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再発乳がん 抗がん剤の選択

[管理番号:3887]
性別:女性
年齢:64歳
いつもサイトを拝読し、勉強させていただいております。
母(64歳)の再発乳がんについてご質問させて下さい。
2014年11月に、右胸1.6cm トリプルネガティブの乳がんを温存手術し、
その後、抗がん剤・放射線治療をせずに経過観察しておりました。
しかし今年9月に右腋窩リンパ節に再発が発覚し、同月手術。
再発がんの病理検査の結果は、
ER:5-10%
PgR:20-30%
Her2:3+
ki67:20-40%
E-cadherin +
リンパ節転移の数は1個のみ
遠隔転移はなしでした。
初発のがんから性格が変わってきているため、抗がん剤+ハーセプチン+(場合によっては)ホルモン療法とのことでしたが、抗がん剤の選択で悩んでいます。
主治医からは、EC療法が本当はおすすめだけお、リンパ節転移が1個で場所が良かった(?)ことと、
初発の時に母が抗がん剤に抵抗感を示したこともあってか、TS-1でも良いかもしれないといわれました。
私(娘)としては、標準治療のECの方が良いのではと思うのですが、母は抗がん剤に先入観があるのか、
副作用が比較的軽いであろうTS-1を希望しているようです。
田澤先生でしたらどちらを選択されますでしょうか。
また、放射線治療が組み込まれていませんが、そのようなケースもありえますか。
再発、しかもリンパ転移ありとのことで非常に不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私がこのメールを読んでの「率直な感想」は、(担当医も質問者も)『純粋な局所再発と(全身的な)遠隔転移再発を混同している』ということです。
「再発、しかもリンパ転移ありとのことで非常に不安」
⇒この文章に「違和感」があります。
 これは単純に(初回手術はセンチネルリンパ節生検だったのでしょうか?)「(初回手術の時点で)転移していたリンパ節が(取り残されていて)ゆっくり増大した」だけの話しです。
 遠隔転移(全身転移)再発とは「完全に切り離す」べきです。
 ★「しかもリンパ節転移有」というのではなく、(全身の転移再発ではなく)「リンパ節再発だけ(で良かった)」というように意識を変える必要があります。
「主治医からは、EC療法が本当はおすすめ」
⇒何故EC(アンスラサイクリン)を勧めるのか不明です。
 「母が抗がん剤に抵抗感を示した」のであれば、ここは「非アンスラサイクリンレジメン」でしょう。
 
