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非浸潤がんの抗がん剤治療とリンパ節廓清について

[管理番号:13095]
性別:女性
年齢:45
病名:乳がん(左)
症状:全摘済み、これから抗がん剤治療、ホルモン治療
投稿日:2025年09月19日

こんにちは。
いつも参考にさせていただいています。
お陰様で不安が軽減されます。ありがとうございます。
早速ですが質問させていただきます。

・8/(下旬)に左胸を全摘
・針生検では非浸潤がんとの診断だったが、病理結果で浸潤がんに。
・手術で腋下リンパ節を1個とって調べて転移は無かったが、
 病理結果では、その反対側を調べたら0.8㎜の転移あり
・ガンの形がかなり変わっている(特異)、浸潤がんと非浸潤がん複数交じり合っている。
・浸潤サイズは28㎜
・リンパ管浸潤も多数あり、ルミナールB、ステージ2B
・核グレード3、細胞分裂速度3

(詳しい結果は最後にのせます)

【質問】
1.(下旬)日からTC療法を行う予定です。その後にホルモン療法です。
  標準治療とのことですが、田澤先生も同じ治療方針でしょうか?

2.針生検で非浸潤がんであったためか、手術ではリンパ節を1つしか取っていません。
  それに転移があったということは、他にも複数転移があった可能性はありますでしょうか?
  (他に3つとったら3つとも転移していたなど)

この場合、リンパ節廓清を再度行わなくていいのでしょうか?(抗がん剤の前に?)

また、リンパ節転移が0~3ならTC4回、4個以上ならABX4回+FEC4回という表をもらいましたが、
今回(1個しかとれていなくて、0.8㎜の転移があった)の場合は、転移が0~3個とみなして、TC4回で大丈夫でしょうか?

3.このような病理結果の5年生存率、10年生存率を教えていただけますでしょうか。

病理結果

<Diagnosis >
Invasive ductal carcinoma, left breast, AC, total resection (#2-7, #9-12,
#14-15) WHO Grade 3, non-mass type, pT2 (28 mm), f sentinel (+, 1/1: maximal size 0.8 mm) by frozen

<Description>
左乳房全摘術検体(#1-12,追加切り出し:#13-20)。

IC(Invasive carcinoma): #2-7, #9-12, #15 in situ lesion: #2-5, #7, #9-12,
#14
Ly: #3-4, #6-7, #10-12, #16-19
intermediate pattern
面疱壊死を伴う充実性-状の in situ lesion が広がっており、所々で腫瘍細胞が充実性胞や小集塊を形成して増殖している。腫瘍は脂肪組織まで浸潤している。病変内にはリンパ管侵襲像が多数観察される。

Modified Bloom Richardson Grading:
Tubular formation: Score 3
Mitoses score: Score 3 (Mitoses= 23/10HPF、視野数22)
Nuclear grade score: Score 3
Total score=9 Tumor Grade 3

Ly3+ (D2-40), VO, f

sentinel (+, 1/1:最大径 0.8mm)by frozen

non-mass type
pT2 (invasion size: 28x9x15 mm), tumor size= 45x11x35 mm

margin (?2 mm)
in situ lesion: #2, #4, #7, #9, #10-11, #12 (muscle)
IC: #4. #7, #10 (muscle), Ly: #12 (muscle)
腫瘍の露出はみられないが、内側では肉眼的に病変が明らかでない領域にもリンパ管が広がっている。

for Her2, PR, ER: #10
ER:70%,中-弱
PgR: 40%,弱-中
HER2: 1+ (IC, in situ)
MIB-1: M-G2 (20-50%)
PS:全細胞數:1374 陽性細胞數:374 陽性率(%):27

以上

お忙しいところ恐れ入りますがどうぞよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

1. 29日からTC療法を行う予定です。その後にホルモン療法です。
  標準治療とのことですが、田澤先生も同じ治療方針でしょうか?

→いや、いや、いや、標準治療とかそういう問題ではなく

 どう考えても「OncotypeDX」一択でしょ! そもそも抗がん剤の適応の有無にこの検査を提案しないこと自体不自然!

オンコタイプDX

2. 針生検で非浸潤がんであったためか、手術ではリンパ節を1つしか取っていません。
  それに転移があったということは、他にも複数転移があった可能性はありますでしょうか?
  (他に3つとったら3つとも転移していたなど)

→センチネルリンパ節生検で「微小転移」であれば、「追加郭清、省略」
 そのように「そもそも」事前に取り決めされていないのですか? (ちなみに、当院では微小転移は郭清省略、肉眼的転移は追加郭清と事前に取り決めしています)

また、リンパ節転移が0~3ならTC4回、4個以上ならABX4回+FEC4回という表をもらいましたが、
今回(1個しかとれていなくて、0.8㎜の転移があった)の場合は、
転移が0~3個とみなして、TC4回で大丈夫でしょうか?

→OncotypeDXをしてRS>25ならばTC4回です。

3.このような病理結果の5年生存率、10年生存率を教えていただけますでしょうか。
→OncotypeDXすれば、その結果レポートに載っていますよ。
是非、OncotypeDXしましょう。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/10/8
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