[管理番号:7103]
性別:女性
年齢:34歳
病名:乳がん
症状:
はじめまして。
昨年12月に乳房切除(右胸全摘)手術を終え、今月からTC療法4クール開始し、その後ホルモン治療10年の予定です。
予防の為の治療とわかっていても、転移や再発が怖くて不安定な毎日を過ごしています。
術後の病理結果
ステージIIb
浸潤がん(微小乳頭癌50%・粘液癌30%・乳管癌20%)
しこりの大きさ:2.1cm
核グレード:1
ホルモン感受性:ER+,PR+,HER2陰性(1+)
リンパ節転移:1/5個
ki67 :38%
脈管侵襲:ly1,v1
手術前の病理結果ではリンパ節転移はおそらくないとのことでしたが、
手術中のセンチネルリンパ節生検で転移あり、リンパ節郭清レベル2まで行いました。
また、微小乳頭癌は非常に早期から転移を起こしやすい
性質ということで、すでに全身に癌が散らばってしまっているのではないかと不安です。
予後が悪いという記事も目にしました。
脈管侵襲と血管侵襲もあるとのことで、ショックが大きいです。
一方で粘液癌は抗がん剤が効きにくいタイプとのことなので、この二つが混ざり合うことにより抗がん剤の効果が薄れたりすることはないのでしょうか?
ki67も高めのルミナールBなので、どうしても将来の再発や転移が頭をよぎります。
リンパ節転移や脈管侵襲がない人と比べると再発・転移リスクはやはり高いのでしょうか。
私の場合、無再発生存率はどのぐらいになりますか?
それとリンパ節転移が1個(5個中)あった場合、放射線治療もした方がいいのでしょうか?
以上、よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
質問者はネット上の根拠のない記事をみて、不要な不安を感じているようです。
「この二つが混ざり合うことにより抗がん剤の効果が薄れたりすることはないのでしょうか?」
→考えすぎ。
「リンパ節転移や脈管侵襲がない人と比べると再発・転移リスクはやはり高いのでしょうか。」
→脈管侵襲は無関係。
物事はシンプルに考えましょう。
何のためにステージがあるのか?
ステージが予後と無関係なら、その存在自体無意味となりますよね?
ステージは「腫瘍の大きさ(浸潤径)」と「リンパ節転移の程度」の2つの組み合わせで決まるのです。(その他の因子はステージには関係してきません)
つまり「腫瘍の大きさ」と「リンパ節転移の程度」が「ステージを形成する」=
「予後と関係する」 シンプルなことですよね?
よって「リンパ節転移が無い人とある人」を比較すれば、「リンパ節転移の無い人の方がステージが低い=再発リスクも低い」 ものごとはシンプルに考えましょう。
「私の場合、無再発生存率はどのぐらいになりますか?」
→ステージ2だから85-90%程度でしょう。
「それとリンパ節転移が1個(5個中)あった場合、放射線治療もした方がいいのでしょうか?」
→不要
全摘後の照射の適応は「リンパ節転移4個以上」です。