「TS-1でも良いかもしれない」
⇒そんなエビデンスのない治療ではなく、「抗HER2療法の非アンスラサイクリンレジメン」をまずは提示すべきです。
 (参考に)
 非アンスラサイクリンレジメン(アンスラサイクリン系薬剤である、ファルモルビシンやアドリアマイシンを避けること)
 ①HER + weekly PTX
②HER + TC
③TCH
「田澤先生でしたらどちらを選択されますでしょうか。」
⇒どちらも選択しません。
 抗HER療法は(初回手術後の補助化学療法をしていない経緯からは)すべきでしょう。
 副作用を気にしないのであれば(ゴールデンスタンダードである)「アンスラサイクリン+タキサン」となりますが、(副作用とのバランスで)「タキサンのみ(非アンスラサイクリンレジメン)」でいいと思います。
「また、放射線治療が組み込まれていませんが、そのようなケースもありえますか。」
⇒初回手術で「温存なのに、術後照射していない」わけですよね?
 今回の手術内容の記載がありませんが…
 (乳房)全摘もしているなら(そして、腋窩郭清もきっちりやっているなら)放射線照射は省略してもいいが、(腋窩郭清のみならば)術後照射も検討すべきでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日はお忙しい中、丁寧なご回答をいただき本当にありがとうございました。
>>これは単純に(初回手術はセンチネルリンパ節生検だったのでしょうか?)「(初回手術の時点で)転移していたリンパ節が(取り残されていて)ゆっくり増大した」だけの話しです。
 遠隔転移(全身転移)再発とは「完全に切り離す」べきです。
→はい。
初回手術は右乳房の温存手術+センチネルリンパ生検のみでした。
(センチネルリンパ生検で転移がみられなかったため、
腋窩郭清はしてません。
今回の手術で腋窩郭清をしております。)
(2年前の初発の際の病理結果をもらいましたので下記
に記載いたします。)
腫瘍径:16×15㎜
核グレード:2
ER:5%
PgR:<1%
Her2 score:2+
ki67 LI:40%
センチネルリンパ節生検:陰性
センチネルリンパ節生検はごく稀に「偽陰性」が起こると聞きましたが、母の場合はこの「偽陰性」だったのでしょうか。
仮に「偽陰性」だった場合、再発というよりも初発のリンパ節手転移陽性とイコールという考え方もできますか。
その場合ステージを敢えて
つけるとすれば「ステージ 2b」であっていますでしょうか。
また、前回の質問で田澤先生にご提案いただいたTC療法を選びたいと担当医に伝えたのですが、EC療法(またはTS1)以外を行うつもりはないと言われてしまい、今母は田澤先生の病院への転院を希望しております。
私としても田澤先生に診ていただければ本当に安心で、
ぜひ転院してほしいのですが、手術が終わっていても、
術後補助療法を江戸川病院でお願いすることは可能でしょうか。
先生の他の回答で「術後抗がん剤治療は2カ月以内にスタートするのが一般的」と拝見した記憶があり(記憶違いでしたら申し訳
ありません)、手術から既に5週間程経過しているので、早くしないと治療が手遅れになってしまうのではと焦りがあるのですが、
早めに抗がん剤治療等を施していただくことはできますでしょうか。
また、主治医は紹介状は書かないといっておりましたが、紹介状がなくても転院することは可能ですか。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「今回の手術で腋窩郭清をしております。」
⇒(温存)乳房全摘はしていないのですか?
 もし、していないのであれば(初回温存術後に温存乳房照射を省略しているのであれば)この機会に「温存乳房照射を行うべき」と思います。
 ♯(今回)全摘していたり、初回術後に放射線照射してあれば、今回は照射不要です。
「仮に「偽陰性」だった場合、再発というよりも初発のリンパ節手転移陽性とイコールという考え方もできますか。」
⇒その通りです。
「その場合ステージを敢えてつけるとすれば「ステージ 2b」であっていますでしょうか。」
⇒そうです。
「前回の質問で田澤先生にご提案いただいたTC療法」
⇒誤解です。
 HER2 3+ですよね。
 ★実際に提案したのは
 (以下に前回の私の提案をコピペします)
   ⇒そんなエビデンスのない治療ではなく、「抗HER2療法の非アンスラサイクリンレジメン」をまずは提示すべきです。  
   (参考に)
    非アンスラサイクリンレジメン(アンスラサイクリン系薬剤である、ファルモルビシンやアドリアマイシンを避けること)
     ①HER + weekly PTX
     ②HER + TC
      ③TCH
「術後補助療法を江戸川病院でお願いすることは可能でしょうか。」
⇒可能です。
「早くしないと治療が手遅れになってしまうのではと焦りがある」
⇒焦る必要はありません。
 今回は「あくまでも局所再発」です。
 基本的には「全身療法の追加は不要」となります。
 ただ、「前回、術後行うべき治療が省略されていた」ので、「この機会に補助療法を行う」というだけの話です。
 ♯その意味では「すでに数年経過」しているのだから、「今更、急ぐ必要はない」のです。
「早めに抗がん剤治療等を施していただくことはできますでしょうか。」
⇒上記コメント通りです。
 焦る必要は全くありません。
 秘書メールで申し込むと「緊急度に応じて予約」します。
 ○上記、非アンスラサイクリンレジメン①~③の中で、(化学療法に抵抗があるのであれば)①がお勧めです。(圧倒的に楽です)
  ただし「毎週通院が困難」であれば、(3週間に1回の)②を選択しましょう。
「また、主治医は紹介状は書かないといっておりましたが、紹介状がなくても転院することは可能ですか。」
⇒可能です。
 ♯転院となれば、当院から「診療情報提供」を「その主治医へ依頼」するので大丈夫です。(病院側から要求されて、それを無視することはできません)

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 



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