそれが癌で転移しているのかなとか考えてしまいます。お答えいただけたら幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
最初メールを読んでいて勘違いしていましたが、「鎖骨の下」とは「鎖骨の裏側=鎖骨上リンパ節の有る部位」ではなく、「胸壁=乳房のすぐ上」のことですね。
回答
「鎖骨の下に第二の鎖骨らしき骨」
⇒肋骨の出っ張りでしょうか?
骨と腫瘍は「通常、触診で区別」ができます。
「左の鎖骨の下に2㌢ほどの骨のような細長い筋のような出っ張り」
⇒「骨のような」となっていますが、「実際には、硬さで骨との区別はできた」筈です。
「4~6ヶ月後、10cmになりとても硬く細胞がとれないほど」
⇒そもそもこんなに大きくなる過程で「摘出」すべきものです。(細胞診などしている場合ではありません)
「鎖骨の下にあったそうですが、乳がんというのはそんな上の方にもできるのですか」
⇒乳腺の(上方の)端にできたのでしょう。
乳腺の存在するところ、どこにでも乳癌はできます。
副乳癌もその一つです。
乳腺の拡がりは個人差がありますが、「鎖骨の下数センチまで」薄-く、拡がっています。
「鎖骨の下に2cm程度の骨の出っ張りは普通ではないのでしょうか?」
⇒骨が(例えば、左右で多少)出っ張り方が違うことも結構良くあります。
それは、実際に私が外来診療の場で「患者さんから、よく言われる症状」だからです。
かなり、肋骨の出っ張りには「左右差」があります。
「一般的に医師の言う「若年者」とは何歳くらいのことなのでしょうか?」
⇒20歳代~30歳代ですね。(20歳代前半も殆どありません)
30代は「若年性乳癌の定義」には入りますが、「今では特別珍しくなくなっている」ような印象です。
○ただ、10代での乳癌は「殆ど無い」と言えます 2010の全国集計で2名いますが、かなり特殊(おそらく遺伝性)と思います。
「右胸には線維腺腫があるので、もしそれが癌で転移しているのかなとか考えてしまいます」
⇒それは無いと言えます。
「乳腺内に転移」することはまずありません。